先程、ヤフー・ジャパンより配信された記事を見ている中で、
『 ここにきて「石破総理」誕生説が浮上・・・
菅と麻生の仁義なき「岸田おろし」がはじまった! と題された見出しを見たりした。
☆「岸田おろし」の号砲
6月6日夜、地下鉄「麻布十番駅」からほど近い高級寿司店『おざき』に、
5人の政治家の姿があった。
東京都心の永田町に近いだけに、クマこそ出ないが、
「ボス猿」選びに奔走する生命体が、頻繁に出没するエリアだ。
【当落予想】次の選挙で落選する「裏ガネ議員」の全実名(東日本編)
「ミシュランガイド東京」で1つ星を獲得し続け、
「おまかせコース」が1人前で3万円を超える店の前に降り立ったのは、
菅義偉前首相(75歳)、萩生田光一前政調会長(60歳)、加藤勝信前厚労相(66歳)、
武田良太元総務相(56歳)、そして小泉進次郎元環境相(43歳)だ。
聞けば、この会合は、菅氏が声をかけ実現したものだという。
永田町で「HKT」と呼ばれる萩生田、加藤、武田の3氏に小泉氏が加わっての会合は、
「もう岸田文雄首相では厳しい」、「結束してこれからの政局に臨もう」という、
いわゆる「岸田おろし」の号砲と考えていい。
事実6月21日に会期末を迎える通常国会で、
衆議院の解散・総選挙に踏み切れなかった岸田首相の次の一手は、
9月の自民党総裁選挙で再選されるために、内閣改造人事を断行して求心力を取り戻し、
支持率を少しでも上昇させることだ。
もっとも、外交的には、北朝鮮の金正恩朝鮮労働党総書記との電撃的な会談を実現する、
といったシナリオもあるが、現実性という点でみれば、まだまだ「?」がつく。
つまり、岸田首相の政権浮揚策は、もう打つ手がなく、
この先、内閣改造もできない状況に追い込まれれば、
いくら首相本人が再選への意欲に満ち溢れていようと、
「退陣」を余儀なくされる可能性が高いということだ。
個人的には、筆者が駆け出しの政治記者だった1991年11月、
解散もできず、総裁選挙にも出馬できない事態に追い込まれて、退陣した海部俊樹元首相(故人)の姿が、
今の岸田首相とかぶる。
そんな中、開かれた菅氏らの会合は、
岸田首相が総裁選挙不出馬に追い込まれたケースを想定し、
石破茂元幹事長(67歳)を首相に推し立て、小泉氏もしくは加藤氏が官房長官に就く、
という青写真があることを自民党内外に示す決起集会になった、と筆者は感じている。
☆麻生太郎副総裁の思惑
政局のキーマンとしては、もう1人、首相経験者の麻生太郎副総裁(83歳)を挙げなければなるまい。
その麻生氏は、岸田首相がG7サミットでイタリアを訪問している最中の6月14日、
東京都内で茂木敏充幹事長(68歳)と会談した。
取材した記者に聞けば、会談は3時間半に及んだという。
2人からすれば、これまで岸田政権を支えてきたという自負がある。
しかし、岸田首相と麻生氏との間には、
派閥の解消問題を契機に「すき間風」が吹き、
岸田首相と茂木氏の関係も、政治資金規正法の改正などをめぐって冷戦に近い状態だ。
そんな2人が、岸田首相の留守を見計らうように会談したことは、
菅氏らの会合を受け、「自分たちも早く何らかのカードを持っておきたい」
という思いからだと推察している。
実際、石破氏や小泉氏、場合によっては河野デジタル相(61歳)という「駒」が豊富な菅氏に比べ、
麻生氏には「駒」がない。
岸田首相が不出馬となった場合、
旧岸田派に所属していた上川陽子外相(71歳)を担ぐかどうか、という程度だ。
自民党衆参両院の国会議員371人と地方票371票で争われる今度の総裁選挙は、
おそらく下記のような顔触れになる。ここで簡単に整理しておこう。
●岸田首相が出馬した場合
・岸田首相、石破氏、高市早苗経済安保担当相(63歳)、野田聖子元少子化担当相(63歳)
●岸田首相が出馬できなかった場合
・上川陽子外相(71歳)、石破氏、高市氏、野田氏
☆「辛酸をなめた」ふたりの共通項
最終的に誰が出ようと、今度の総裁選挙は、
単に衆議院選挙や参議院選挙で「党の顔」となるリーダーを選ぶだけでなく、
派閥が解消される中、誰が首相の背後で、党運営の実権を握るのかを決定づける戦いにもなる。
そのため、横浜市議から首相にまで昇りつめた叩き上げの政治家である菅氏と、
吉田茂元首相の孫で皇室とも縁戚関係にあるサラブレッドの麻生氏、
もともとソリが合わない2人が躍起になるのは当然だ。
ただ、「ポスト岸田」に向け動き出した菅氏と麻生氏、
2人の首相経験者には、共通項があることにも着目しておきたい。
菅氏の場合は、2021年8月、自民党総裁選挙の直前に行われた菅氏のお膝元の横浜市長選挙で、
菅氏が推した小此木八郎氏が大敗。
麻生氏の場合も、直接的に退陣する要因となった衆議院選挙での大敗の直前、
東京都議会議員選挙で当時の民主党に完敗し、
それぞれ党内に、「菅氏ではダメ」、「麻生氏では勝てない」という空気が醸成されてしまった
という手痛い経験がある。
岸田首相にとっては、4月の衆議院3補選をはじめ静岡県知事選挙など
地方選挙で連敗が続いたことに加え、5月26日、地元・広島1区の府中町長選挙で、
自民党が公明党などとともに支援した候補が、長男の翔太郎氏を応援に行かせたにもかかわらず、
無所属の新人に大敗したことは、衝撃的だったに相違ない。
地元での敗北や直前の地方選挙での大敗は、ときの宰相にとって、ダメージが大きい。
そのことを肌身で感じてきた首相経験者2人は、
その経験があるがゆえに、岸田首相に見切りをつけたのである。
今後、2人の動きは、自民党内で岸田首相が目指す求心力のアップどころか、
岸田首相からの遠心力をさらに増幅させるものになるだろう。
清水 克彦(政治・教育ジャーナリスト/びわこ成蹊スポーツ大学特任教授)・・ 》
注)記事の原文に、あえて改行など多くした。
今回、政治・教育ジャーナリストの清水 克彦さんより、
そもそも昨今の自民党が混迷してきたのは、『裏ガネ』問題で国民の多くは驚嘆させ、
そして『政治資金規正法の改正』も国民の大半は、あきれ果てた、
と20代の後半より長年の自民党の支持者の私でも、憂いたりしている・・。
そして自民党が国民から真に支持されるには、自民党の国会議員の諸兄諸姉の中で、
少なくとも長老は引退して頂き、40代、50代の中堅議員が中核なり、
新たなる自民党として、再出発が望ましい、と私は祈願したりしている。
今回の
判らないよなぁ・・と微苦笑している。