「ギター弾きの恋」でエメット・レイが憧れるギタリストとして登場するのがジャンゴ・ラインハルト(Django Reinhardt, 1910年1月23日~1953年5月16日)というフランスのギタリストでした。フランスの、というのは住んでいたのがフランスだということで、彼自身はベルギー出身の「マヌーシュ」です。
「マヌーシュ」とは、フランス中部~ベルギー・オランダあたりに住む「ロマ」の通称。「ロマ . . . 本文を読む
“Trainspotting”。ダニー・ボイル監督、1996年公開です。
そういえば、ダニー・ボイルって、「ザ・ビーチ」ですよね。「ザ・ビーチ」はあまり期待しないで見ましたが、ディカプリオがいい演技してて、掘り出し物の映画でした。「トレインスポッティング」があまりにも衝撃的で、以後の作品はいまいちパッとしなかったもので。
主演はユアン・マクレガー。今やスター・ウォーズのオビワン・ケノービ役には . . . 本文を読む
「レザボア・ドッグス」、「パルプ・フィクション」に続くクエンティン・タランティーノ監督の第3作。若さと、それに伴う暴力性がはじけ飛んでる前2作とはうって代わって、オジさん、オバさんを描いています。しかも「恋」もあるし。といっても、もちろん、「カネ」をめぐる駆け引きがストーリーの根底にあるのですが。
「ジャッキー・ブラウン」というのは、主人公である44歳の黒人女性の名前です。主人公の名前そのものを . . . 本文を読む
ガイ・リッチー監督の"LOCK, STOCK & TWO SMOKING BARRELS"(1998年)。それにしてもなんて長いタイトルなんだ! 邦題もそのまんまだし!
"LOCK, STOCK & BARRELS"というのは、「一切合財」という意味の慣用句だそうですが、"TWO SMOKING BARRELS"(「二つの銃口」)とは、この場合、映画に出てくる二丁のライフル銃を指すみたいですね . . . 本文を読む
これまたスパイク・ジョーンズの、というより「マルコヴィッチの穴」で脚本を書いたチャーリー・カウフマンの、摩訶不思議な映画です。
いきなり、「マルコヴィッチの穴」の撮影風景が出てきます。もちろんジョン・マルコヴィッチ自身が登場し、スタッフに何か言っています。そこへ登場するのが、ニコラス・ケイジ演じる脚本家チャーリー・カウフマン。しかし、撮影の邪魔だからと追い出されてしまう。情けない表情を浮かべるチ . . . 本文を読む
「コーヒー&シガレッツ」に、スパイク・リーとスパイク・ジョーンズを間違えるシーンが出てきます。名前は同じですが、スパイク・リーは、「ドゥ・ザ・ライト・シング」(1989年)、「マルコムX」(1992年)、「ゲット・オン・ザ・バス」(1996年)など、黒人の主人公とした問題作を世に送り出してきた映画監督・俳優。一方、スパイク・ジョーンズの方は、「マルコヴィッチの穴」(1999年)、「アダプテーション . . . 本文を読む
「スパルタカス」という映画があります。古代ローマ時代の剣闘士の反乱を題材にした作品です。主演はカーク・ダグラス。世界史の授業で、キューブリックの作品だということは特に触れないまま見せたのですが、感想文の中に、「かっこいいぞ、カーク・ダグラス! すごいぞキューブリック!」というのがあって、とてもうれしかったことを思い出します。
先日から紹介している『映画監督スタンリー・キューブリック』(ヴィンセン . . . 本文を読む
キューブリックが主人公アレックス役に選んだのは、当時27歳のマルコム・マクドウェルでした。彼は俳優としてはそれほどキャリアがあるわけではなかったのですが、この作品でアレックスの狂気を見事に演じ切り、一躍名俳優に…なるはずだったのですが、残念ながら彼のその後のキャリアもそう大したものにはなりませんでした。まるで、アレックス役に、彼の持つ才能をすべて注ぎ込んでしまったかのようです。というより、キューブ . . . 本文を読む
「暴力」(悪)を人間は嫌いますが、それをキューブリックは「偽善」だと言います。みんな暴力に惹かれているというのが実情だ、と。「この地球でもっとも無慈悲な殺し屋は人類なのだ。私たちの暴力に対する関心は、潜在的なレベルでは遠い祖先と大差ないことを示唆している」(『ニューズウィーク誌』のインタビューに答えて/『映画監督スタンリー・キューブリック』より)。
ところで、この映画を見て、その暴力性に刺激を受 . . . 本文を読む
高校3年生の夏。
大学の下見と称して東京に遊びに行った時、親戚のお姉さんが映画を見に連れて行ってくれました。新宿の映画館でした。「時計じかけのオレンジ」。1971年に初公開されて以来、あれが日本での3度目の公開だったことをずっとあとになってから『キューブリック』(イメージフォーラムNo.95)という本を読んで知りました。
暑い暑い夏の日だったことを覚えています。自分がボーダーのTシャツを着てい . . . 本文を読む
「コーヒー&シガレッツ」のジム・ジャームッシュつながりで、私の好きな映画の一つ「ナイト・オン・ザ・プラネット」(1991年)。同時刻に5つの街で起こる、タクシードライバーと客とのコミュニケーションをオムニバスでつづった映画です。原題は"NIGHT ON EARTH"なのですが、邦題ではなぜか「ザ・プラネット」になっています。「地球の夜」ではなくて、「惑星の夜」なのです。なぜ?
「コーヒー&シガレ . . . 本文を読む
前にも書きましたが、私は「スターウォーズ」シリーズには完全にハマリ切れなかった口です。それでもこれまで公開された5作は一通り見ています。
今回の「エピソード3/シスの復讐」は、製作された順でいくと1作目にあたる「エピソード4」 につながる部分になります。「エピソード4」を作った時から、ルーカスの構想の中に既にこの壮大な物語の全体像があったのだとすればすごいことだと思います。素人目ですが、うまくつ . . . 本文を読む
「ナイト・オン・ザ・プラネット」のジム・ジャームッシュだし、キャストの名前見ただけでへぇ~って感じだし、全編モノクロというのにも引かれ、今日まで上映ということで、仕事帰りにシネマディクトで見てきました。
まさにタイトルどおりの映画で、いろんな人がコーヒーショップでコーヒーを飲みながらタバコを吸うんです。「いろんな人」といっても、どこか一癖ある人たち。そしてちょっと耳をそばだてたくなるような会話。 . . . 本文を読む
ショーン・ペンってそれまであまり好きな俳優ではなかったし、マドンナはこんな男のどこがよかったのだろう?と思っていましたが、2001年の春、この映画で「エメット・レイ」をあまりにも生き生きと演じているのを見て、スゴイ俳優かも、と思うようになりました。
「エメット・レイ」は伝説の天才ジャズ・ギタリスト。とはいっても、映画ではいかにも実在の人物のように監督のウディ・アレンはじめ、様々な人が登場してきて . . . 本文を読む
映画「未来世紀ブラジル」(1986年)に付せられる形容詞を拾ってみました。
モンティ・パイソン出身のテリー・ギリアム監督が不条理な近未来社会を描く…。
ブラックなイマジネーションに満ち溢れた壮大なSF…。
未来なんだかレトロなんだかわからない異様な世界で究極の管理社会を風刺するブラックユーモアSFの傑作…。
「ブレードランナー」の対極にあるSF映画…。
タイトルに「ブラジル」とありますが、ブラ . . . 本文を読む