足立 真一のTriton Blog

株式投資の実践、グローバルな視点での投資戦略。
銘柄選択は、成長株、中・小型株、新興市場株にバイアスを置く。

ウォール街は綱引き相場

2010-09-24 06:11:26 | 株式

昨日のNY株は綱引き相場であった。

毎週木曜日に発表される前週の失業保険申請件数が予想の45万人を超え465000人になったことで弱気人気が台頭した。月初めに出る雇用統計の先行指標として注目される数字であるが、その変化をめぐってこのところ一喜一憂している。相場の方向性が決まらないときには、このような週間の動きには神経質になる。

一方、中古住宅販売と景気先行指数は事前の予想を上回り一時、株価は上昇したが、強気筋のエネルギーは続かなかった。

市場には目先についての相場の方向性の確信が出ていない。これから月末に入るがヘッジファンドなどは今月前半で手にした利益は確保しておきたいので、大きくは動かず、利益のある株は売却したい。

このような相場展開を英語ではtug-of-warという。こんな言葉が再三に目につくときは市場のセンチメントが定まらない時である。

この日の話題はアップル(AAPL)の時価総額がこれまで第2位であったペトロ・チャイナを追い抜いて世界第2位になったことだ。時価総額は2670億ドル(23兆円)になった。

株価は史上最高を記録した。

センチメントの不透明感が強いときでも、こんな株が出ることは米国の強みである。


金相場の目標値を$1500に引き上げへ

2010-09-23 08:41:15 | 株式

今週の「トリトンスクエア通信」でも金相場の高騰について書いたが、昨日のNY市場では金相場が一時は$1298まで上がり$1300台の一歩、手前まで上がった。

きっかけはドル相場の下落で連銀が追加の金融緩和策を検討していることを火曜日のFOMCの声明文でほのめかしたからである。

金相場は「不安のバロメータ」といわれるが、今回の不安は景気よりもドル相場に対しての不安である。

金の専門家は来年初めには$1500台と目標値を一斉に引き上げた。

日本政府の円相場への介入の口実が一層、難しくなってきた。1995年のときの円安時とは世界の経済規模か大きくなり、グローバル化の進展で先進国が支配する世界経済でなくなってきたからでもある。

今回の金相場にいち早く、賭けたのはやはりヘッジファンドの両巨頭であるジョージ・ソロスとサブムライム関連商品をショートして成功をおさめたジョン・ポールソンである。

2009年初めに金融危機の次のテーマの一つとして選好した。

30年前の1980年初めに金相場は$$875で天井を打ったあと15年間の下落相場を経験してきた。相場のサイクルからしても大きな上昇の波が始まっているが、動反動の動きをみると少なくともあと5年は上昇が続きそうである。

金相場に対して金鉱株は2~3倍の感応度がある。ここは金鉱株への投資も選択肢の一つである。われわれはニューモント・マイニング(NEM)に注目している。


9月中間の配当取り作戦

2010-09-22 07:44:54 | 株式

次回の連銀FOMC113日の予定で、10月はお休み。そのために昨日の会合ではななんらかの緩和政策の発動も期待されたが、政策変更の発表がなかった。

ただバーナンキ議長の「必要ならなんでもやる」という意向が声明文に盛られたために、一時、NYダウ平均は大きく反発する場面もあったが、引けにかけてはプラス分を消し、わずか7.41ドルで引けた。ナスダック、S&P500は小幅安い。

円相場は上昇した。ドル相場を中心とした世界の為替相場には大きな変化はみられない。

明るい材料は新築住宅の8月の着工高が598000戸と予想の54万戸を大幅に上回ったことだ。

ただNYダウ平均は先週水曜日から4連騰のあとだけに、ここは小休止も当然である。

東京市場はウォール街に比べて元気のない相場展開が続く。

やはり気になるのは、円相場の動きである。昨日はNY市場では円高に振れた。政府が動かなければ、再び円高が進むという懸念が根強い。日本経済、日本株の存在感が薄れているだけに、円相場への世界の投資家の関心はゼロといえる。

さて9月中間期の配当取りは今週金曜日が最終取引である。一部に配当取りの動きが出始めているが、相場の短期的な動きに強気なら配当取りのチャンスである。

いくつかの銘柄に絞って配当取り作戦を実行する方針である。


エリオット波動が好転

2010-09-21 07:17:44 | 株式

週明けの世界の株価は大幅高。

ヨーロッパでは英国+1.7%、仏+1.8%、独+1.4%という株高に続いてNYダウ+1.37%。

S&P500は上値の抵抗線1131を抜いて1142で終わった。エリオット理論によるレジスタンス・ラインであるが、テクニカル・アナリストの中には目先の相場展開に強気がふえてきた。

ウォール街では引き続きM&Aと自社株買いで市場の株式の需給の好転に注目している。

またダウ理論での運輸株指数と相場の関係に相場の先高のサインが出始めたことに注目する向きもある。

昨日は、これといった材料が出たわけではないが、NBERが今回の不況の終焉の日付を20096月と認定したことも材料視する向きもあった。今回の不況は18ヵ月で戦後では最長のリセッションになった。

目先は21日の連銀FOMCである。次回は11月まで開かれないのでバーナンキ議長が何らかの政策を発動するかどうか?

1兆ドルの追加の国債の買い上げが期待される。8月末の世界中央銀行の会合で「必要なことはなんでも実行する」という発言を行動でしますかどうか。注目点である。


金相場が1300ドル台乗せへ

2010-09-18 08:40:34 | 株式

金相場が昨日もNY市場では$1284.40の新高値をつけた。

別に新たな不安材料が金融市場にでたわけではないが、短期の上昇トレンドにはいった。

1987年の株式相場のクラシュをずばり当てたマーク・ファーバー(マーク・ファバー&カンパニー)は香港で「世界的の膨大な負債が民間、公的部門に積み上がっている。一方、世界の中央銀行は紙幣の印刷を続けている。いまや世界の金融市場は過去に比べものにならないぐらい膨れ上がった。金は現在の相場水準でも割安だ」と語る。

彼はトゥモローズ・ゴールドという書物を書き、金に続く新しい資産を追求してきた。

アジア株がその第1候補であり、ずばり当たった。

しかし金相場が1200ドルを超えたいまでも、引き続き資産運用の有望分野に金を位置づけている。彼の金有望論に、ここ2~3年は世界でも有数のヘッジファンドも加わり金市場が大きく膨れ上がってきた。

ゴールドマン・サックスは昨日、「これまでの予想より早く1300ドル台に乗せそうだ。連銀の金融の量的緩和が一段と膨れ上がってきた」というコメントを出した。

またマーク・ファバーはことし2月に続いて日本株の推奨を強調した。国内の投資家が株式離れを起こした時はチャンスだ」としている。