ウィトラのつぶやき

コンサルタントのウィトラが日頃感じたことを書いていきます

若者が高い能力を存分に発揮するには 第4回 企業の取れる行動

2019-10-25 08:32:20 | 社会

今回は高い能力を持つ若い人物をトップに据えるために企業の取れる行動について考察してみる。

一番自然な手法は20歳代の若者が起業した企業が大きくなって世界的な存在感を持つような大企業に成長することである。米国のGAFAや中国のBATやHuaweiなどはこのパタンで、殆どの従業員は起業者よりも若く、トップが20歳代、30歳代でも社内的には何の軋轢もない。GAFAやBATに関しては起業家が高齢者に差し掛かってくる時期に来ており、活力が失われて他の会社に負けていくのか、何らかの手法で活力を維持していくのかが今後重要な問題となっていくだろう。

良く知られているように日本ではこのような若い起業家が作った企業が急速に大きくなっていくことができない。それは日本社会では主に高齢者が牛耳っている抵抗勢力が政府の委員会などを抑えており、新しいビジネスモデルを受け入れ難い社会になっている点が本質だと私は認識している。人工知能のプリファードネットワークスなどはアメリカや中国なら既に大企業になっていただろうが、日本の企業なのでいまだにベンチャー企業である。

しかし、トップの若返りによってパフォーマンスが上がるのなら、個別企業でもその手法を採用したところは業績が上がるはずである。以下では、現在高齢者が牛耳っている日本の大企業がどうしたらトップを若返らせることができるのかについて考察する。

・職位と個人の価値の分離
日本の企業では職位が上の人を「偉い人」と呼び、あたかもその人が全人格的に上位にあるように扱う雰囲気がある。これを「職位は単なる企業内の役割」と認識する風土を育成する必要があると思う。「さん」付けでお互いを呼び合うなどがまず手を付けるべきことだと思う。

・合議制の人事評価
もう一つ重要だと思うのは人事評価を必ず合議制で行うことである。会社員である以上、人事評価は極めて重要で、それを特定の個人に握られているとどうしても頭が上がらなくなる。私の経験では多くの日本企業で若い人の評価は合議制で決めているのだが職位が上がるにつれて合議制が少なくなり、次期社長の指名などは現社長が決めることが多いように思う。そうなると「能力」よりも「態度」が重視されることが増えてしまう。

・トップとしての能力評価
トップ人事を決めるには実績よりも能力評価が重要である。実績はどのような分野を担当しているかという運に左右される面が大きいので、そうではなく「どのような判断をしたか」を見てその人の能力を評価すべきである。それも一人の評価ではなく複数の人が「あの人は能力が高い」と評価するような人がトップとして選出されるような仕組みが必要である。そのための仕組みとして私は「合宿」が有効であると思っている。社長を選ぶには年に2回程度の役員合宿を行って議論を尽くす機会を持つべきである。2時間の会議だと、部下に命じた資料で乗り切れることが少なくないが、合宿となるとどうしても本人の考えが出てくると思う。

・社内を動かす力よりも判断力
前回書いたように社内を動かす力はどうしても経験の占める割合が大きくなる。それよりも判断力が優れた人をトップに選び、社内を動かすのは経験豊かな人が周りでサポートするべきだと思う。このような価値観は現在の社長がその気になれば社内で定着させることができるように思う。

このブログの読者に現在の役員や社長は殆どいないと思うが、そこそこの地位にある人はいるのではないかと思う。周囲と議論してみてはいかがだろうか?



