足立 真一のTriton Blog

株式投資の実践、グローバルな視点での投資戦略。
銘柄選択は、成長株、中・小型株、新興市場株にバイアスを置く。

目先は慎重な楽観論・・・あるヘッジファンド

2009-01-16 08:21:54 | 株式

昨日のウォール街では相場は一時、1121日以来の水準に落ち込んだ。ダウ平均は7996.72ドルの安値をつけた。

1120日のダウ平均は7552.29ドルで今回の下落相場の底値であった。

昨年11月を底にして相場は新年初めまで20%以上の反発となり中間反騰を展開したが、オバマ大統領の当選を背景にした相場はこれで終焉したのか?

昨日の相場の反転の材料は、第2のリーマンブラザーズになるのではないかというバンク・オブ・アメリカに、政府が150億ドル(13000億円)の資金注入を決めたことだ。昨年9月のリーマンブラザーズ破綻が今回の金融不安の大きな火種になっただけに、その2の舞はしないという固い決意が現在の政策当局にはある。学習効果が働き始めた。

またオバマ次期政権の景気対策の骨格が固まってきた。景気対策の総額が8250億ドル(73兆円)になり、減税に2750億ドル(25兆円)が当てられる。特に納税者の90%以上を占める中間所得層以下が恩恵を受けることになる。ブッシュ大統領の高額所得者の優遇とは全く反対の政策である。納税者の大半が恩恵を受けるだけに、市場に与えるセンチメントは大きい。

われわれわれの最大の関心事は「昨年11月が大底で、今回の下落が2番底になるのか?」あるいは「相場はオバマ人気を織り込み新しい悲惨な弱気相場にはいったのか?」にある。

あるヘッジファンドは「現在の中間反騰は5月まで続く」と今月のレポートでユニークな見方を出した。最近、パフォーマンスが好調なファンドだ。理由はオバマ次期大統領の景気対策の短期的な効果を評価する。この運用者は下落相場のトレンドは依然として続いているとみているところに注目される。

「今年は前半安、後半回復」というウォール街のコンセンサスとは異なる見方で、先行きは「慎重な楽観論」というところだ。その銘柄の選択も参考になる。