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ホント(?)はスゴイ人 川内康範氏

2007-03-02 | ■テレビ/メディア
最近、森進一氏との騒動で久々にテレビに登場している川内康範氏。先日は森氏が「謝罪」のために川内氏の住む八戸市までわざわざ来たのだとか。しかし肝心の川内氏は森氏が八戸に着く前に東京に向かう新幹線の中。どこかで二人の乗った新幹線がすれ違っているわけで、まるでドラマか漫画のようです。

今回の騒ぎは、川内氏が作詞した「おふくろさん」という歌を森氏が「勝手に」セリフ付きで歌っていることに、川内氏が怒っているということ。著作権の観点からすれば、至極もっともな怒りです。クリエーター(創作者)とパフォーマー(演ずる人)の関係について、改めて考えさせられます。漫画「キャンディ・キャンディ」の原作者と漫画家の争いとも通ずるものがあるなと思います。

ところで、川内康範氏は、かつてはいろいろな顔を持つマルチな人でした。私より上の世代の人にとっては、くだんの「おふくろさん」をはじめ、「花と蝶」、「伊勢佐木町ブルース」、「恍惚のブルース」といった大ヒット歌謡曲の作詞者というだけでなく、「月光仮面」の原作者としてもよく知られているでしょう。もちろん、「ど~この誰だか知~らないけれど…」で始まる「月光仮面」のテーマソングも彼の作詞によるものです。

私たち世代にとっては、なんといっても川内氏原作による「愛の戦士 レインボーマン」です。このヒーローものは、明らかにほかとは毛色が違っていました。「インドの山奥で修行」して超人的なパワーを身に付けたレインボーマンが、悪の組織「死ね死ね団」と戦う。「レインボーマン」という名前のとおり、このヒーローは状況に応じて「月・火・水・木・金・土・日」の7種類の化身に変身するのです。しかし、悪と戦いつつも、“憎むな、殺すな、赦せ”という師ダイバダッタの教えとの葛藤に悩むレインボーマン。こうした設定には、仏教の思想が深く反映されていますが、これは川内氏が北海道函館市の日蓮宗の寺に生まれたことと関係しているらしい。

それより何より幼心を刺激したのは、敵である「死ね死ね団」(このテーマソングは「死ね」「死ね」「死んじまえ」という歌詞のオンパレードで、今なら間違いなく問題になることでしょう。…これも川内氏作詞です…)がなぜか「日本」や「日本人」だけに強い憎しみを持っているということ。「死ね死ね」という単純なネーミングの対象は「日本人」だということ。実はその背景には、「死ね死ね団」のボス(ミスターK)が第二次世界大戦中に日本人に家族を殺されたという過去がある、ということを知った時には驚いたものです。

川内氏は、こうした、テレビや映画といったメディア上での活躍と並行して、戦時中にシベリアなど海外に抑留された日本人の帰国や遺骨回収を進める活動をしていました。一時は、歴代首相のブレーンも務めていたのだとか。そういう人が、「まんが日本昔ばなし」の監修を務め、あの有名なテーマソングの作詞(作曲:北原じゅん)までしているのですから、得体のしれないマルチぶり。

さて、今回の騒動ですが、森氏が「改変」して歌い始めたのは決して最近のことではなく、すでに30年も前から舞台でもテレビでもそういう歌い方をしていたのに、今更どうして?という印象はあります。これまでは何とか我慢していたけれど、どうしても我慢できなくなって…ということなのでしょうか? また、会う会わないでゴタゴタしているのも非常に見苦しい。子どもたちに大きな夢を与えてきた川内氏のこれまでの業績を考えれば、あんまりそういうゴタゴタは子どもたちに見せたくないような気がします。ここは大御所同士、きちんと公の場で話し合って決着をつけることはできないものでしょうか…。

 

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2 コメント

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Unknown (Unknown)
2007-03-05 23:29:18
もうずっと前から変えて歌うなといい続けてたそうです。
ただマスコミが知らなかっただけで報道されてなかったから。世間は知らないだけ。
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おふくろさんと月光仮面 (もののはじめのiina)
2021-08-07 11:14:13
幼いながらに記憶していた「月光仮面」の川内康範が、忽然と「おふくろさん騒動」に現れて戸惑いました。

森進一の代表歌を封印できるかを見守ると、日本音楽著作権協会(JASRAC)は、次のように判断しました。
作詞・作曲・編曲は著作権法による保護の対象となるが、歌手には著作隣接権(オリジナルバージョンについてはそのまゝ歌える)を有する。

川内康範は、熱心な「森進一の後見人」であったらしく、詩人としてのこだわりがこじれて残念なことになりました。
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