Y男の日誌

映画を見た、本を読んだ、どこに行った、何か考えたなどなどのY男の行動記録。政治の話題も。暇な時にしかアップロードしない。

『罪の声』6回目見た

2020-12-11 16:04:03 | 映画,DVD,ビデオ








途中眠らずようやく最後までしっかり見た。
もうすぐ上映終わりそうだ。

事件を起こした犯人グループだけでも9~10人と登場人物は多い。曽根達雄、山下、生島秀樹、青木、林(キツネ目の男)などなど。それぞれにちょっとした物語というか、お話が出てくるのでなかなか僕の場合は頭が整理整頓されなかった。

今回注目したのは、大日新聞の社会部デスクの鳥居雅夫役の古館寛治。元社会部記者?水島洋介役の松重豊。阿久津の上司にあたるこの二人がギンガ萬堂事件を追う阿久津を叱咤激励する。気骨のある職人記者、仕事人という感じ。説得力のある演技。存在感というべきか?リアリティを感じる。仕事にやる気をなくしていたような文化部記者が、取材の中で出会う人々や二人の上司によってやる気を取り戻す様にも見えた。

小料理屋『し乃』板長 役の橋本じゅんも面白かった。本当はしゃべりたくてしゃべりたくて仕方がない人。最初もったいぶっているのに自分の話を聞いてくれる人が現れて流れる様に話す。この人が阿久津と俊也に話すことで物語がどんどん回転し出すのだ。

生島聡一郎役の宇野祥平も何度見ても素晴らしいと思う。淀みなく話すのではなく、訥々と話すのも良い。世の中から姿を消し去る様に、気配を隠す様にして生きてきた人という感じが出ている。放火殺人の片棒を担いで逃げていただけでなく、姉の望と同様に、ギン萬事件で脅迫電話に声を使われ、自分の人生はもう台無しだと思って生きてきただろうから。

曽根光雄の出番は少ない。ポックリ若くして死んでしまった役なのだと思う。死ぬシーンは無い。映画の最初の方で、曽根俊也が父光雄の遺品の箱(円柱型の)を押し入れから取り出すシーンがある。そこに事件の証拠であるカセットテープと達雄の手帳が入っていたわけだ。僕がそれを見て感じたのは、遺品ってこんな小さな箱だけになってしまうんだな、という事。今は老いた母と俊也とその妻子が生活する家だから、過去に存在したメンバーのスペースは必要ない。いくら物を持っていても最後は片づけられてしまうのだ。
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