若者が高い能力を存分に発揮するには 第3回 能力と年齢の関係

2019-10-21 14:11:26 | 社会

最近、私は人間の能力のピークは20歳代であるという思いを強めている。スポーツの世界ではこれが事実であることは既に認知されていると思うが、私の論点は頭脳活動においてもやはり20歳代がピークであると言う点である。日本社会も能力の高い人が責任ある仕事をできるように変えていく必要があると思う。これまで思いつくままにブログを書いていたのだが、このテーマでいろいろな側面を考えたほうが良いと考え、今回をこのテーマの第3回としたい。これまでの2回の内容は下記である。

第1回の9月15日の記事では、囲碁のプロ棋士の若返りを例にとって思考力も20歳代がピークであることを書いた。ちなみにその時取り上げた囲碁の名人戦では19歳の名人が10月8日に誕生した。

第2回の10月6日の記事では、社会で活躍するピーク年齢を若返らせるには高校や大学の教育を、卒業後社会の即戦力となるような人材を育成する必要があると書いた。

今回を第3回として、どのような能力が若年層に有利でどのような能力が中高年に有利かについて書いてみたい。

・記憶力: これは若い時がピークであることは疑いない

・記憶の総量: これには個人差が大きいが、全般的には40代後半がピークではないかと思う。但し、特定の分野では、トレーニングを積めば20歳代でピークに達することができると私は思う。

・思考力: これは脳内シミュレーションを行う能力である。これが判断力に直結していると思う。知識量に差がなければ20歳代がピークであることは間違いないだろう。但し経営のような複雑な問題のシミュレーションには非常に幅広い知識が必要で、おそらく40歳あたりがピークではないかと思う。

・フィルタリング能力: これは不要な知識は忘れて、必要な知識のみを留める能力で、この能力が高いと短時間で良い判断をすることができる。この能力は、使い続ける限り改善可能で、高齢者ほど高くなると思う。芸術のような分野で高齢者が高い能力を発揮するのはこのおかげだろう。但し「良い」ものが変化しないという前提条件が必要である。経営上の価値観などは10年、20年では変化していくので、高齢者が有利とはいえない

・人を動かす力: 立場上、命令できる立場に立てば人を動かすことはできるが、命令を受ける側が「この人のために頑張ろう」という気持ちになれるかは別物である。企業などでは対外的には論理が優先するが、企業内では、高い評価を得るには時間がかかる。

以上を総合して50歳代から60歳代が企業のトップとして動かしているのが日本企業の現状だと思うが、私は最も重要なのは思考力だと考えており、40歳あたりのトップを、50歳代、60歳代の優秀で経験豊かな人がサポートするのが、本来の望ましい姿だと思う。もちろんトップは最低10年程度の経営経験を積んでいることが前提である。



ジャズピアニスト 上原ひろみ

2019-10-13 13:01:21 | 生活

昨日の台風は強かった。私の家は水害は考えらればい場所にあるのだがそれでも午後8時頃の風の強さには「窓ガラスが割れるのではないか」と心配になった。今日は台風一過、雲一つない晴天で気持ちが良い。

最近、2度ほどラジオでジャズピアニスト、上原ひろみの小特集があり、この人のピアノ演奏にすっかり魅せられてしまった。アップテンポの元気の良い曲も、しっとりしたバラードもどちらもセンスの良さを感じさせる気持ちの良い演奏だった。日本人のジャズピアニストには、山下洋輔、秋吉敏子、菊池雅章など様々な名手がいるのだが、私の感じでは上原ひろみはその人たちを超えて歴代最高のジャズピアニストだと思う。その特徴は感性の広さにある。ある時は激しく、ある時はしっとりと、曲によって様々な異なった感性を見せてくれる。

今朝の日経新聞に出ていたのだが、彼女のピアノ魂に火をつけたのは女子校生の時のチックコリアとの共演だという。当時のチックコリアは世界トップレベルのジャズピアニストで、特にアルバム「ケルンコンサート」に代表される「100%Improvisation」の演奏が有名である。ケルンコンサートでは曲名は無く、その場で彼が思いついたメロディをピアノソロで弾いて、それが見事なコンサートになっている。このアルバムは私も持っているが実に感銘深い。そのチックコリアが、まだ無名の上原ひろみに眼をつけ、来日公演で共演した。その時の上原ひろみの感想は「何とかこなせたけれど、完全にチックコリアに導いてもらった」ということである。ジャズでは本番の掛け合いで演奏者同士が演奏で会話するのだが、そのような感じを持ったそうである。彼女は「自分もあのレベルになりたい」と強く思って、バークリー音楽学院に留学するなどして感性を磨いた。そして、最近20年ぶりにチックコリアと共演したときには「十分に音楽上で会話できた」という感想を持ったそうである。

