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中野みどりの紬きもの塾

染織家・中野みどりの「紬きもの塾」。その記録を中心に、紬織り、着物、工芸、自然、平和を綴ります。

「美しい布を織る‘15」展が終了しました

2015年05月31日 | 個展・展示会
三年前に上梓しました作品集『樹の滴――染め、織り、着る』の出版記念をかねた個展「美しい布を織る‘15」がお陰さまで無事終了しました。
お忙しい中ご都合をつけてご来場くださいました皆様、関係者の方々ありがとうございました。


たくさんの方と作品や着物、自然について話をすることができました。
作品集を読んで内容に共感して下さりお越しくださった方も何人かいらっしゃいました。
実作を当てていただいたり光にかざして見ていただきました。



観る方の鑑賞力やコメントも私には大変参考になりました。

その中で「静かだけれど力強い」という画廊経営の方の言葉が特に端的に捉えられていて印象に残りました。そういう織物をこれからも織っていきます。

また着物や帯を織る時の最初の織り出し部分を使って仕立てた袱紗やミニ額装などもしっかりご覧いただきました。こういうものは拝見に値する内容がなければなりませんが好評をいただきほっとしました。


林まさみつさんの竹かごバッグも丁寧な作りで着物の時に使ってもこれなら生地を痛めたりしないと大変好評でした。私も使わせてもらいます。今後の展示会の予定などは林さんのブログをご覧下さい。
 

連日夏日、真夏日となった5月下旬でしたが三枚の自作の紬の単衣に帯を毎日替えて8日間を過ごしました。
蒸し暑い時こそ単衣の真綿系紬の真価は発揮されるのですが、それでも少しでも涼しく着るひと工夫についてなどは後日アップします。

着物や帯などをお求めくださった方には私たちのこれからの糧もいただきました。
心より御礼申し上げます。ありがとうございました。

若い織り手の育成とともに、私自身もやりたい仕事がまだまだありますのでこの道を切り拓くべく精進してまいります。
今後ともどうぞよろしくお願いいたします。

大塚文庫の庭先にて
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作品集『樹の滴――染め、織り、着る』出版記念「美し布を織る’15」展お知らせ②

2015年05月16日 | 個展・展示会


  編み方: 左/三本飛び縦網代と三本飛び横網代の構成  右/二本飛び透かし網代

個展のサブコーナーに出品していただきます竹かごバッグ(林まさみつ作)をご紹介します。

五月晴れの午後に別府から竹かごバッグが大きなダンボール箱で届きました。
軽いんですけどパッキングがしっかりでした。^^
作品に対しての慈しみも伝わってきました。

バッグになるまで何工程も経て私たちのもとへ届く。
丁寧な美しい仕事です。

単衣や上質の夏着物にいかがでしょうか?

価格帯は8万~12万円ぐらいです。
巾着袋はリネン、または麻混レーヨンです。
裏地は綿です。

紐は薄グレーや白汚しなどの紐に替えても涼しげになるかもしれませんね。
一見小さめのこのバッグも巾着袋がありますのでかなりの収納力があります。
使い勝手もよさそうです。また、長く使えそうです。


気取らない作風ですのでカジュアルな服にも合いますね。
このバッグのヒゴは炭化竹(高温高圧の釜で蒸し焼きにした竹)、漆仕上げです。
上の写真の左のヒゴは草木染、漆仕上げです。


