昨日のNY株は米連銀が0.5%の金利引き下げに踏み切ったのにもかかわらず一時は1,000ドル以上の暴落、引けは785ドルで終わった。コロナウイルスの感染が急ピッチで拡散しはじめたのをみて、景気への打撃を懸念して、米連銀は下支え策として金利引き下げに動いた。それでもコロナウイルスのCOVID-19の汚染懸念の勢いは止まらなかった。定例の連銀会合での決断という異常な行動である。
「景気対策としての金融緩和は市場に逆効果をもたらせている」と受け止める向きも出る。
金利引き下げ発表後には株式相場は反騰の兆しを見せたが、時間の経過とともに先行きへの警戒感の方が優勢になりダウ平均は1,000ドル以上の暴落、NY市場での投資家の動揺は止まるどころか増幅した。
ダウ平均は-785.91で2.9%下落になり大引けでは785.91を記録した。
ナスダック指数は3%近い暴落。市場の動きに打撃を受けた投資家の先行きへの不安感は高まり、資金は安全資産の国債に殺到し10年国債の金利は初めて1%を下回った。市場では金融政策の運営に危機感が高まり、先行きの相場に大きな警鐘を鳴らし続けていた。
投資家は政策当局の金融政策の運営に大きな懸念を持ち始め、10年物国債相場は初めて-4.05%と1%の水準を大きく下回る異常な金利になった。金利の低下で債券相場は急上昇した。これまで経験しなかった異常な相場の変動に政策当局の狼狽は大きく高まる一方であった。
一時的にはウイルスの拡散が製造工場の閉鎖、交通網の混乱をもたらし、家計、企業、政府の需要に大きな打撃をもたらしていた。
ダウ平均の暴落はコロナウイルスが産業界にもたらせた予想不可能な弊害の結果であった。予知のできない突発的な経済への影響である。