私はコンサートなどには殆ど行かないのだが、この人のコンサートには行ってみたいと思っている。但し、米国在住で日本にはあまり来ないのでチケットがなかなか取れないそうである。


20歳代で世界トップレベルの社会人を育成するには

2019-10-06 17:21:41 | 社会

少し前に囲碁の世界トップ棋士の年齢は20歳代であると書いた。多くの人は「囲碁は特殊な世界だ」と考えているだろうが、私はそうでもないだろうと思っている。囲碁の世界でも30年前くらいまでは40歳くらいがトップと考えられていた。それが急激に若年化したのは勉強方法が変わったからである。つまり、勉強や経験を積み上げる方法を改良していけば、思考能力は運動能力と同じように20歳代が最大だと思っている。

現在の日本の社会システムでは大学を卒業した22歳か収支を卒業した24歳からキャリア経験を始め、プロになるのが30歳台になってからである。専門家としては30歳代が働き盛りで、40歳代になると管理職になり、専門的能力よりも判断力と折衝力が重要になる。専門職として能力を発揮し、管理能力の優れた人が50歳代になると幹部になる、その中で一人が60歳代で社長になる、というのが大部分の日本企業だろう。つまり日本企業では、かなり能力の落ちた人が采配を振るっている。

これを早めて、能力のある人には20歳代から判断力と折衝力を鍛え、30歳代前半から中核的な管理職として活躍できるような育成体制を取らないと日本企業は今後世界と戦っていけないのではないかと私は考えている。

囲碁のトップ棋士になるような人は、ほぼ例外なく10歳くらいから本格的にプロ棋士の訓練を始める。つまり20歳では既に10年間の専門家としてのトレーニング経験があるのである。私はほかの分野、例えば経理や研究開発、営業、経営といった分野でも10年も真剣にやれば、20年経験した人と同レベルに達することができると考えている。

若い経営者を育成するには、現在の日本の教育システムでは無理で、大卒、更に言えば高卒で即戦力となるような教育が必要だと思う。そのためには企業が投資した高校・大学というようなもので成功例を作るしかないと思う。全体的な教育システムを改革するには20年、30年かかるだろう。

そのような例は出てきている。高校で言えば角川/ドワンゴが始めたN高であり、大学は日本電産の永守氏が始めた永守学園である。いずれも、現在の日本の教育システムに合わせながらも即戦力となる卒業生の排出を狙っている。このような高校・大学が輩出した新人が活躍し始めて、似たような動きが多くの企業に広がるところからしか日本の教育は変わらないだろうと思う。



駆け込み購買でTVを購入

2019-09-22 15:23:26 | 生活

消費増税が近づいてきて、駆け込み購買で大型TVを買った。我が家でこれまで使っていたTVはアナログ送信停波の少し前にパナソニックのプラズマTV(42インチ)を買ったのだが、次第に画面が焼けてきて、時間の出る左上隅あたりにピンクの文字が出るようになり、そのピンクが次第に広がってきていた。まだ、十分に我慢できる程度だったがこれを機会に買い替えを決断した。

TVを買うときには画面サイズ、価格、4K対応、色味などが条件となるが、私の場合には対応は重みが低く、You TubeなどのネットTVを重要視していた。我が家はItscomのCATVなのでSTBを変えないと4K放送は見ることはできない。4K内臓TVとそうでないものがあったが4K内臓はほとんど意味は無かった。サイズはこれまでのTVは42インチだったのでその程度を想定していたが、ヤマダ電機の担当の人によると大きさ的には今では50インチがこれまでの42インチと同程度だという。それは最近のTVでは枠の部分が殆ど無く全体が画面になっているからである。

