足立 真一のTriton Blog

株式投資の実践、グローバルな視点での投資戦略。
銘柄選択は、成長株、中・小型株、新興市場株にバイアスを置く。

米感謝祭明けの相場がカギ

2007-11-24 15:22:54 | 株式

昨日、金曜日は小売店、量販店では1年に一度の大ショッピング・シーズンの幕開け。大都市の百貨店、専門店は早朝4時から開店する。消費者は目当てのバーゲン商品に殺到したようだ。

ところによってはシャープの46インチ型液晶TVが$999で入手できるとあって、民生用機器の売り場は超満員。

小売店、量販店の年間の利益の2分の1は、感謝祭からクリスマスまでの間の1ヵ月で達成される。

国内の消費者だけではなく、ヨーロッパ、カナダ、南アからもドル安のおかげで安い買い物ができるとして、国境を跨いだ買い物客が多いというのも今年の特色である。

相場の季節性からしても感謝祭の週は上昇することが多い。

メリルリンチによると「過去45年間でサンクス・ギビングディーの週は、30回も相場が上昇した」。

しかし今年はこの習性が破れた。

サブプライム問題の発生で景気の先行きに対しての不安感が、日増しに増幅されたからである。当初は1998年のLTCM問題のような深刻な事態にならないとみる向きもあったが、市場の見方は甘すぎた。問題の額が正確に把握できないことが最大の問題点である。

一方、日米の株価はずいぶん安くなった。大きな影響を受けているのは金融、住宅で、大半の企業の業績は好調。問題はサブプライム問題が現実の消費にどれだけ影響を与えるかにある。

日米とも企業の自社株買いが始まった。企業には手元流動性の豊かなところが多く、経営者は自社株が安いと自信をもつ

来週のNY株の動向が、市場が気にする消費者心理を読むカギになる。年末相場の動向がかかっている。


休日明けのNY株

2007-11-22 13:04:52 | 株式

今週のウォール街は木曜日の感謝祭をはさんで、金曜日が午後1時で取引を終えるので、有力ヘッジファンドやトレーダは、昨日は早々にポジションを手仕舞い、休暇にはいったようだ。

サブプライム問題が市場の頭を抑え、NY株の波乱のなかに東京市場も巻き込まれている。

ただ米国では企業の自社株買いが活発化し、4月以来の低水準になった。

メリルリンチ社の見通しでは1日当りの自社株買いは22億ドル(2300億円)になるという予想。東京市場での、最近の売買代金の約78%に当る金額だけに、米国資本主義の合理性と、企業の資金力の底の深さを感じさせる。

昨日のNY株はダウ平均が417日以来の安値に落ち込んだが、動きが目立ったのはインターネット株とハイテク株の強さである。

グーグル(GOOG)、アップル(AAPL)、リサーチ・インモーション(RIMM)などの強さが目立つ。

調査会社comScoreが昨夜、発表した数字によるとグーグルの検索エンジンの10月のシェアは58.5%9月・57.0%)になった。

一方、ヤフーは22.9%(同・23.7)、マイクロソフトは9.7%(同10.3%)とそれぞれ減らした。

昨日のNY株の大幅な下落のなかで逆行高したのはインターネット株である。

先行きの相場の反転場面での人気のリード役になるとみてきたグループである。東京市場での新興市場の反騰局面でもネット株がリードしたが、引き続き押し目は買いである。

目先はハドソン(4822HC)に注目したい。先に発表した9月中間決算は当初の予想を大きく上回った。任天堂向けゲーム・ソフトの好調が主因だが、20083月期も現在の会社予想を大きく上回ることが期待できる。

Wii用の「デカスポルタ」という10種類のスポーツが楽しめるソフトを新春に出す。そのほかエクシングと共同でカラオケソフト「JOYSOUND Wii」を出す。Wiiウェアでソフトをダウンロードできる。新分野への進出である。


