「暴力」(悪)を人間は嫌いますが、それをキューブリックは「偽善」だと言います。みんな暴力に惹かれているというのが実情だ、と。「この地球でもっとも無慈悲な殺し屋は人類なのだ。私たちの暴力に対する関心は、潜在的なレベルでは遠い祖先と大差ないことを示唆している」(『ニューズウィーク誌』のインタビューに答えて/『映画監督スタンリー・キューブリック』より)。
ところで、この映画を見て、その暴力性に刺激を受 . . . 本文を読む
映画の予告編を見て、高校生バンドがブルーハーツ、という取り合わせが面白そうかなと思い、本屋でノベライズを見かけたのでとりあえず買って読んでみました。しかし…。
深みのないオハナシ。ノベライズだから映画の方もほとんどこのままのストーリーなんだろうけど、どんな映画か想像がつきます。ソンが「リンダ リンダ」をどう歌うのかは見てみたくもありますが、そのためだけに映画館のシートに身を沈めることはないでしょ . . . 本文を読む
高校3年生の夏。
大学の下見と称して東京に遊びに行った時、親戚のお姉さんが映画を見に連れて行ってくれました。新宿の映画館でした。「時計じかけのオレンジ」。1971年に初公開されて以来、あれが日本での3度目の公開だったことをずっとあとになってから『キューブリック』(イメージフォーラムNo.95)という本を読んで知りました。
暑い暑い夏の日だったことを覚えています。自分がボーダーのTシャツを着てい . . . 本文を読む
所属しているNPOが関係する「コミュニティ・ビジネスフォーラム in あおもり2005」に参加してきました。
「コミュニティ・ビジネス」とは、「市民が主体となって、地域が抱える課題をビジネスの手法により解決し、またコミュニティの再生を通じて、その活動の利益を地域に還元するという事業」(NPO法人コミュニティビジネスサポートセンターのサイトより)のことです。
その最大の特徴は、「地域」をベースと . . . 本文を読む
昨日から、「カテゴリー」ごとの記事数が自動的に掲載されるようになっています。
自分で数えたことはなかったのですが、こうしてみると傾向?がよくわかりますね。「社会教育」が48で一番多いのですが、「社会教育」がもともと幅広い概念であるというだけではなく、私自身、あまりにも広くとらえすぎているのかもしれません。「社会教育」のカテゴリーは、いずれ下位カテゴリーに細分化しようと思っています。
ちなみに、 . . . 本文を読む
先日の新聞に、「鄭和船団「子孫」 ケニアから招く」という記事が載っていました(朝日新聞2005年8月23日付)。
15世紀、明の時代に大航海を行った鄭和(1371-1434?)の船団は、遠くアフリカ東海岸まで達しています。現在のケニア沿岸部の小さな島に住む住民は、昔から鄭和船団に参加した船員の子孫だと語り継がれてきたそうなのです。島に残る石積みの古い墓は中国人船員たちの墓で、中国製の陶器がはめこ . . . 本文を読む
…というタイトルの講演会を聴いてきました。
青森市の「棟方志功記念館」の会館30周年記念講演会。講師は大原美術館館長の高階秀爾氏です。
大原美術館には、「釈迦十大弟子板画柵」や「女人観世音板画柵」、「東海道五十三次板画柵」など、200点を超える棟方作品を収蔵しています。数年前に一度訪れたことがありましたが、「ホンモノ」には、本当に腰を抜かすほどの迫力がありました。「釈迦十大弟子板画柵」なんて、 . . . 本文を読む
サニーデイ・サービスを聴くと、東京で仕事をしていた3年間を思い出します。東京で知り合った人に教えてもらったサニーデイ。懐かしい匂いの漂うメロディラインと等身大の歌詞にすっかり惹かれてしまいました。
2000年の冬だったと思いますが、渋谷AXで行われたライブを見に行ったことがありました。おなじみの曲を目の前で聴いてご機嫌でした。ところが、なんとなく雰囲気がおかしい。よく聞くと、ボーカルの曽我部恵一 . . . 本文を読む
玄田有史さんの『14歳からの仕事道』という本を読んでいたら、「気楽に「頑張る」なんて言わないことだ」という言葉が出てきました。
そうなんです、みんなあまりにも簡単に「がんばれ」とか「がんばる」って言い過ぎなのです。確固とした目標がある人にはふさわしい言葉かもしれません。スポーツでもっと上達したいとか、あるまとまった仕事に取り組んでいるとか、試験で80点以上取るとか。
でも、深く落ち込んで、とり . . . 本文を読む
「コーヒー&シガレッツ」のジム・ジャームッシュつながりで、私の好きな映画の一つ「ナイト・オン・ザ・プラネット」(1991年)。同時刻に5つの街で起こる、タクシードライバーと客とのコミュニケーションをオムニバスでつづった映画です。原題は"NIGHT ON EARTH"なのですが、邦題ではなぜか「ザ・プラネット」になっています。「地球の夜」ではなくて、「惑星の夜」なのです。なぜ?
「コーヒー&シガレ . . . 本文を読む
前にも書きましたが、私は「スターウォーズ」シリーズには完全にハマリ切れなかった口です。それでもこれまで公開された5作は一通り見ています。
今回の「エピソード3/シスの復讐」は、製作された順でいくと1作目にあたる「エピソード4」 につながる部分になります。「エピソード4」を作った時から、ルーカスの構想の中に既にこの壮大な物語の全体像があったのだとすればすごいことだと思います。素人目ですが、うまくつ . . . 本文を読む
「ナイト・オン・ザ・プラネット」のジム・ジャームッシュだし、キャストの名前見ただけでへぇ~って感じだし、全編モノクロというのにも引かれ、今日まで上映ということで、仕事帰りにシネマディクトで見てきました。
まさにタイトルどおりの映画で、いろんな人がコーヒーショップでコーヒーを飲みながらタバコを吸うんです。「いろんな人」といっても、どこか一癖ある人たち。そしてちょっと耳をそばだてたくなるような会話。 . . . 本文を読む
いきなり解散してしまった先の国会で成立した法案の一つに、「食育基本法」というのがありました。
「食育」というのは、「健全な食生活を実践することができる人間を育てること」だそうです。ということは、今の「食」をめぐる状況は、「健全」ではないという大前提から始まっていることになります。確かに、かつて「健全」だった時代に比べると、日本人の食生活は決していい方向には進んでいないのかもしれません。日本の食料 . . . 本文を読む
法事がありました。
和尚さんの唱える阿弥陀経の中に、「池中蓮華 大如車輪 青色青光 黄色黄光 赤色赤光 白色白光 微妙香潔」という言葉が出てきました。
「極楽浄土の池には、車輪のような蓮華があり、青い蓮華は青い色彩と青い光を、黄色い蓮華は黄色い色彩と黄色い光を、赤い蓮華は赤い色彩と赤い光を、白色の蓮華は白い色彩と白色の光をそれぞれ放ち、非常に奥深い清らかさがある」といった意味だそうです。つまり . . . 本文を読む
もう20年もたつのですね。1985年のあの夏から。ゴビタンを歩いていた夏。そしてジャンボ機が墜ちた夏。
私はあの夏、シルクロードを歩いていました。10日間のウォークを終えて2日後のことでした。西安のホテルで夕食をとっている時、そのニュースはいきなり飛び込んできました。
520人の遺族の方の悲しみは今も消えるはずはありません。20年待っても御巣鷹山に消えた命は戻ってこなかったのですから。
一方 . . . 本文を読む