機種選択の重要な要素になったのが色作りだった。どの機種でも、所謂4Kで使われるような典型的な画面では同じようにきれいなのだが、なんでもない画面で随分色合いが違う。特に今日のように雲がたくさんあってところどころに青空があるような空の色が、機種によってはかなり作ったようなどぎつい色になる。見比べると「こんなに色が違うのか」と驚くほどである。結局、色合いとネット対応でソニーの機種にした。これはAndroid内臓なので将来的にネット対応が増えた時にも問題はなさそうである。ちなみに現在、私はNet TNを見ることは殆ど無いが、家族は見ている。

15日に買いに行って20日に配達してもらうことにした。20日に家に帰ってみると、TVはテレビ台の上に乗っておらず地べたに置いてある。TVを支える足の部分が左右に開いていて今まで使っていた台の上には乗らないのである。台をアマゾンで検索したがどうも適当なものは無い。改めてTVをよく見ると足の部分がハの字に開いていて開いている先が乗らないのである。左右を入れ替えると「がに股」が「内股」になってきれいに乗るように思えた。作業も簡単にできそうである。実際、足の左右を入れ替えてみると、比較的簡単にできてきれいに台に乗った。安定度も悪くなくそれで使用している。

大型テレビは新モデルが出て型落ちすると2%程度は軽く値下がりするので急いで買う必要は無いと言われているが、我が家では現在使っているTVの調子が良くないので買い替えた。やはり画面が大きくずいぶんきれいだと感じている。


囲碁トップ棋士若年化の必然性を思う

2019-09-15 15:54:24 | 生活

現在、囲碁の名人戦の挑戦手合い7番勝負が行われており、39歳の張栩名人に19歳の若手、芝野虎丸八段が挑戦している。数年前なら名人に対して若手が勢いに任せてどこまで通用するかを興味深く見守る、というところだが、現在では、私は実力は挑戦者の芝野八段のほうが上で、7割くらい名人が入れ替わると思っている。第1局目で芝野八段が優勢な碁を逆転負けして、張栩名人がリードして「これで面白くなった」と思ったくらいである。

現在の日本の囲碁界に関しての感覚的なランキングでいうと、1位:井山裕太4冠(30歳)、2位:一力八段(22歳)、3位:芝野八段(19歳)で、それに続いて平成四天王と言われる山下、羽根、高尾、張栩名人など40代前半から30代後半の4人と20代の多数の若手がいる感じである。平成四天王は、徐々に力が落ちており、あと2-3年で日本のトップ棋士は井山氏に20代の棋士を加えた状況になると思う。ちなみに世界ランキングベスト10は1位申氏(韓国19歳)、2位柯氏(中国22歳)、3位朴氏(韓国)26歳、4位辜氏(中国21歳)、5位楊氏(中国20歳)、6位芈氏(中国23歳)、7位連氏(中国25歳)、8位江氏(中国27歳)、9位陳氏(中国29歳)、10位謝氏(中国21歳)である。ちなみに日本人トップは一力氏で60位である。世界では20歳代それも20歳代前半がピークという傾向にある。

囲碁のトップ棋士は個人の才能に負うところが大きいので、才能豊かな人が現れると若くしてトップに立つのでトップの平均年齢が下がり、しばらくはその人の高齢化とともに平均年齢が上がる。現在の井山4冠がそのような存在であり、将棋の世界では羽生九段がそのような存在だった。しかし、最近の中国や韓国の若い棋士の台頭と、トップ棋士でも30代に入ると勝てなくなる現象は個人の才能ではなく、年齢と能力の関係だと私は考えている。若いときは読みが深く、正確だが、年齢を重ねると経験によるノウハウが重なるので読みでは負けていても勝負には勝てる、というのがこれまでの状況だったのだが、最近は勉強方法が進化してきて若くてもノウハウを取得することができるようになり、経験よりもその時点での能力のほうがはるかに重要になったのが最近のトップ若年化の理由だと私は考えている。

