2003年にモルガンスタンレーを退社してヘッジファンドを立ち上げたバートン・ビッグスは、トラクシス・パートナーズを運用してるいが、これまでのストラティジストとしての経験を生かしてすばらしい成績を上げている。
最近、忙しい日常の運用業務の合間を割いて「へッジホッグ/あぶない金融錬金術師たち」(望月衛訳・日本経済新聞社刊)を書いたが、「文章を書くことも運用には大きく貢献する。書きながら新しいアイディアが湧き上がり、自分の見方を検討することができる」という。エネルギシュで天才的な才能の持ち主であるとつくづく感心させられる。
その本のなかに次のような一文がある。
「4つの主要なセンチメント指標を使ってバックテッストしたところ、そうした指標に市場の天井を予測力する力は実質的に全くなかったが、底値はまあまあ予測できた。モルガンスタンレーもVIX指数を使って同じような分析を行い、やはり同様の結論に達している。市場の参加者の不安度を測るこの指標には、だれもが毎日注意している」。
投資家は相場の天井はなかなかつかめないが、底はつかめることもあるという。
ニューヨーク株の最近のVIX指数は極度の不安人気から抜け出し、底値を探る段階にはいってき(指数の下落=不安度に低下)。
東京市場も9月10日の日経平均1万5764円が底であったとみる。
NY株が上がっても売られることもあるが、それは「時として」の話で、トレンドははっきりと上昇に入っている。
中間決算の発表が材料として響くようになってきた。