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中野みどりの5年ぶりの個展を、下記のように開催します。
『樹の滴―染め、織り、着る』出版記念――
中野みどり[美しい布を織る'15]展
2015年5月23日(土)~5月30日(土)
午前11時-午後6時(最終日は午後4時まで)
於・大塚文庫(目黒区自由が丘3-6-25)
企画――かたち21 共催――櫻工房
地図など詳細はこちらで。
中野さんは第2回かたち塾の趣向であった「櫻工房のもてなし」の櫻工房の主宰者です。
2012年に作品集『樹の滴――染め、織り、着る』を出版してすでに3年が経ちましたが、その出版記念を兼ねての個展です。
中野さんが織るものはきものと帯がほとんどで、これは実は今の時代にあってはとても珍しいことなのです。
私が知るかぎりでは、絹の織物で作品の内容が一定以上のクオリティを維持していて、きものだけで生活と創作活動を維持している人は少ないと言えます。
中野さんがこれまできものだけでなぜやってこれたかというと、単なる観賞用として織ってるのではないからです。
つまり、「着るもの」としてのきものを織っているからであり、「着るもの」としてのきものの機能性や堅牢性や快適性を十分クリアしているからです。
わかりやすくいえば、中野さんのきものはそれを買った人を落胆させないし、飽きさせないのですね。
中野さんのきものは、現代の織物――に限らず、現代の工芸全般に向けてひとつの問題提起をしていると思います。
それは、「美しさはどこから来るのか」という問題です。
これについて論じ始めると長々と書くことになるのでやめておきますが、
中野さんの作品集を企画・編集したり、個展を主催したりするのは、このことをこそ、この時代に問いかけたいからに他なりません。
みなさんも、時間を作ってご来場いただき、この問題について考える時間をしばしの間持っていただければ、企画者として大変うれしく思います。
会場の大塚文庫は、戦後の和風建築界を代表する建築家大江宏(代表作は国立能楽堂など)の、最晩年の遺作と言われる施設です。
一見の価値があります。中野さんの額装小品を点在させてみようと思っています。
また、サブコーナーでは大分県の竹篭作家、林まさみつさんに作品の出品をお願いしました。
端然としたたたずまいの作風で、中野さんのきものとの取り合わせもしっくりとくるようです。
中野さんのブログはこちらから。