ここでいう能力は「仮説と検証」の能力である。仮説は発想であり、検証は実行である。囲碁の読みとは自らで仮説を立てて読みによって検証し、一番良い打ち手を探すことである。セブンイレブンは仮説と検証を繰り返していることで有名であるが、仮説は頭で考えることができても検証には実作業が必要である。しかし、囲碁の場合には仮説(発想)も検証(読み)も頭の中で行うことができる。仮説と検証は別の能力だと思うが、どちらも20代がピークだと最近私は思うようになった。

こう考えた時に、日本の学生のナイーブさが私は気になっている。現在の日本の大学の研究室では準教授が研究の中心であり助教、博士課程の学生あたりが研究実行の中心になっている。修士の学生や学部3-4年生などはお手伝いという感じで扱われているし、本人たちもその意識で手応えは弱い。しかし、本来の能力からすれば、修士、博士の学生がもっとも高い研究能力を持っているはずである。学生の研究能力をもっと引き出す、教育システムがあり得るのではないかと最近は考えている。



第4次安倍改造内閣に感じること

2019-09-13 14:53:42 | 社会

安倍総理が内閣改造を行った。新しい内閣に対する私の印象は「目玉は小泉進次郎環境大臣」というごくありふれたもので、それ以外で全般的な印象は側近を登用したのと幅広い派閥にチャンスを与えるが石破派は干す、というごく普通の印象で取り立ててブログに書くようなものは無いのだが、一点だけ他の人とはかなり異なるだろうと思う私の視点がある。

それは総務大臣高市早苗氏に関するものである。安倍内閣の総務大臣は新藤義孝氏、高市早苗氏、野田聖子氏、石田真敏氏と変わってきたのだがこの中では高市早苗氏が一番存在感があり、しっかりしていたと思われるので、高市氏に戻した安倍総理の判断はまともだというのが普通の見方だろう。私自身、高市氏が一番まともだと思っているのだが、気になっているのは彼女がかなり強く旧自治省のほうを向いている点である。

総務省は旧郵政省と、旧自治省が合体してできたもので、旧自治省系には地方創生という大きな課題があるので自治省のほうを向く人物を大臣にすることは選挙を考えても自民党総裁としては自然な判断だと思うのだが、このままだと日本の通信行政が大きく出遅れる点を私は気にしている。大臣にあまり興味がないと、政策は基本的に官僚の上げてきた提案に基づくことになる。しかし、総務省の通信系の官僚はかなり劣化していて、世界の動向が定まった後でないと動けない状況にあると私は考えている。その一方で通信は所謂デジタル革命の中心的部分で、最低でも世界の先進的な動きに付いて行くくらいでないと日本はかなりまずいことになる、特にこの2-3年が重要だと私は考えている。

日本の通信行政はこれまで総務省の官僚と旧電電公社(NTT)がリードしてきた。しかし、インターネット時代になって通信の主役は通信事業者ではなく、インターネットのサービスプロバイダになってきている。これから起こる様々な通信を巡る変化は、通信事業者にどう対応させるかではなく、その先にあるサービスプロバイダをどう育成するべきかになる。日本の通信官僚にはその視点はかなり弱いと私は思っている。

例えば、話題の5G移動通信に関していえば、電波をどのように通信事業者に割り当てるかではなく、事業者以外の一般ユーザが5Gを使えるようにする「ローカル5G」が重要になる。私は今の総務省にはこのような流れに対して適切に対応できないだろうと予測している。官僚の意識が低い場合、政治の側から官僚に圧力をかける必要がある。しかし、高市大臣はそのようなことには興味を示さないのではないかと懸念している。

