市場の事前の予想を覆しバーナンキ議長は金融政策の手直しに動いた。
これまでの月間850億ドル(8兆7500億円)の債券購入額を100億ドル(1兆300億円)縮小した。
背景には景気の基調が堅調で、この日、発表になった住宅関連の指標が予想を上回り景気の順調な回復を裏付けた。バーナンキ議長が5月の議会証言で政策の手直しに言及した時には株価は暴落した。この先例もあって6ヵ月間、景気と株価の状況を克明に追いかけてきたが、今回は絶好の時期と読んだ。自分が実行した量的緩和の出口だけは、来年1月の退任までに設定して、後任のイエーレン新議長にバトンタッチしたいという念願を絶好のタイミングで実行した。過去8年間の金融政策のかじ取りに市場はもろ手をあげて歓迎した。皮肉なビッグサプライズで、金融情報のウェブ版「MarketWatch」は「20%の確率しかなかった政策を実行した」と報道した。
株価はNYダウ平均が1万6000ドルの大台に乗り新高値を更新した。
ドル相場は上がり円安になった。
東京市場も目先の不透明感が払拭されNY株のあとを追いかけるだろう。
昨日の売買代金のランキングをみると久しぶりに時価総額の大きい銘柄に人気が回帰してきた。最近は新興市場や小型株の人気に押されていたが、物色範囲が拡大し年末相場の締めくくりが始まるだろう。
相場のリード役は引き続きことしのスターであるソフトバンク(9984)だが、自動車、金融、不動産株にも人気が回帰する。2014年の人気株を見据えての銘柄選択が始まる。