D型のハンドルは竹の小さな釘で緩まないよう固定されています。


底の角は籐で補強され、そこには「力竹」が取り付けられ、底の部分を保護しています。

実際に手にとってご覧下さい。

かたち21の笹山さんのブログもご覧下さい。




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「美しい布を織る‘15」展のお知らせ①

2015年05月10日 | 個展・展示会
――作品集『樹の滴――染め、織り、着る』出版を記念して――
{美しい布を織る‘15}展のお知らせです。


5月23日(土)~30日(土)まで目黒区自由が丘の大塚文庫で個展を開催いたします。
詳細、地図などはこちらをご覧下さい。

作品集『樹の滴』にも掲載されている作品も数点展示いたします。
旧作、新作合わせてご覧いただきたいと思います。

タイトル「美しい布を織る」は美しい布を織りたいという気持ちを込めています。

自然の素材の美しさ、特性を活かしながら人の叡智、技、感覚、時代性を加味していく。
人が身にまとって更に美しく、人のいのちを包み内面をも照らすことができる布。

人との関わりの中に生まれてくる、そんな「美しい布」を織りたいと思ってきました。
優しく自然体で、堅牢な布。
とても難しいことですが・・・。

さて、DMの表紙に使いました写真の作品はまだ機の上です。
あと1丈(約3.8m)残っています。

山桜で染めたピンク味のベージュ地です。

以前、カメラマンの立木三朗さんが「美しいキモノ」の取材でいらした折におっしゃられていましたが、草木染のピンク系の着物を撮影されて「この系統の色は写真に撮るのが一番難しい」とのことでした。

確かに今回のDM印刷も色校正してもうまくいかず、、すごいグレーになってしまいました。(>_<);
自然光で毎日見ていても時間帯などの光線の関係でかなり違った色に見えます。

柄は一見何気ないのですが、手結い絣が5寸ほどの間隔で入っているだけなのですが、経糸の中の絣糸のくくり際を見定め、少しずつ糸を引きずらしながら織るのに糸を凝視しなければならす、目と首がかなり辛いです。

手結絣は織り手の技と感覚がモロにでてしまいます。
でも模様が織りだされていく時の喜びは格別のものがあります。

40年前に訪れた吉野山の山桜の美しい光景を思い起こしながら織っています。

ぜひ実作をご覧いただきたいと思います。

またサブコーナーには竹かごバッグ(林まさみつ作)もこの季節にふさわしいものですので展示いたします。
後日、詳細をご紹介させていただきます。





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「宗廣力三生誕百年記念展」シルクラブにて

2014年03月30日 | 個展・展示会
終了しました。ご来場くださいました方、関係者の皆様ありがとうございました。

今日はあいにくの雨で風も強かったのですが、それでもシルクラブへお運びいただいた皆様ありがとうございました。
何人か私の知り合いや、以前の展示でお目にかかったことのある方もいらしてくださってました。



会場へ入った正面に宗廣先生の仮仕立ての着物が1点、額装が4点展示されています。



60畳ほどの1階展示場の右奥に2点先生の作品があります。
そして地階に絣の額装品が多数展示されています。
こちらを先にご覧になって門下生の作品をご覧頂くのが良いかと思います。

師と門下生がどのように関わり、どのように制作を続けているかはそれぞれです。
私の作品をたくさん見てくれている人が来たのですが、私の作品のルーツがよくわかった。
けれどそのままを踏襲しているのではないのだということも、見たことのなかった宗廣作品を間近で見てよくわかったと言ってくれました。嬉しいことです。
先生との最初の出会い、受け入れ、そしてそこから自分の世界へ飛んでいこうと一生懸命はばたいていた時代を懐かしく思い出しました。

これからの終盤の制作では、自分も気づき得ない未知の自分に出会えたらいいなぁと思います。

しかし、、、宗廣先生の夫人の波緒先生が、今日着ていた卒業制作の井桁絣の着物を見て「中野さんて最初から全くぶれないのね」と(半ばあきれて)言われてしまいました。
20代のそのまんまで行くしかないのかな・・・?^^;


下ろしたての雨下駄(日和)を履いて出かけました。
鼻緒は雨用の牛革です。爪皮は薄い藤色。前のアーチ型のところはたまご色です。

雨コートは亡き父の大島を仕立て替えました。(西武新宿線車内で撮影)

展示は4月3日(木)までです。
※ちなみに展示品の価格は消費税5%の税込み表示ですが、
4月3日までの会期はそのままの価格ということです。







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紬織・人間国宝 宗廣力三生誕百年記念展

2014年03月21日 | 個展・展示会



紬織・人間国宝 宗廣力三生誕百年記念展が3月28日(金)~4月3日(木)
午前11時~午後6時まで、東京都中野区のシルクラブにて開催されます。
当日は2階にカフェも併設されるようです。

記念展では宗廣先生の作品をはじめとして、参集した26名の門下生の作品も展示、販売されます。
立場や制作の姿勢は様々ですが、若手からベテランまで100点以上になります。

