昨日のニューヨーク株は5月の高値11,642ドルを抜いて、今年の新高値の11,669ドルまで上昇した。これまでの新値は2000年1月14日のITバブルの天井時であったが、6年8ヵ月余で新値抜けの可能性が高まった。これまで住宅市場に流れていた資金の一部が株式市場に還流を始めたとみる向きもある。
先週は大手ヘッジファンドのアマランス・アドバイザーズの巨大損失が伝えられた。天然ガスに強気をして先物のポジションを大きく取っていたが、市況の暴落が被害を与えた。天然ガス相場は昨年12月の高値から3分の1になった。昨日のウォール街の相場のリード役のひとつはエネルギー関連株であったが、アマランス・アドバイザーズの挫折は皮肉な現象のひとつであった。
東京市場もNY株高のおかげで大幅高になり、昨年の8月を底にして上昇に転じたときのリード役である金融、市況関連株などが大幅高になった。
新興市場や2部市場の人気はいまひとつ。特にマザーズ市場の売買代金は390億円と今年の最低で、ピークの3分の1になった。これから4月の信用取引の高値期日を迎えるので投資家のセンチメントはよくない。
はじめにも書いたようにヘッジファンドのアマランス・アドバイザーズが挫折したことをきっかけに株価や商品相場が戻り始めたが、新興市場の人気も底値圏に近づいてきている感じを強くする。ファンダメンタルとは関係のない下げであるとみる。