カクレマショウ

やっぴBLOG

関節話法

2005-04-29 | ■本
職場にしょっちゅう指の関節をポキポキ鳴らしている人がいます。けっこういい音がします。私は関節が鳴らないほうなので、関節で音が出ること自体、とっても不思議です。 筒井康隆に「関節話法」という短編小説があります(『宇宙衛生博覧會』所収)。「間接話法」ではなく、「関節」話法です。 マザング星という惑星では、「関節話法」つまり、全身の関節を鳴らすことによって会話が行われています。マザング星は地球とよく . . . 本文を読む

『レ・ミゼラブル』覚え書き(その11)

2005-04-25 | └『レ・ミゼラブル』
第一部 ファンティーヌ 第七編 シャンマティユー事件(岩波文庫第1巻p.370~p.481)【続きその3】 今週、職場の花見があるのですが、桜のつぼみはまだ固いままです。日中でもまだ少し肌寒いし、こんな調子で花見ができるのでしょうか? いずれにしても、寒さに震える花見になりそうです。毎年のことですけど。さて、久々の更新。ジャン・ヴァルジャンに気持ちを投入します。 前の裁判が長引き、思いがけずも . . . 本文を読む

『レ・ミゼラブル』覚え書き(その10)

2005-04-15 | └『レ・ミゼラブル』
第一部 ファンティーヌ 第七編 シャンマティユー事件(岩波文庫第1巻p.370~p.481)【続きその2】 朝5:00。1台の馬車がモントルイュ・スュール・メールからアラスに向かっていました。馬車には、マントに身をくるんだマドレーヌが乗っていました。 彼が馬車の中で考えていたのはこんなことでした。 「…ともかくも、どんな賤しい奴かそのシャンマティユーを見たならば、自分の代わりにその男が徒刑場 . . . 本文を読む

村上春樹『象の消滅』─20年の時の流れ

2005-04-12 | ■本
ちょっと勘違いをしていたらしく、村上春樹が米国で出した短編集を「再翻訳」して日本で出版したもの、と思っていました。訳したのは彼本人?そんな馬鹿な。でも日本語→英語→日本語となると、けっこう面白いかも。もともとの「原作」と比べてみるのもいいぞ、なんて一人で勝手に想像しながら、本屋でペーパーバック風の黄色い本を手にしました。 ところが、買ってからよく本を見たら「英語版と同じ作品構成で贈る」と帯にある . . . 本文を読む

ピラミッドとネットワーク

2005-04-11 | ■つながり・コミュニケーション
以前、会議の進め方について書いたことがありましたが、今日の「会議」は「会議」とさえ呼べないようなしろものでした。各担当からの報告とトップからの施政方針演説のみ。形式上、何か意見は?と求められたものの、とても意見を言えるような雰囲気ではありません。たぶん満足しているのはトップの人だけで、私たちのやる気を喚起してくれるようなものではなかったことは確かです。 組織の一員として私たちが「ライン」の中に組 . . . 本文を読む

『レ・ミゼラブル』覚え書き(その9)

2005-04-10 | └『レ・ミゼラブル』
所用で岩手県一関市付近まで1泊2日の旅をしてきました。当然雪はまったくなく、一足先に春を感じてきました。渇いた土がやけに懐かしく思えました。青森の雪解けはいつのことになるのだろう…。 静かな日曜日の夜。熱い珈琲を入れて、ラムゼイ・ルイスの“THE IN CROWD”を聴きながらの『レ・ミゼラブル』です。 第一部 ファンティーヌ 第七編 シャンマティユー事件(岩波文庫第1巻p.370~p.481 . . . 本文を読む

私の好きなアルバム#04 クルセイダーズ“Rhapsody and Blues”(1980年)

2005-04-09 | ■私の好きな歌
あまりにも懐かしいアルバムをAmazonで手に入れました。もちろんLPレコードは持っているのだけど、今やレコードを聴くこと自体、大変な作業が必要になってしまいます。 部屋を暗くして、ディスクをデッキに載せると、ぞくぞくするようなクルセイダーズの世界がすぐによみがえりました。全6曲、どの曲もそれぞれに心に浮かぶ光景が違って見えます。 1 曲目“Soul Shadows”。クルセイダーズは前作の“ . . . 本文を読む

「青年の主張」と「見出し人間」

2005-04-06 | └社会教育
昔、NHKで成人の日の恒例番組「青年の主張」というのがありました。中学生の頃、まじめな顔して見ていたものです。「主張」を発表するのは、高校生だったり「有職少年」(死語か!?)だったり就職浪人だったり。さすがに地方予選を勝ち抜いてきただけあって、どの人も、自らの体験と自分の意見を堂々と主張していたのを覚えています。涙あり笑いありのちょっと芝居がかった調子で。 私が当時不思議だったのは、いったいこの . . . 本文を読む

『レ・ミゼラブル』覚え書き(その8)

2005-04-05 | └『レ・ミゼラブル』
深い色の青空の下に陸奥湾が輝いて見えました。積み上げられた雪はまだ溶け切るのに時間はかかかりそうですが、確実に春は近づいています。南の方ではもう桜が咲いているらしいですが、青森でもあと3週間ほどすれば咲き始めます。待ちわびて待ちわびてようやく咲いてくれる桜が好きです。 第一部 ファンティーヌ 第七編 シャンマティユー事件(岩波文庫第1巻p.370~p.481) ジャヴェルが帰ったあと、マドレー . . . 本文を読む

『レ・ミゼラブル』覚え書き(その7)

2005-04-04 | └『レ・ミゼラブル』
仕事帰りにジムに寄り、汗を流す。シートの上を走っているだけなのに、決して景色は変化しないのに、どこまでもどこまでも走っていけるような爽快な気分。そのあとマシンで3セット。筋肉がプルプルいう。限界。最後は入念なストレッチで体をゆっくりほぐす。 そしてまた『レ・ミゼラブル』と向き合う。 第一部 ファンティーヌ 第六編 ジャヴェル(岩波文庫第1巻p.351~p.369) 不摂生がたたったファンティ . . . 本文を読む

『レ・ミゼラブル』覚え書き(その6)

2005-04-03 | └『レ・ミゼラブル』
第一部 ファンティーヌ 第五編 下降(岩波文庫第1巻p.283~p.350) テナルディエ夫婦にコゼットを預けたファンティーヌは、10年ぶりに生まれ故郷のモントルイュ・スュール・メールに戻り、職につきます。それは、「マドレーヌさん」の工場の女工の職でした。「マドレーヌさん」は、どこかよそからこの町にやってきて「黒い装飾品」を安価に作る技術を考え出し、莫大な富を築いていた人でした。彼の預金額は、事 . . . 本文を読む

フルキャストスタジアムが創り出す新しい文化

2005-04-02 | ■野球/バファローズ/スポーツ
東北楽天ゴールデンイーグルスの本拠地、フルキャストスタジアム宮城での試合を初めてケーブルテレビで見ました。 んん? なんだかいつものプロ野球の試合と違うぞ、とすぐに感じました。やけに静かなのです。けたたましいトランペットの音も、選手が登場する時の「テーマソング」もない。「私設応援団」が声をそろえて「かっとばせー○○!」と叫んでいる声を別にすれば、ざわざわという観客の静かな喧噪、そしてバッターが打 . . . 本文を読む