通信官僚が通信事業者と結びついているのは日本だけでなく世界中で起きていることである。しかし、米国は進取の気性があるので比較的転換が早いだろうと思っている。欧州は日本と似ているが、通信事業者以外の声は日本よりも強い。中国は官僚(共産党)が産業全体を抑えているので、通信事業者の最適化ではなく産業全体の強化に通信をどう利用するかという視点を政治家が持っていると思う。日本はこういった点で出遅れるだろう。

このような傾向は通信分野だけでなくあらゆる分野で起こっている。AI、IoT、クラウドなどによるデジタル化の波に対する見識を適切に持って動いているには日本の省庁では経産省だけに私は見えている。そして日本は通信行政が総務省、IT行政が経産省と別れている点がますます政府全体の動きを遅くしている。私はICT行政全体を経産省に統合するべきだと思っているがそのような動きは簡単には出てこないだろう。

この2-3年で世界の通信行政が大きくは変化しないことを願っている。


帽子か日傘か

2019-09-10 19:54:59 | 生活

私は毎朝2時間ほど歩いているが、5月から9月くらいまではいつも帽子をかぶって歩いていた。それを8月後半くらいから日傘に変更している。若いころは帽子をかぶると頭が蒸れるような感じがして帽子はあまり被らなかったのだが、年を取ってくると直射日光を浴びると体力を消耗する感じになるので帽子をかぶっていた。ところが8月後半は1日のうちに曇り、雨、晴れが変化するような日が多く、ある日、曇っていたので帽子をかぶらずに家を出たら途中から晴れてきたときがあった。その時に傘を持っていたので日傘にして歩いたところなかなか調子が良かったので、それ以来、傘を持って家を出て、晴れてきたら日傘をさすようにしている。

ラジオで「日傘はポータブル日陰を作る」と言っていたがまさにそんな感じで、帽子をかぶっていても真夏は日陰を選んで歩くのだが、その日陰を自分の上に作るという感じが気に入っている。小さな折り畳み傘でそれほど重くはないがそれでも2時間傘を差し続けると手は疲れてくる。風があると力を入れなくてはいけない。しかし、緑道を歩くときなどは傘をさす必要はないので、晴れた日で全体としては半分くらい傘をさす感じて、それほど疲れることもない。本来、日傘は雨傘とは別物なのだろうが私は雨傘の青色のものを持ち歩いている。

自分が日傘をさすようになるとどのくらいの人が日傘をさしているかが気になる。男性で日傘は殆どいない。男性は高齢者は帽子、若い人ははにもなしが多いように思う。女性は帽子と日傘がそれぞれ15%くらいの感じで、年齢はあまり関係ないように思う。たまに女子高生でも日傘をさしている人を見かけるが、女子高生の帽子は見たことがない。

なぜ男性で日傘がいないのかは分からないが、たぶん習慣なのだろう。消耗を防ぐという意味では帽子よりも効果は高いような気がする。山道のようなたまには手を使って何かにつかまって歩かないといけないような場所では帽子にする必要があるが、普通に都会を歩く分には日傘は結構良いと思う。お試しください。

 


ワイヤレス・イヤホンを買った

2019-08-01 13:42:11 | 生活

昨日、ワイヤレス・イヤホンを購入した。

このブログに何度か書いたように私は毎朝2時間ほど歩いており、歩いている間はラジオを聴いている。最初は携帯用のラジオを使っていたのだが、3年ほど前から「ラジコ」や「らじるらじる」というスマートフォン用のアプリを使っている。基本的に音質が良く、気に入っているのだが、問題はイヤホン端子である。

