足立 真一のTriton Blog

株式投資の実践、グローバルな視点での投資戦略。
銘柄選択は、成長株、中・小型株、新興市場株にバイアスを置く。

任天堂の人気は終わった?

2009-01-30 15:09:43 | 株式

任天堂(7974)ショックとでもいえる相場展開であった。

東京市場では今回の世界的な不景気の圏外にあるとみられていただけに、海外でのWiiの販売が伸び悩んだことは投資家にとっては大きなショックであった。

今回の決算直前のモルガン・スタンレーのレポートによると売上の予想が1兆9660億円円、経常利益4720億円であった。

これまでの株価は証券会社の予想を前提にして人気が形成されてきた。

今回、会社は売上1兆8200億円、経常利益3700億円に減額した。それでも営業利益は史上最高利益を更新した。

これまで任天堂に寄せる市場の期待感はいつも「事前の予想を上回る」というものであったが、今回はその期待感を裏切った。

WiiDSというゲーム業界では歴史的な製品を開発したが、世界経済の低迷の影響からは無縁でなかった。

円高で為替差損が2000億円も出たのも業績に影響したが、市場がこれまで期待したのは任天堂だけはどんな逆風をもはねのけるということであった。

問題は年末、年始のシーズンという需要期でさえ会社の予想を下回っただけに、先行き製品サイクルがピークを迎えるというこれまでの経験則をどのように克服していくかにある。

外人投資家の持ち株比率が大きく、運用者はコアストックの一つに位置づけしてきただけに、今回のショックの余韻はしばらく続くだろう。

株価の安心感を呼ぶのには会社が「自社株買い」や「株式分割」という市場対策に出るかどうかがカギになる。