カクレマショウ

やっぴBLOG

公民館でこそ「消費者教育」を

2016-04-04 | └社会教育

平成24年に「消費者教育の推進に係る法律」が制定されて以来、文部科学省でも「消費者教育」に熱心に取り組むようになっています。このほど「消費者教育のヒント&事例集─いつでも どこでも だれでもできる!」という小冊子が発行されました。

“わたしたちは、生涯を通じて「消費者」である”という基本に立ち、学校や社会教育の場で「消費者教育」をどう進めていったらいいのか、分かりやすく説明してくれています。

その中でなるほどと思ったことがありました。消費者教育といえば、悪徳商法や詐欺にだまされたり、債務多重者にならないようにしたり、ネット上のトラブルを回避したりといった、いわゆる「賢い消費者」あるいは「自立した消費者」になることを目指すための教育と思っていましたが、それだけではないのですね。世界の環境や資源エネルギー問題、食糧問題、貧困問題にも目を向け、持続可能な社会を目指して「積極的に関与する消費者」として、「社会の一員として行動する力」を身につけることが求められている…。そういう社会を「消費者市民社会」と呼ぶのだそうです。

消費者教育を、そんな「主体的な消費者」(=市民)を育てる教育と考えれば、当然、学校ではキャリア教育という位置づけで行われていいでしょう。

それより、消費者教育って、公民館での成人教育のテーマとしてはまさにうってつけなのでは? 「そんなテーマの講座開いても受講者が集まらないんじゃない?」という「例の心配」があって新しい講座を立ち上げるのがこわいというなら、これまでの趣味教養的な講座に、なにげなく消費者教育のスパイスをふりかけていったらどうでしょうか? たとえば、「生け花講座」なら、使う生花の流通ルートとか、「ダンス教室」では衣装の製造販売、「郷土史講座」で地場産業と地産地消など、消費者教育への「入り口」はいくらでもあると思います。そして、講師やファシリテーターは、それぞれの部署のプロの方にお願いする。「入り口」を見つけること、そして「コーディネーター」として人をつなぐことこそ、社会教育主事や公民館職員の皆さんの腕の見せどころですよね。「いつでもどこでもだれでもできる!」というのは、あながちウソではないのかも!(^^)!

この小冊子には、全国各地のすぐれた事例も紹介されています。どの取組も、消費者教育が様々な機関や人の「連携」によって成り立っていることがわかります。消費者教育は、決して一つの「地域」だけにとどまるものではなく、日本全体、地球規模で取り組んでいかなければならない課題もたくさんあります。連携や協働が求められるのは、そういう意味もあるのですね。


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