足立 真一のTriton Blog

株式投資の実践、グローバルな視点での投資戦略。
銘柄選択は、成長株、中・小型株、新興市場株にバイアスを置く。

相場はスピード調整

2009-01-13 07:46:48 | 株式

ウォール街では昨年第4四半期の決算発表が始まった。

皮切りは恒例によりダウ採用のアルコアだ。引け後に発表したが1株当り利益は-28セントと予想の-5セントより悪かった。発表前から株価は売られていた。

4四半期の業績は全体でが20%の減益になるというのが最近の予想。2007年第3四半期から始まった減益決算は通算で6期間になる。

今回の金融危機の景気に与える影響のスピードがあまりにも速く、経営者はそれに対応するのが後手に回った。

政府の景気対策も同じで昨年10月の金融安定化法で7000億ドル(70兆円)の公的資金の投入を決めたが、9月のリーマンブラザーズの破綻を見過ごしたことは大きな失政であった。

この一事でが、政策のタイミングの遅れが、その後の市場にいかに大きな悪影響をもたらせるかを認識させた。

用意した公的資金を半分は使った。残り3500億ドルの使用には議会の承認がいる。昨年末にポールソン財務長官が「早急に議会に要請を」とブッシュ大統領に助言してきたが、今週、大統領も動いた。議会を通過しても、実際の使用はオバマ次期大統領の正式就任の20日後になる。

サマーズ経済会議委員長は「可能なかぎり劇的な対策を発動すれば,事態を変化させるのに手遅れにはならない」と議会に提案書を送った。資金は民間の住宅融資の破産と民間企業の救済に使われる予定だ。事実上のオバマ経済政策の第1号になる。

市場には早くもオバマ相場は終わったという見方も出てきた。昨年11月から日米とも株価は20%上がった。当然、目先、調整を必要としていた。

オバマ相場の序幕は下りたが、本番を見極めるのはこれからである。景気対策の題目は出たが内容はだれも見ていない。