ウォール街では夏休みモードが続く。
今週のNY株は1.5%下落した。ただこれといった売り材料もなく相場の上昇への弾みは消えていない。
一方、昨年までは世界の株価の最大の懸念材料であったヨーロッパ株が最近は好調である。今週は5月以来の高値に進んだし、ロンドンも好調だ。同じように世界の株価の足を引っ張ってきた中国景気にも底入れの兆しが出てきた。今週は製造業受注(7月)が好調であったし、経済を支える輸出入も拡大均衡のパターンにはいってきた。
問題は東京市場である。
今週は週間で日経平均は-5.9%になった。第1四半期の決算発表も終幕にきたが、個々の好材料は相場に織り込むが一時的で長続きしない。原因はどこにあるか?企業業績の好転の牽引役であった円相場の動向である。
今回のアベノミクス相場での最大の好材料であったが、最近の円相場の動向は方向感をすっかり失ってしまった。
景気対策、金融政策の面でも円相場に影響与える材料が途切れており、むしろ市場は9月に明確な方向が出る消費税の引き上げの方に関心が集まる。円相場の動きにも影響を与えるだろう。
ミクロ面では決算発表で好材料が出ながら相場には織り込まれていない出遅れ銘柄が多くみられる。これらの銘柄の分析に力点を置く戦略をとりたい。