足立 真一のTriton Blog

株式投資の実践、グローバルな視点での投資戦略。
銘柄選択は、成長株、中・小型株、新興市場株にバイアスを置く。

IPO株価の評価

2006-09-08 16:44:57 | 株式

最近のIPO(新規公開)のなかでも8月30日に公開されたネットエイジグループ(2497・マ)のように株価の波乱を繰り返したのは珍しい。「Web2.0]関連として公開前から人気を呼んでいた。IPO価格60万円自体は、これまでの同種のインターネツト関連に比べて評価の点では説明が難しかった。ビジネスモデルの似ているデジタルガレージ(4819・JQ)と比べるとIPO価格自体が割高で説明がつかない。したがって最近の公開株のゴメス・コンサルティング(3813・HC)のPSR(株価÷1株当たり売り上げ)を適用した。

初日には寄らないとみたが引け直前になって初値をつけた。このことから相当の売り物が大株主から出たことは推測されたが、こんなに大きな売り物が出るのは珍しいことであった。最近の日経新聞によると大株主のトランスコスモスが公開日を含めて1,495株、ベンチャーキャピタルのグロービスが461株を市場で売却した。合計6,461株である。その後もさみだれ的に売り物が出た可能性はある。両社の持ち株が5%を切りインサイダー届けの義務がなくなったからである。かりに残ったとしても3200株強である。全部、売却したなら株価にはかえってプラス。売り物と株価の価値は別物である。

しかし、短期の株価を分析する上では大きな誤算であった。こんなに大量の売りが、短期に出るのは珍しい。

しかしネットエイジグループのIPO価格60万円が説明できるなら時価は高くはない。今後はミキシィ(14日に公開)の株価がカギを握ると思う。