今週の米バロンズ誌は世界のヘッジファンドの過去3年間のパフォーマンスのランキングを掲載している。ナンバーワンはロンドンで運用するRABスペシャル・スチュエーション・ファンドで、過去3年間の年平均の上昇率は+47.69%であった。運用資産は22億ドル(2500億円)なので中規模の上位にあるファンドである。3年間で資産を3.2倍にした。驚異的な数字である。
2004~2007年の波乱の相場を泳ぎ切った。
精密な分析でバリュー株を発掘し、同時に国際商品に対する世界的な需要というテーマをとりあげた。運用者のフイリップ・リチャードはオクスフォード大学の出身だが、「向こう20年間にわたって中国の需要が続く分野に力点を置きたい」と語っている。
ウラニウム、銅、鉄鋼、エネルギー関連を含む。
商品関連だけに注目するのではなく、柔軟に戦略を立てる。最近は英国で住宅向け融資で暗礁に乗り上げたノーザン・ロックを買い場とみてと投資したという。もちろんショート(カラ売り)もするが、ロング(買い)にバイアスを置いた運用をする。
ヘッジファンドが問題を起こすと一般のメディアも大きく伝えるが、RABスペシャルのようなヘッジファンドのすぐれている話はあまり伝えない。
米バロンズ誌によると世界のヘッジファンドの運用資産は1兆6700億ドル(190兆円)になり、その数は9500社になったという。
ノーザンロックのような銘柄のバーゲンハンティングをするならば、東京市場では「何に注目するのか?」
われわれは東京市場で、上記の中国関連のほかに中小型株と新興市場にも注目を始めた。
ヘッジファンドが新興市場をショートして買い戻したあと、その後の動きを指をくわえてみていることはないと思う。