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島国日本の狭い政治論議に   文科系

2019年05月19日 12時06分02秒 | 歴史・戦争責任・戦争体験など
 どんな政治論議でも、「より人類史的・根源的に考える」という観点が、今ほど必要な時代は大戦以来なかったと思う。ここ30年ほどの金融本位グローバル時代が、そこから著しく外れて来たように思えるからだ。

 世界的な若者失業者の群れ。
 人にも国にもどんどん広がる格差についても、貧富の世襲が当たり前になって来た。
 そして、生産力としてはどんどん豊かになっている今の世界で、失業者とか、結婚もできぬ人々とかがこんな風に増えているのは、世界的現象なのである。これでは、ロボットが使われ始めたら、失業者ばかりになっていくのではないか。世界的に、人間本位の経済社会ではなくなってきたということだろう。最大の原因は、株主資本主義にあると言いたい。株主資本主義は、人のまともな職場というものをどんどん減らしてきたのに、新しい職場を作ることにはそんなに熱心ではなかった。これはそもそも、新たな商品開発、職場を作るような長期投資には馴染まず、例えば、アメリカに観るように国家資金にたかって軍事費を増やすというような伝統を有してきたものだ。
 そして唯一の超大国になったアメリカがすすめて来た産軍複合体政治と、それが世界に呼び起こしているやの大小の戦火、紛争、そして制裁と称された「私刑」の数々。そういう人間疎外世界が結果として生み出している、地球破壊の諸現象。これらは、ここ200年ほどの世界人類史方向から著しく逸れてきたように思えてならないのである。

・18世紀から営々と進められてきた民主主義理念の実現から、世界がどんどん遠のいているように思われる。基本的人権、人の命は平等に大切等の感じ方、考え方のことだ。
・20世紀世界の二つの総力戦を反省して生まれた知恵は一体どこへ行ってしまったのか。ブロック経済は世界に不況、恐慌、戦争、膨大な不幸をもたらす。恐慌は、経済を軍事化させ、戦争にも繋がっていくというのは、二つの大戦から人類が学んだことのはずだ。
・民主主義や基本的人権、互恵的経済、戦争のない世界を実現していく世界政治に関わっては、多国間主義が大切である。ここから外れる国は、弱肉強食世界、しいては戦争を世界にもたらすものである。

 どうだろう。こういった、ここ200年ほど人類が後悔し、話し合い、望んできた方向とは、ずいぶん異なった世界に来たように思われないだろうか。ここでいつも述べてきたことだが、社会ダーウィニズムこそが今の人類社会の有り様を上手く表現しているとでも言うような


 なお、日本については特に、上記人類史の諸理念は先進国としては元々弱かったという事実も、こんな今こそ思い起こすべきだと思う。僅か75年前の日本は世界の中では、こんな立ち位置にあったにすぎないのである。こういう国が軍事力だけは持ったから、15年戦争を起こしたということも可能だろう。
・国民主権という民主主義の国ではなかった。憲法の上で、国民は居なくて、臣民だけが居たのだから。人が平等でもなかった。女性の選挙権はなかったし、そもそも二院制の一方に、貴族院という議会が存在した。
・基本的人権も大きく制限されていた。天皇(制)を批判したら生きてはいけないような国だったのだから。治安維持法など、思想、その表現の自由もなかった。
・独伊とともに遅れて発展した資本主義国として経済の軍事化、植民地戦争を急ぎ、軍国主義の先頭を走った結果、国際連盟から脱退して世界に芽生え始めた多国間主義政治の場を放棄してしまった。今は、北朝鮮もアメリカも、もちろん中ロも、脱退などするわけがないのである。それは世界的な大義名分が大事になったからだろう。国連、世界法が、昔と違ってとても大切なものになったと言うことだ。日独伊の時代よりもそれだけ人類の多国間主義が大切になったと言うこともできるのだが・・・。
コメント (5)
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