カクレマショウ

やっぴBLOG

“「裏糸」を感じろ?”作品群

2007-10-30 | ■美術/博物
先日、所用で青森公立大学に出かけたついでに、同じ敷地内にある「国際芸術センター青森」をのぞいてみました。 ちょうど、2007秋のアーティスト・イン・レジデンス展「裏糸」が開催されていました。「アーティスト・イン・レジデンス」(AIR)というのは、芸術家が一定期間、自分が住む場所と別のところに滞在しながら創作活動を行うことだそうで、今年は、国内外から4人のアーティストが招かれ、9月はじめから11月 . . . 本文を読む

「漢字」という文字のこと─その5─漢字から生まれた2つの文字(1)カタカナ

2007-10-29 | ■世界史
私たち日本人が生み出した独自の文字が「かな」です。もっとも、かな文字は、漢字をもとにしてできた文字ですから、「独自」というのは正確ではないのかもしれませんが。 かなには、「ひらがな」と「カタカナ」の2種類あります。これも考えてみれば不思議なことで、同じ音を表すのに、なぜ日本人はわざわざ2種類もの文字を作らなければならなかったのか? たとえば、"a"という音を表すのに、日本人は、漢字の「安」から「 . . . 本文を読む

「Rain レイン」─雨が上がって人は歩き出す。

2007-10-26 | ■映画
原題:THREE DAYS OF RAIN 2003年 米国 98分 監督・脚本: マイケル・メレディス 提供:ヴィム・ヴェンダース 出演:ドン・メレディス ピーター・フォーク エリック・アヴァリ 米国・クリーブランドを舞台とした、原題どおり、「雨の3日間」の人間模様を、静かなジャズの調べに乗せて描いた作品です。なかなかいい映画だと思うのですが、残念ながら日本未公開。監督・脚本の . . . 本文を読む

「アンジェラ」─存在しない過去と消してしまいたい過去

2007-10-23 | ■映画
2005年/フランス/90分 監督・製作・脚本 リュック・ベッソン 撮影 ティエリー・アルボガスト 音楽 アンニャ・ガルバレク 出演 ジャメル・ドゥブーズ/アンドレ リー・ラスムッセン/アンジェラ リュック・ベッソンが「ジャンヌ・ダルク」(1999年)以来、久々にメガホンをとった話題作…の割には、劇場公開の際の評判はさんざんだったようで。ストーリーが単純で安っぽい、リュック・ベッソンの個 . . . 本文を読む

高校生の「進路選択の悩み」に大人はどう答えるか。

2007-10-22 | └キャリア教育
メールマガジン「よみうり教育メール」の「相談コーナー」に寄せられた「進路選択の悩み」。 私は今、高校3年で受験勉強の真っ最中です。けれど、やりたい事がはっきりしなくて、受験する大学、学部を決められず、この時期になってもまだ迷っています。「よし、この学部を目指そう」と思っても、少しするとまた迷ってしまうことの繰り返しです。 初めは救急救命士になりたいと思いました。ですが、親や予備校の先生に相談し . . . 本文を読む

「漢字」という文字のこと─その4─日本に漢字がやってきた。

2007-10-20 | ■世界史
日本と中国の関係を表す最も古い「文字」は、あの有名な「金印」です。福岡県の志賀島で発見されたという金の印綬(「綬」というのは印をぶらさげる紐のことですが、これは見つかっていません)。その印に「漢委奴国王」という五文字が刻まれていたのです。 これは、「漢の属国である倭(わ)の奴(な)の国の王」という意味ですが、「倭」とはもちろん日本を指します(にんべんが省略されています)。これは、1世紀から4 . . . 本文を読む

理論と実践

2007-10-18 | └社会教育
何も社会教育の世界に限らないことだとは思いますが、「理論」と「実践」を両極端に置いて語られることがよくあります。 たとえば、大学の先生が社会教育の必要性や重要性を学問的に研究する。ところが、社会教育とは基本的に実践活動あってのものですから、社会教育行政職員や地域で活動している人は、学問的な裏付けなど関係なく、地域や子どもたちのためになることを一生懸命やっている。ここでよく言われるのは、現場の実践 . . . 本文を読む

平田オリザの「地図を創る旅」

2007-10-16 | ■本
平田オリザは、私とほぼ同年代の劇作家・演出家。最近はテレビのコメンテーターとしても時折登場していますね。 彼は16歳の時、高校を休学して自転車で世界一周の旅を経験しています。その旅を綴ったのが『十六歳のオリザの未だかつてためしのない勇気が到達した最後の点と、到達しえた極限とを明らかにして、上々の首尾にいたった世界一周自転車旅行の冒険をしるす本』。冒険の旅に憧れていた20数年前の私は、彼が世界各地 . . . 本文を読む

