中野みどりの紬きもの塾

染織家中野みどりの「紬きもの塾」。その記録を中心に紬織り、着物、工芸、自然を綴ります。

第12期/第1回紬塾染織コース―糸をつむぐ&レクチャー「“侘び”の文化」

2020年07月11日 | コロナの時代を生きる




7月からのスタートとなってしまいましたが、紬塾染織コースも第1回目をスタートさせることができました。
初回は、「糸をつむぐ」です。

1時間半弱で3.5gの真綿から糸をつむぎました。今回の3名の方は、細くなったり…太くなったりでしたが、それなりにまあ安定し、貫禄のある糸でした。。(^^ゞ

上の画像は、着尺の糸の太さの2~4倍ぐらいの太さですが、この太さにつむぐことは案外難しいのです。でも味のある、ダイナミックな糸が引き出されました。


綛揚してみても、ほんの僅かな糸量ですが(1反織るには緯糸だけで380gほど必要です)、この体験で、真綿の糸と繭から引き出す糸の感触の違いを体感しておくことは着るうえでも役に立つことだと思います。
この糸はこのあと、草木で染めてみなさんの織り糸として使います。

後半は工芸評論・かたちの笹山央さんのレクチャーでした。
テーマは[〝侘び〟の文化――WABismについて]

“侘び”というと千利休やお茶の特別な世界のように思われるかもしれませんが、そのルーツは一般庶民を顧客とする「一服一銭」の茶屋のもてなしあたりがルーツではないかという説もあるようです。市井のサブカルチャーのような。

立派な道具を持たない粗末な道具で催された茶会を〈侘び数寄〉と呼んでいたとのことです。
名のあるもので人を納得させるのではなく、創意工夫で渡り合うということは、ものや自然を観る力がなければできないことです。
また、心を高めていく“止観”や“禅”の精神文化が、侘びのバックボーンにあると言います。
利休の侘茶はこの〈侘び数寄〉に基づき、高められていったものだという話を伺いました。

みなさんとても熱心に話に耳を傾けてくださいました。
「こんな話を聴ける機会はないので…」という声もありました。

私の創作のルーツも“侘び”だと思っています。
素材も自分も自然体である中で、創意工夫しながら、極限まで高め、なおかつ愉しめたら本望だと思います。

「花は野にあるように」は利休の教えとされていますが、紬もそうありたいのです。
ただ自然風ならいいわけでもなく、その先をめざしたいです。 
着ることも同じだと思います。
特に紬は、これ見よがしな着方ではなく、でもそのまんまでもなく、少しの工夫と、季節感や気持ちのありようも添えて、楽に、自然体で、でも凛と着ることが一番良いと思います。

笹山さんはポストコロナに向けて、「WABismの提案」ということを考えています。
“WABism”は笹山さんの造語です。

1.簡素である  
2.艶(華)がある 
3.足るを知る 
4.差別がない    
5.造化に随う   

この内容の詳しいことはまた、機会を持てたらと思いますが、今後の社会や人の生き方を考えるうえでのキーワードは「WABism(ワビズム)」だと、私も思います。

レクチャーも1時間半ほどの短い時間でしたが、ものを創るうえでも、観るうえでも、使う上でも大事な話を聞かせてもらいました。
更に、自分に引き寄せて深められるといいと思います。

Zoomを使ってWABismの講座をやれるといいなぁと検討中です。
その時はブログでお知らせします。










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