私も着尺、帯、ショール合わせて10点ほど出品します。

宗廣先生の作品は、紬糸という素材を生かした絣のデザインで、
シンプルですが奥行があり、着る人を引き立てるようになっています。
是非ご覧いただきたいと思います。

先生の教え、思い出と共に、修業時代の苦しさや、若かった自分の未熟さも苦い思い出として蘇ってきます。
でも勤めを辞めて入った道ですので、必死で仕事と、自分と向き合っていました。

研究生がどんどん織ったものが流通できた最後の時代だったのかもしれません。
当時、50反近くを一気に織らせていただき、力を付けさせてもらえたおかげで、今の私があります。

この教えをプロとして次世代になんとか繋ぎたいのですが、着物を着る人がいなければかないません。

風合いの良い、堅牢な紬がたくさん並びますので、お気に入りを見つけて着て頂きたいと思います。


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中野みどり紬の会ーー作品集『樹の滴ー染め、織り、着る』出版を記念して

2014年02月11日 | 個展・展示会




3月1日(土)から4日(火)まで名古屋市の岳見町ぎゃらりぃにて、きものギャラリー睦月さんの主催で私の個展を開催していただくことになりました。

素敵なDMもお作りいただきました。ありがとうございます。
写真は私の紬に仁平幸春さんの染帯を合わせてあります。

DMにも作品集『樹の滴ーー染め、織り、着る』の紹介もしていただいてますが、作品集の中からと最新作を出品いたします。

また、初日(1日)の午後2時から1時間ほどミニ紬塾を開きます。

原初的な紬の話と産地の紬、私の紬などについて簡単に説明します。
また紬糸について、草木の染について、織りの風合い、堅牢性についての話。
そして最後に、着物は着るもの。上記の話を踏まえて着物を羽織っていただき、感触や、身体にまとった時に現れてくる色合いや質感を実際に体感していただきたいと思います。

作品集でも、「創ることと使うこと(着ること)」は分けることではなく、
連動していることをお伝えしたかったのです。

大事な話をコンパクトにまとめますのでお聞き逃しのないように。

まだ紬を着たことのない方から、よくお召の方まで、どなたでもご参加ください。

お問い合わせご予約はきものギャラリー睦月さんまで。
下記メール、またはお電話で。
yokoyama#mutsuki-kimono.jp (#を@に変えて下さい)

出品点数は着物、帯合わせて約20点。  
小物としてはショール、袱紗、帯揚げ、作品集『樹の滴』。

私は1日、2日在廊しています。
ご来場をお待ちしています。




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ものの美シリーズーー「布の美展」

2013年05月09日 | 個展・展示会


6月1日(土)から6月4日(火)まで町田市の古民家「可喜庵」で
仁平幸春(染)西川晴恵(織)中野みどり(織)の3人展が行われます。

工芸評論家でかたち21代表の笹山央さんの企画による展覧会です。

たくさんの現代工芸家の作品に触れ、評論文を書いてきました。
そしてたどりついたことを端的な言葉で表すと「ものの美」です。

この言葉の内容の詳細は『かたち』No.11、12をご覧いただきたいと思います。

ものの美はただ表面的なキレイ、あるいは豪華、ではありません。
もっとわかりやすく言えばものの力、ものの存在感ということでしょう。

紬織りであれば糸の中に何を見るのか、扱いにくい糸をただ手を加えて扱いやすくしてしまうこと(糸の太細をただ均してしまったり、カラフルな色を染めて華やかにしたり、やみくもに複雑な組織織りにしたり)ではなく、作り手と素材、技法のやり取りの深さから生み出されてくる一枚の布の自然でありながら、見る人を引きつけるような力をもっているもののことでしょうか。

染布にしてもこれみよがしなデザイン、ツルツル、ピカピカしたブランド素材を売りにすることでもなく、どんな素材にも自由であり、真摯に向き合う作り手の深さが模様というものと絡み合い複合的な判断によって生かされてくる線であり、面であり、色であり、間だと思うのです。

