中野みどりの紬きもの塾

染織家中野みどりの「紬きもの塾」。その記録を中心に紬織り、着物、工芸、自然を綴ります。

第9回紬きもの塾――半衿を付ける

2014年12月17日 | 紬塾 '13~'16



今期の紬塾も大詰めになってきました。着物の簡単な着方に入る前に、
先日実習で織った布の仕上げもしてもらいました。

湯通し(糊抜き)のあとスチームアイロンで仕上げます。
絹糸は糸自体は縮みませんが水を含ませると(洗うと)布が詰まります。
まずよこの幅を整えるようにアイロン掛けし、次に軽くたて方向に引きながら、弓なりにならないよう地の目をよく見て整えます。
経糸と緯糸のバランスが整ってくると、みるみる布が美しい色を呈してきてみなさんからも「見えてなかった経糸が見えてきた・・」などその変化に驚きの声が上がりました。


それぞれ自分が織ったところを切り離しふっくらした自分で紡いだ糸を愛おしみ、車座になってひとしきり眺めました。4人4様でした。
「この布についてずうっと話ができそう・・」などという人もいました。

今までこんなふうに布を眺めたことはなかったと思います。
この実習を通して糸の一本一本が見えてきたのです。
紬塾の成果です。よかったです!


着物の着方を練習したあとは、着物を着る上でちょっと面倒な襦袢の半衿のつけ方も実習しました。

半衿も幾通りか付け方がありますが、私のやり方は衿芯(三河芯)に半衿を取り付けてから襦袢に付けます。
このやり方は襦袢につけるときに最も簡単に付けられます。もちろん縫い付けてもいいのですが、私は小さな安全ピンを使うこともしばしばです。
衿肩あきのところの内側を20cmほどまつるだけです。


縫って付ける場合も大針で構いません。
プラスチックの差し込み式などよりも紬には自然な衿元の感じでお勧めです。


針を持つ基本を小中学校でみなさんほとんど習ってないのでこんな簡単なことでも
いろんなことが起きます。・ー - ×- ~, (^-^;

義務教育では人間の基本的な生きる力を衣食住身につけられるようにして欲しいです。
衣食住の生活技術を少し知ってるか否かは大きいと思います。
自分の中から生まれてくるゆるぎのない幸福感につながる大元だと思うのです。

紬塾に勇気を持って!?参加してくださるみなさんは、すぐにできなくても真摯に向き合う姿勢があるので、私もできる限りのことは伝えたいと限られてた時間に目一杯やります。

さて、次回で '14紬きもの塾最終回になります。
締めも気合をいれていきましょう!
楽しみにお待ちしています。o(^▽^)o





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