現在参議院議員になっている松田公太氏がTully's Coffee Japanを立ち上げた時のお話。
今話題のベストセラー作家が出版社の裏を描いた最新作。
上と同じ作家のちょっと前の作品。メスのスズメ蜂が主人公。
最近読んだ本。
驚きの連続だった。ひとかどの人物になる人はこうも積極的で、大胆で、行動が速いものなのだなあとまずは驚いた。その後現在彼は参議院議員になっている。
アメリカのTully'sの創業者から日本でTully'sを創業する事を許可してもらい、7000万円の借金をして銀座に出店。株式を上場し、今は数百店舗に拡大してきている。
順風満帆の状態の時に書いている本なので、その後の事はこの本だけではわからない。株式の上場はその後廃止され、伊藤園が現在の経営者になっている事はわかった。この人は全く経営から離れてしまったのだろうか?ビジネスをやっていきたい、食で文化の架け橋になると言っていたが、みんなの党の参議院議員になっている。途中経過を知りたいものだ。
文章も小説っぽくなってきた。前に読んだ『永遠のゼロ』は説明が多かった。
出版社の新人発掘の文学賞の選外作品の作家の卵や、日記、ブログなどで自分を表現したい人が多い今の世の中。そこに付け込んだ出版社のビジネスのお話。これは実話をもとにしているのか?充分にあり得るビジネスではある。
スズメバチが主人公。主人公は働きバチで幼虫のえさを捕ってくるハンター。スズメバチやそのほかの虫たちも話す。説明臭いのは作家本人も書く前に調べて調べて得た知識をもとにエピソードを作っているからだろう。一般の読者はズズメバチの一生や毎日の暮らしぶりの事なんか知らないから説明は必要だろう。
肉食のスズメバチだから、エサになる虫たちを殺して肉だんごにする。けっこうほかの虫を殺すシーンが多いのは驚いた。実際の肉食の虫も本能で殺しているだけなのだろう。小説でも感情は表現されていない。当然のようによく殺す。
生き物はいずれ死ぬのだが、そういう無常観を感じる表現が多かったと思う。
非常に面白かった三冊だ。