高校が地域の皆さんを学校に招いて直接話をしたり指導してもらうことで、子どもたちの主体性を引き出したり協調性を養ったりする試みはとても大切だと思うのですが、先日の新聞(デーリー東北)に2つの学校の取組が紹介されていました。
1つは、青森県立三沢高校の「MOSプロジェクト」。「MOS」って、「モっとスごい自分に出会える」という意味らしいのですが、もちろん、三沢高校の独特のジャージの色、モスグリーンも掛けているのでしょうね。「MOSプロジェクト」は、生徒が地域の課題について研究することを通して、「自ら考える力やチームで目的達成に臨む姿勢」などを身につけることをねらいとしています。今回、スタートアップとして取り組んだのは、三沢市役所の若手職員10人が学校に来て、それぞれの担当分野について7分間ずつプレゼンするというもの。生徒たちは10グループに分かれて、すべての職員の説明をひととおり聞く。生徒にとっては、地元のことなのに初めて聞く話もあったようで大いに刺激になったことでしょう。また、若手職員の皆さんにとっても、おそらく高校生の前で話をするというのはとてもいい経験になったのではないでしょうか。
今回はいわば「種まき」ですね。これから、生徒たちが10個の課題の中から自分が最も興味のあるものを選んで、市役所や様々な地域の人たちと一緒に、課題解決に向けた方策をひねり出し、実際に活動に結びつけていく……ことになるのかな? 生徒たちがこの体験を通してどんなふうに変容、成長していくのか楽しみです。
もう1つは、これは以前から実施されている県立三戸高校の起業家教育。7月にチャレンジショップ(模擬店)を開店するそうで、そのための「会社」の経営計画について、小松利昭さんの指導を受けながらグループで議論。自分たちのアイディアを形にしていく際に、「経営のプロ」の方から直々に助言を受けられるなんてほんと幸せなことですね。「やりたい仕事がない」なら、「やりたい仕事をつくる」。それがアントレプレナーシップ。こういうトレーニングの積み重ねは、たとえ「起業家」にならなかったとしても、将来必ず役に立つはずです。
あと、八戸高専の取組として紹介されていたのは、自ら課題を見つけ学ぶ「探求学習」の取組。4学期制の導入によって、「秋学期」には夏休みを含めて3ヶ月間を「自由な学びの時間」として、1~3年生がそれぞれ探究型の学習に取り組むのだとか。あるクラスでは、毎週のように進捗状況についてプレゼンする発表会を開いて、学生同士刺激し合っているそうです。八戸高専の取組は、地域とは必ずしも結びついていないようですが、内容によっては自ら地域に飛び出して教えを請うことも必要になってくるのでしょう。それも「主体的な」学習ですね。
学校現場でこういう新たな仕掛けができるのって、びびっと手応えがありそうで、うらやましいなあ。
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