米景気の予想相場

2007-11-21 18:08:04 | 株式

ニューヨーク市場の動きに一喜一憂する動きが続いている。

ウォール街は「景気がリセッションになるのか?」という議論が、株価を左右している。

世界の金融市場には機関投資家、ヘッジファンド、トレーダーなど、時代が進むにしたがってさまざまなタイプの投資家集団が相場のリード役になり、その見方も多様化してきただけに株価の変動率も激しくなってきた。

アイルランドに「予測市場」(The Prediction Market)というのがある。

事件、相場、金利の予想を売買する市場である。最近、注目されているのが「リセッションの相場」である。

8月以来の相場の変動は30から59まで変動したが、先週末は50になった。リセッションの確率は50%というわけだ。同じマネー・ゲームでも知的な要素が相当にはいる相場形成である。株式市場のセンチメントの動きを物語っている。

金利の予想はどうか?

1211日の連銀FOMCでの4.25%(現在4.50)への利下げの確率は97.

4.00%への確率は990.5%への利下げ予想が高い。リセッション相場との関係では、このままいけば米国景気はリセッションいりするという予想が高くなってきている。

ついでに次期大統領はクリントン夫人が71.7、ジュリアーニが44.5で、この方はクリントン夫人の独走である。

金利予想との関連では市場はリセッションいりを肌で感じているようだ。


日本株の底入れ宣言・・・米バロンズ誌

2007-11-20 19:58:04 | 株式

米バロンズ誌(1119日)は“そうだ!日本株がついに離陸するときがきた”というタイトルで強気宣言をした。

同誌は日本のこの種のメディアと異なって、自分たちの相場観を思い切って展開するし、個々の銘柄の強弱論もする。

今回の日本株の強気論の理由は次の通り。

①センチメントが極端に弱気に傾いた②PER(株価収益率)は15.4倍と米国なみになった

③企業収益の増加率は目先、米国を上回る④金利は米国よりはるかに低い⑤時価総額のGDP比はG7のなかではもっとも低い⑥世界第2位の経済大国である⑦株価純資産倍率(株価÷1株辺り株主資本)が世界最低⑧配当利回り1.54%は国債の1.46%を上回ったーなどの理由を上げている。

取り立てて目新しい材料ではない。いままで言い尽くされたことであるが、米バロンズ誌に改めてが並べたてられると、重みが出てくるのは不思議である。

ヘッジファンドの有名な運用者バートン・ビッグスは「相場の大底はだれにもわからない」という。

昨日の東京市場ではテクニカル指標が、8月の相場の底いれ時に近い数値に接近していた。これまでのわれわれの11月相場の転機観が、現実になってきたような感じを強く受ける。

相場のリード役に一部、変化がでるとともに、引き続き9月に底いれした新興市場の銘柄にも注目を続けたい。


円キャリートレードの巻き戻しが出る

2007-11-19 18:09:16 | 株式

本日は再び円キャリー・トレードの巻き戻しが話題になり、円相場が買われた。

金利の低い円資金を借りて、金利の高い債券を買ってサヤを稼ぐ。いまやこの動きが、へッジファンドのトレーディング商いのように活発になってきたようだ。

本日の円キャリー・トレードの巻き戻しのきっかけは米国での住宅ローンの担保流れの増加がいわれた。

それにいまひとつ東京市場の相場の足を引っ張ったのは、中国株の下落である。中国の金融当局が、外国の銀行にも資金の貸し出しの規制を始めた。日本の1970年代の後半を想起させる。

外人投資家が日本株にそっぽを向けている。

東京のストラティジストが「PER(株価収益率)が、第1次オイルショック並みの低い水準になったと説いても、資金を振り向けないのは、「儲からない」からである。

理由のひとつは個人投資家の資金が海外へ向かい、東京市場から離れてていたからでもある。

今週のウォール街は、週末が連休(感謝祭)で4日間の取引である。東京市場も同じ。

ウォール街の関心事は、週末から始まる年末のショッピング・シーズンの幕開けと、火曜日に公開される10月31日の連銀FOMCの議事録の内容にある。

現在の景気の状況と、政策当局の金融政策の方向性が読める。