NY株は上昇トレンドが壁に突き当たり先週は高値から20%近い下落。
中国武漢市で発生したコロナウイルスが中国から他国にも伝播したことが先行きに大きな不安要因になった。
木曜日の下落を見て株式市場から資金が流出しただけでなく、これまでの相場の調整とは異なり、本格的な調整局面入りを予見する向きが増えてきた。急落の原因はCOVID-19といわれる伝染病の発生である。トレイダー、ストラティジスト、エコノミストの専門家がこれまで先例のない病原体という怪物が理由だけに、先行き読むことができず苦闘している。
これまでは株式相場が弱気局面にはいった場合でも、資金はリスク資産から安全資産の債券や金相場に移行するのが通例であった、今回は先例が通用しない状況である。
この相場の動きをみて、単なる調整局面いりではなく、本格的な調整局面入りを暗示しはじめたみる向きも出てきた。
ここ11年間にわたって歴史上では最長の上昇相場を続けてきたが、基調が転換し弱気相場いりの戸口にたったのか。
「最近の相場環境は大きく転換した」と相場が調整局面に入るごとに明言する向きがふえるのは気になるところだ。
「相場の方向性を決めるニュースには暗い内容のものがふえてきた」のは明らか。材料として明るい内容が少なくなってきたことは大きな気がかり要因である。
トレイダーは「相場の波乱が目立ち、週間でみて利益を出すことが、時間の経過とともに難しくなってきた」と先行きの方向性に不安を感じる日が増えてきたことを指摘する。慎重姿勢が目立つ。
相場は岐路にきている。