足立 真一のTriton Blog

株式投資の実践、グローバルな視点での投資戦略。
銘柄選択は、成長株、中・小型株、新興市場株にバイアスを置く。

逆張り戦法から

2006-09-07 17:43:02 | 株式

今週の「トリトン通信」では「ウォール街は弱気が多い・逆張りの戦法では目先、反発か」と論じた。かねて本欄でもときどき書いてきたようにウォール街でのコンセンサスは秋相場への警戒感である。

投資家ならだれでもが知っている①「5月に売って10月に買い戻す」②「中間選挙の年は相場が弱い」という経験則である。

5月に手持ち株を全部売って10月までじっと我慢する。そして10月に再開すると、これまでの市場平均のパフォーマンス+15%をはるかに超える成果が上げられる。

ことしは4年毎の大統領選挙の中間選挙に当たる。現政権は2年後の大統領選をあまり意識せずに、目先は経済的にも米国の抱える問題解決のために政策の運営をする。

経験則には納得できる合理性もある。

8月までのウォール街はさまざまな指標が弱気のセンチメントの積み上がりを示唆する状況であった。トレーダーなどが利用するオプションのプット(売る権利)の積み上がり、ナスダック100指数のカラ売りの増加、投資ニュース・レターの慎重論(本質的にはいつも強気だが)など数多い。したがって目先は「逆張り発想」からは反発があるとみた。この見方は目先には、なお生きていると思う。

ただ9~10月は市場にショックを与える事件が多い。1987年10月の大暴落、1998年9月のヘッジファンド危機、2001年9月の同時テロ事件である。歴史の時間にはなにかの因縁があるのかも知れない。

したがって目先は反発があっても大きくのめりこまないというのが、われわれの戦略である。ただ下落トレンドに逆行する銘柄もあるので、それには資金を極端にしぼって投資することは考えてきた。ここ2日間の下げで、短期のトレーディング向きには、これまで注目してきた銘柄の押し目買いのチャンスも出てきた。基本的には慎重論は続けるが2~3銘柄には魅力を感じる株が出てきたと思う。