プチプチ、プチプチ…

2007-10-15 | ■その他
日経ビジネスオンラインの連載、川口盛之助の「ニッポン的ものづくりの起源」、今回は「プチプチ」。 そう、プチプチというのは、梱包や包装に使われる透明なポリエチレン製のクッション材。あの気泡の入ったツブツブをプチプチとつぶすのがたまらなく好き…という人はけっこう多いですよね。 これを読んで知ったのですが、「プチプチ」というのは、この業界で圧倒的なシェアを占める川上産業という会社のれっきとした登録商 . . . 本文を読む

世界最古のスポーツ、ボクシング

2007-10-14 | ■野球/バファローズ/スポーツ
ボクシング"boxing"って、どうして"box"(箱)なのかなと思っていたら、"box"には、名詞で平手打ちとかげんこつという意味もあり、さらに「平手打ちを食らわす」とか「げんこつでなぐる」という動詞でもあったのですね。 握りこぶしを「箱」に見立てるというのは、古代ギリシア人に始まります。古代オリンピア競技会の種目の一つでもあったボクシングは、ギリシア語で"pugilism"(ピュージリズム) . . . 本文を読む

絶滅危惧種と野良猫

2007-10-13 | ■環境/科学
地元紙掲載の連載で、自然生物の保護に努めている方のコラムがあります。先週今週は、「テングコウモリ大量殺りく事件」の顛末について。 岩手県久慈市の内間木洞の動物群は、岩手県指定天然記念物に指定されているのだそうですが、そのうち、絶滅危惧種Ⅱ類に入っているテングコウモリが、9月から69匹も何ものかによって「殺りく」されたという「事件」です。 さて犯人は誰か? 残された死骸の状態から、「殺しを楽しん . . . 本文を読む

「闇の世界」の悲劇を防ぐために

2007-10-12 | ■テレビ/メディア
今朝(2007年10月12日付け)の各紙朝刊の一面コラム。読売の「編集手帳」、毎日の「余録」、日経の「春秋」、産経の「産経抄」がそろって取り上げていたのが、インターネットの「自殺サイト」が引き起こした川崎の殺人事件でした。 いずれも、この事件に触れる前に、古今の書物や物語の様々な逸話を引いてきています。 読売は、森村誠一の「偽造の太陽」という長編小説。強盗をするために見ず知らずの男を引き入れる . . . 本文を読む

早寝早起き、そして「学習」

2007-10-11 | ■青森県
総務省統計局が行った社会生活基本調査(2006年)によれば、青森県民は、平日の就寝時刻・起床時刻とも、日本で最も早いのだそうです。就寝時刻は平均が午後10時32分で、全国平均より44分も早い。起床時刻は6時22分、こちらは全国平均と比べると17分早起き。 青森県は農業や漁業の従事者が多いし、高齢化率も高い。冬は雪に閉ざされる…といった要因を考えていけば、青森県民の「早寝早起き」傾向は当然といえば . . . 本文を読む

『PLUTO』覚書その9─「科学者はロボットを兵器として作っているんじゃない!!」

2007-10-10 | └『PLUTO』覚書
浦沢直樹『PLUTO』は、現在単行本は第4巻までしか出ていません。第4巻の構成は次のとおり。  Act.24 博士の休日の巻  Act.25 竜巻日和の巻  Act.26 対決の巻  Act.27 違った夢の巻  Act.28 緊急コールの巻  Act.29 つぶやく影の巻  Act.30 キンバリーの三博士の巻  Act.31 地上最大のロボットの巻 今回は、Act.24からAct.26の部 . . . 本文を読む

『レ・ミゼラブル』覚え書き(その32)

2007-10-08 | └『レ・ミゼラブル』
第三部 マリユス 第七編 パトロン・ミネット(岩波文庫第2巻p.596~p.611=第2巻了) 5ヶ月近く間が空いてしまいました。今回は、岩波文庫で言えば、第2巻に収められている最後の編。…これで『レ・ミゼラブル』全4巻のちょうど半分が「覚え書き」されることになります。あと残り半分か…。先は長い。 例によって、ユゴーは本筋から離れて、突然、カンケーない話を始める。酒席で「くどい」人ってよくいま . . . 本文を読む