毎日、イヤホン端子を抜き差しすると接触不良になってイヤホンが使えなくなってしまう。そこでこの1年ほどはイヤホンを指したままでスマートフォンを使っているのだが、ラジオを聴かないときはイヤホンケーブルを本体に巻き付けるので何かと不便である。そこで、Bluetoothを使って無線伝送するワイヤレス・イヤホンを購入した。左右がケーブルでつながっているタイプもあったが、イヤホンだけの独立したタイプを買った。約1万円だった。充電タイプで、ケースが充電器になっているのだが、ケース自体も充電タイプになっていて、USBでパソコンに接続して充電する。

家に帰ると、「こんな小さいのすぐ無くすよ」と言われた。そうかもしれない。私は几帳面では無いほうなのでいかにも無くしそうである。しかし、使う利用シーンがかなり限定されており、生活パタンになっているので、「出勤したらパソコンに接続されたケースに入れる」というのを習慣化していけば、案外無くさないのではないか、とも思っている。使ってみるとやはり便利である。

スマートフォンでラジオを聴いていて色々と不具合があるので報告しておこう。以前、書いたのだがソフトバンクはアプリでラジオを制御していて通常のTCP/IPではない。それでアプリにバグがあると思うのだが、時々、勝手にボリュームコントロールをして音量が大きくなったり小さくなったり不安定になる。これは電話の着信音などにも影響する。そのうち修正されるかと思っているのだがごく最近も同じ問題があったのでまだ修正はされていない。

また、これは最近2回ほどあったのだが、通常は4G回線につながっているのだが、気が付くと3G回線になっていることがある。これ自体はバグではなく、4G回線が満杯の時などに起こる正常の動きなのだが、状態が元に戻っても自動的に4G回線に復帰しない。端末に再起動をかけないと4G回線に戻らないのである。これは事業者であるソフトバンクの問題か、端末の問題かは分からない。どちらかというと端末の問題だろうと思っている。端末はシャープ製のAndroid oneであるのでアプリソフトはGoogle、通信ソフトはシャープ、通信チップはQualcommのはずである。Qualcommがこんなミスをするとは思えないので私はシャープを疑っている。

今のところ、快適に使えているが、無くしたりしたらまた報告しようと思う。

 


「ファクトフルネス」を読んだ

2019-07-16 06:25:18 | 生活

Fact Fulnessという本を読んだ。この本はスウェーデンの医師で公衆衛生に長期間かかわってきたハンス・ロスリングが書いたものである。本人は本書が発行される直前の2017年に他界し、娘とその婿が完成させているのだが、ハンス・ロスリングの言葉として語られている。

最初に13個の世界の現状に関する質問があり(まじめな質問である)、3択で答えるようになっている。ネタばらしになるのでその内容は書かないが私は13問中3個しか正解できなかった。ランダムに選ぶより低い正解率である。私だけでなく、世界中で正解率は低いそうである。この質問と正解を示し、人々は世界の状況をどれほど誤解しているかを示して、原因を解き明かしている。そして誤解を防ぐにはどうするべきかについて本人の経験とともに語っている。

この本を買おうという気になったのはテレビ東京の朝の経済番組「モーニングサテライト」でビジネス書の売り上げでかなり長期間上位に入っていたからである。普通は、ノウハウ本が売り上げ上位に来ることが多く、私はあまり気に留めていないのだが、「この本はどうも違いそうだ」と思ってアマゾンで注文した。

読んでよかったと思っている。私自身が日ごろ問題だと感じていて共感する点も多く、納得できる部分が多かった。なにょり公衆衛生を中心として活動してきた医師がこれほど広い視野を持てた点に感心している。ベストセラーなのですでに読まれた方も多いと思うがお勧めの一冊である。

7月17日、「モーニングサテライト」でこの本の著者に対するインタビューが放映された。本当の著者は他界しているのだが、作成を手伝った娘が「著者」としてインタビューを受けていた。しかし、どこまで正しくこの本の内容を理解しているか分からないような受け答えだった。あのインタビューを見て「読みたい」と思う人は少ないだろう。本の中身はインタビューよりもかなり濃いものであることをここに添えておきたい。