帯と着物を中心に額装品、小物も加えての内容ある展示になります。


着物は関係ないと思われる方もたくさんいます(ある意味その気持ちもわかります…)が、
人が高度に生まれてきているのは布を織る能力を備えさせてもらっているからです。
衣の文化は人にだけあるのです。
その布を粗末にする暮らし方はそろそろ変えなければならないでしょう。
私たちは趣味でもの作りをしているわけでも綺麗事を並べ立ててるわけではありません。
いのちをかけて糸や布と向き合って仕事をしています。
是非ご高覧いただきたいと思います。


また2日(日)は笹山さんの「アート鑑賞いろは塾6回目」、
3日(月)は私の「ミニ紬きもの塾」も同じ会場内で行います。

展示中で場所が狭くなりますすので6~7名の定員となりま。
お早めにご予約ください。詳細はこちら

着ることや、布のこと、丁寧に暮らすことを真面目に一緒に考えてくださる方に是非ご参加いただきたいと思います。紬のいろはと究極をお話したいと考えています。

3人の作品についてはまた後日ご紹介します。
今、3人とも必死で制作中です。

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かたちinKAGURAZAKA「取合せを愉しむ展」お知らせ

2012年11月09日 | 個展・展示会


東京新宿区のギャラリー、アートスペースK(2階)でかたちの会のメンバーとの展覧会があります。
元々は茶道教室で使われていた8畳と3畳の和室をお借りします。

私は着尺、帯、帯揚、ショールなどを出品します。染織関係では染色家の仁平幸春さんには着尺、帯、小風呂敷、半衿。帯のアトリエ「花邑(銀座店)」さんからも仕立て上がりの帯をご出品いただきます。

ただ作品を一点一点見るだけではなく使うことを意識した取合せの観点に重点を置いています。
展覧会の詳細、コンセプトはこちらから

私は缶詰状態で仕事をしています。
上の画像はまだ機にかかった状態の帯地です。糸の味わいで見せたいとシンプルに、でも奥行きのある帯になるよう考えました。
濃厚な柄行きの大島や、結城、絣柄などとも合いそうです。

帯揚げも只今染色中です。秋の色、冬の色、春の色、大人のピンク、赤・・・どんどん思いが膨らんで染重ねたり、色を掛け合わせたり、帯揚げといえどもこだわりまくってまして、、、
間に合うかな~~;;

ショールも新作を揃えていますので、羽織やコートの色と合わせてご覧ください。
この時期の必需品です。

点数は私のものは各5~6点、仁平さんは着尺、帯で6点、花邑さんも3~4点です。
点数は少ないですが、お手持ちの着物や帯を持ってきて是非遠慮なく合わせてご覧いただきたいと思います。出会いがあれば幸いです。

親の代のものなどで、何か古めかしくて着られないような着物でも、帯を現代の感覚のものに替えるだけで新しい風が吹いてきます。
帯締め1本、帯揚げ一つをあか抜けた色に変えることでもスキット!若返ります。

取合せとは統一ではなく違うものを生かしながら組み合わせてハーモニーを奏でさせるもの。
ほんの少し不協和音も取り入れると良くなることもあります。

ただ色や柄が合う合わないでもなく、モノの力と自分の力がせめぎ合い、真剣勝負!
自然と調和し、自分らしく着ること。
世の中に流布する固定されたイメージではなく、自分を発見できる開かれた取合せ。

一生をかけて深くなれるのが着物や床の間の取合せです。

是非会場で取り合わせ談義を交わしましょう。

他の方の作品も素晴らしいものがあります。
心の置き場所を作りませんか?

22日~24日にご都合の悪い方は18日(日)に櫻工房でご覧いただけるようにしますので、かたち21のお問い合わせからお申し込みください。(要予約)
Email:katachi☆mbr.nifty.com
 (☆を@に変えて送信してください。)




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「アートでおもてなし」展のお知らせ

2011年11月29日 | 個展・展示会
中野みどりHP


町田市の鶴川にあるかやぶき屋根の古民家「可喜庵」で毎年開いている
かたち21の企画展のお知らせです。
私は着物と帯で10点ほどと、新色も加えた帯揚、ショールも出品します。
その他の詳細は笹山さんのブログもご覧ください。


同じ色、同じ生地はない帯揚げ。(生地は丹後ちりめん)

