バス停で寝泊まりするホームレスの女性が主人公。
昼間はアトリエで自作アクセサリーを販売し、夜は居酒屋屋で住み込みのパートとして働く北林三知子。しかし、コロナ禍により仕事も住む家も失ってしまう。新しい仕事は見つからず、ファミレスや漫画喫茶も閉まっている。行き場をなくした彼女がたどり着いたのは、街灯の下にポツリとたたずむバス停だった。
幡ヶ谷のバス停のベンチで寝ていた60歳代の女性が、近隣住民の男に石の入った袋で撲殺されるという事件が、2020年11月に実際に起こっている。
細部は変えていると思うが、その事件をモチーフとした映画である。
実際の事件は、ある日理不尽に唐突に職場を解雇され収入が途絶え、家賃滞納が続いてアパートからも追い出される。高齢になると次の仕事はなかなか見つからない。被害者は人に弱みを見せたくない人であったようだ。
この主人公、母親と仲が良くなかったらしいが、兄弟姉妹誰かいたのに頼らなかった。一時的にでも頼っていれば良かったのに、悔やまれることだ。
明日は我が身。明日も来月も来年も、たいていの人は今の生活が続くと思っている。しかし、自分にそんなことが起こらないとは言い切れないのだ。ある程度の事が起きてもどうにかなる様な貯えは必要だ。
この映画、超有名な俳優がゾロゾロ出てくる。
これからはホームレスの人達を見ても、もしかしたらこの映画みたいな事情でホームレスになったのかも、と思うだろう。