昨日のNY株は“綱引き相場”であった。
毎週木曜日に発表される前週の失業保険申請件数が予想の45万人を超え46万5000人になったことで弱気人気が台頭した。月初めに出る雇用統計の先行指標として注目される数字であるが、その変化をめぐってこのところ一喜一憂している。相場の方向性が決まらないときには、このような週間の動きには神経質になる。
一方、中古住宅販売と景気先行指数は事前の予想を上回り一時、株価は上昇したが、強気筋のエネルギーは続かなかった。
市場には目先についての相場の方向性の確信が出ていない。これから月末に入るがヘッジファンドなどは今月前半で手にした利益は確保しておきたいので、大きくは動かず、利益のある株は売却したい。
このような相場展開を英語では“tug-of-war”という。こんな言葉が再三に目につくときは市場のセンチメントが定まらない時である。
この日の話題はアップル(AAPL)の時価総額がこれまで第2位であったペトロ・チャイナを追い抜いて世界第2位になったことだ。時価総額は2670億ドル(23兆円)になった。
株価は史上最高を記録した。
センチメントの不透明感が強いときでも、こんな株が出ることは米国の強みである。