NYダウは4日間の続落だがS&P500とナスダック指数はダウ平均に逆行しプラスで終わった。
現在のウォール街の関心事は2つだ。
日本時間の今夜に発表になる7月30~31日の連銀の議事録の公開。今月の連銀FOMCは休会なので連銀の考えを推測するカギを議事録から探ろうとする。
8月上旬にブルンバーグが行ったエコノミストの予想では65%の解答者が9月には金融政策の転換を予想している。2009年のQE(量的緩和)の開始以来3回にわたって発動されてきた政策の転換には市場は非常に神経質になっている。本来なら米国景気が正常な状況に回帰したという政策当局の判断に注目すべきであるが、依然として世界経済には不透明感があると判断する向きが多い。
いまひとつはの懸念材料はアジア、南米の株価の暴落である。これまでの米国の金融緩和の恩恵を最も受けてきた諸国で景気と通貨の堅調を支えてきた。すでに機を見るに敏な投機資金はこれらの新興諸国から資金が流出している。
米メディアのCNNMoneyが発表している市場センチメント指数にFear & Greed指数がある。シカゴ取引所のVIX(恐怖)指数とは異なり、市場で先行きに悲観人気が強まれば下落する。昨日の数値は31と1ヵ月前の68、1年前の79から急落した。
悲観人気が蔓延している。7月初めの市場の低迷期には20台があったが、昨日はその時期に接近した。逆張りの発想からは「極端な悲観人気」とみる向きもある。
当時に比べて米国の景気は落ち着いており、ユーロ圏でも底入れの兆しが出ている。ただ先行きの判断にアベノミクスの効果による日本経済の回復を語る向きはいない。