一枚の着物に帯3本とよくいわれますが、帯を変えることで着ていく場に合わせることができますし、
季節感を出すこともできます。帯揚や帯〆の色を変えるだけでも印象が変わります。
いつも無難な色に納めてしまわないで、品よく色を愉しみたいですね。
ちょっとコツをつかめば誰でもできることです。
それから、アンティークもよいのですが、古いもの同士を合わせるだけではなくて、
現代のものも取り入れましょう。今の風が吹いてきますよ。

今回出品される帯は、仁平幸春さんの友禅染、駒田佐久子さんの型染、
古布の創作帯の専門店「花邑」(銀座店・目白店)さんの時代裂和更紗や型染、
それから私が織った紬帯、合わせて20点ほどです。
お気に召していただける作品があるといいのですが…。
一部ですが、私の灰緑地の紬に帯3本を合わせてご紹介してみますね。


仁平幸春作 糸目友禅帯「水玉の小枝」 前柄も表裏色違いで使い分けができます。



中野みどり作 節糸紬帯「思い出」 子供の頃の着物地を裂いたものを織り込みました。
ほぼ全通なので半巾でも。


花邑(目白店) 時代裂和更紗半巾帯「網代つなぎ」 
凝った柄行ですね。カジュアルな装いにいかがでしょう。 



私の紬の帯は紬だけでなく、染小紋やお召しの着物などとも相性がよいですので、
みなさまお手持ちの着物をお持ちいただき、取り合せてごらんください。
江戸組紐の帯〆も、草木の色と馴染むものを厳選して準備しております。
色をよくご覧になりたい方はなるべく午前中から午後3時までには
お出かけくださる方がよいです。
蛍光灯の光では布から立ちのぼる色を見ることができません。
なるべく日差しのあるうちにじっくりご覧いただきたいです。

また他の絵画や工芸作品にも素晴らしいものがあります。
こんな時代でも着物関係をはじめさまざまな手仕事、
手仕事系アートの創作で生きている人たちがいます。
魂のかたちを一人でも多くの方にご覧いただきたいものです。

5日の「さろん」も楽しい話が聞けると思います。
紬塾の卒業生も何人かお申し込みをいただいてます。
是非きものでお出かけください。

美味しいお茶(ワイン)とお菓子でお待ちしています。
マイカップをお忘れなく。
予約受付になっていますので、「かたち21」のHPからお申込みください。
締め切りはまだ大丈夫です。

2日にわたってお越しいただいてもよいと思えるほどに盛りだくさんです。
ゆっくり時間をとっておいでください。お待ちしています。

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「中野みどり紬のきもの展」プレビューから

2010年05月09日 | 個展・展示会
昨日の東京・銀座での、可喜庵に先がけてのプレビューにおこしくださいましたみなさま、ありがとうございました。
8畳間の狭い空間で、着尺と帯合わせて15点ほどをご覧いただきました。
3時半から5時にかけては混み合ってしまい、ご迷惑をおかけしました。

しかし4時を過ぎましたあたりから、私はバタバタとして応対させていただいておりましたが、
やわらかな静かな雨が部屋のなかに降ったように思いました。
それは大地をうるおし、地中深くに滲み込んでいく「春の雨」(前回記事参照)でした。
日ごろ現代美術を扱っておられる銀座の画廊の方が、展示している着物の一点を見つめて、
「これはアートですねえ」と言われたのです。

そのとき会場には初対面同士の人たちが座り込んで、お互いに言葉を交わしたり、
自分で着尺を体に当てて表情を明るく変えていたり、
その姿に周りの人が言葉をかけたりしていました。
そして人々の気持ちの高まりの気が立ちこめてきて、一体になったように感じられました。
その全体のシーンがまるで雨上がりのもやのなかに融け込んでいるように見えたのですが、
私はそういうことを含めて「これはアートですねえ」という言葉に同意したい気持ちです。
アートは個人の自己表現だけにとどまるものではないと思います。

それにしても春の雨を降らせてくれたのは、今は天の人となった立松和平さんだったのでしょうか。
ご来場くださったみなさんの中にもなんらかの恵みの雨がありましたら、この上ない喜びです。



「春の雨」(桜染グレー着尺)


とり急ぎお礼まで。
企画をしていただいたかたち21の笹山さんは写真を撮る間もなく、
画像を添えてご報告できないのがちょっと残念ですが‥‥。





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