今週のウォール街の焦点は月曜日の財務長官の議会での承認である。
先週の上院での委員会では18対5で賛成票が多く、民主党が多数を占める議会での承認は確実である。
ガイトナー新財務長官が就任したあと、先に議会で認められた金融安定化法による残り3500億ドル(31兆円)をどう使うかが市場の安定化の行方をにぎる。
新長官は「金融機関への資金注入だけでなく、これ以上銀行株は売られないような方策が必要」と考えている。決め手は銀行が決算期ごとに損失を膨らませるのをストップさせることである。それには不良資産の分離を実行しなければならない。
ガイトナー新財務長官への期待感は大きい。
相場の不安定が続くが、金相場は確実な足取りで戻り歩調をたどっている。
市場での人気はかつてのような投機フィバーはなく、静かな上昇トレンドだ。
日米とも昨年11月20日が底値であったが当時の金相場は$790で先週末は$897。
同期間にはNYダウ平均が7752ドル→8077ドル。
日経平均が7703円→7745円。
円相場が95円→88円。
日米とも株価は安値に接近しているが、金相場は+13%と上昇した。
米国をはじめ世界の中央銀行が通貨供給を未曾有の水準に高めている。商品相場の低迷をよそに金相場だけが独歩高である。
金融市場が正常化するまではこのトレンドが続く。
日本では金連動投信(1328・大2)が昨年11月から2205円→2380円になった。
ここ一年は金相場に注目していきたい。