足立 真一のTriton Blog

株式投資の実践、グローバルな視点での投資戦略。
銘柄選択は、成長株、中・小型株、新興市場株にバイアスを置く。

新興市場の戻りのスピード

2007-10-12 09:28:54 | 株式

一昨日、日経平均は17458円をつけ昨年末の17225円を上回り水面上に顔を出した。

アジア株が軒並み史上最高値を記録したなかでの上昇だけに、あまり威張った顔はできないが、それでも東京市場の渦中にいると、「やっと」という気分になる。

売買代金も3兆円を超えてきた。

今回の相場の反騰で注目したいのは新興市場の立ち直りである。個人投資家の活躍する市場だけに、新興市場の復調は投資家のセンチメントに与える影響は大きい。

東京市場の元気のなさがいわれて久しい。

日本の周辺国の株式市場が軒並み新高値をつけるなかでの不振であった。理由としてさまざまなことが取り上げられたが、ファンダメンタル面での問題よりも、国内の投資家の不在がなによりも気になった。

2003年以降の回復相場では外人と個人が市場シェアの80%を握ってきただけに、個人投資家のエネルギーの喪失は、株価形成の面では大きなマイナス材料であった。

原因は20061月のライブドア破綻だが、これで新興市場に対しての不信感を内外で醸成した。ライブドアの元社長の植え付けた新興企業に対しての会計疑惑は、2002年の米国でのエンロン問題に等しい罪である。

新興市場の代表的なマザーズ指数は918日の安値から+40%以上の反発になった。

20061月→20079月のマザーズ指数の下落率が-77.9%であったので、戻り率は大きいが、全値戻しには4.5倍(+551%)にならなければならない。

ヘッジファンドがよく「20%損をしたら、元にするには+25%の利益を上げなければならない」という論理がわかる。

今回の新興市場の戻りをみて「反騰のスピードが速すぎる」とみる向きもあるが、相場の特性からすると、上記の論理からは「まだまだ」という感じがする。大きなチャンスが残されている。