カクレマショウ

やっぴBLOG

「雑貨展」

2016-06-08 | ■美術/博物
六本木の東京ミッドタウン・ガーデンの一角に、21_21 DESIGN SIGHTという小さな美術館があって、そこで「雑貨展」という展覧会を開催中です。   様々なアーティストが思い思いのコンセプトで集めた雑貨は、見ているだけでわくわくしてきます。これでもかというくらい積み込んだ行商の車。世界中で集めてきた木製品の雑貨。日本の昔ながらの道具が雑多に置かれた机。あえて「バッドデザイン」にこだわった . . . 本文を読む

田中忠三郎さんの「物には心がある」

2016-04-18 | ■美術/博物
3年前に79歳で亡くなられた田中忠三郎さんの『物には心がある。─消えゆく生活道具と作り手の思いに魅せられた人生』(アミューズエデュテインメント)を読んで、改めて田中忠三郎という人のすごさを知りました。 ちょうど、忠三郎さんが青森市稽古館の館長を務められていた頃でしょうか、当時私が勤務していた青森県総合社会教育センター主催の「あすなろ尚学院」という高齢者向けの講座で、忠三郎さんに民俗学の講師をお願 . . . 本文を読む

相馬365(ミムコ)展 in ヒロロ

2016-03-13 | ■美術/博物
相馬365(ミムコ)展 in ヒロロ。 弘前市地域おこし協力隊の方の事業です。モデルの「ミムコ」さんは、東京から移り住んだ女性らしいです。 相馬の何気ない光景と若い女性。という構図だけならどこにでもある写真かもですが、すごく効いていたのが、たとえば、「りんご? 私は梨のほうが好き」みたいな、諧謔的なコピーです。美しい田園風景かもしれないけど、私は何とも思わない。とか。キッパリ(^_^*) . . . 本文を読む

村上隆の五百羅漢図展

2016-02-09 | ■美術/博物
森美術館で開催中の「村上隆の五百羅漢図展」。「五百羅漢」とは、釈迦の教えを広め、煩悩を追い払い、衆生を救済するためにこの世にとどまっている500人の聖人のこと。江戸時代の絵師、狩野一信の「五百羅漢図」をモチーフとし、中国の古代思想で東西南北を司る四神(青竜、白虎、朱雀、玄武)の名を冠した4面の巨大壁画。25m×4幅で全長100メートルにも及ぶ。     . . . 本文を読む

「アルバムのチカラ」

2015-06-13 | ■美術/博物
「アルバムのチカラ」。写真集「浅田家」で知られる浅田政志さんの写真展をはっちでやってます。 大震災の時、津波に流された家族のアルバムとか写真をきれいに洗浄して持ち主に返す活動をしていた人たちがいました。浅田さんは2年間にわたって、彼/彼女らを取材し、写真に収めていました。     家財道具のほとんどを津波に流されても、自分や家族の写真を見つけた時の喜びはとても大きかったそうです。簡単に「分か . . . 本文を読む

「100のモノが語る世界の歴史」─東京都美術館

2015-05-26 | ■美術/博物
帰りの新幹線まで時間が空いたので、東京都美術館で開催中の「大英博物館展」駆け足で見て参りました! 「100のモノが語る世界の歴史」というサブタイトルどおり、古代から現代まで、大英博物館の収蔵品で歴史をたどっていくという趣向。それぞれの展示物に付けられたキャッチコピーが秀逸で、こんな感じで歴史を教えたら楽しいだろうなーと思いました。 たとえば、ガンダーラの仏像には「人の姿になったブッダ」というコ . . . 本文を読む

「インドの仏」展(東京国立博物館)

2015-04-11 | ■美術/博物
インドのイム。ではなくて、「インドの仏」展(東京国立博物館)。このロゴ、手塚治虫風ですね。これは絶対、手塚治虫の名作「ブッダ」を意識してるね(*^_^*) 2世紀頃のクシャーナ朝の時代の石仏に始まり、10世紀パーリ朝時代まで、歴史を遡ると、その時代時代で当然のことながら仏像の作り方が変化していることが一目瞭然です。ギリシア・ローマ文化の影響を受けたクシャーナ朝時代の仏像(ガンダーラ様式)は、 . . . 本文を読む

「資料」を「アート」にして、見せる。

2015-03-15 | ■美術/博物
子どもたちが昔使っていた木製の学習机の上に置かれたナタ。あるいはノコギリ。または〈山の神〉。この組み合わせはシュールだ。      「古いもの」はそれだけで価値があるから、博物館で「資料」としてきちんと保存されます。あとは、見せ方さえ工夫すれば「アート」になるってことか。「アート」だから、もちろん賛否両論あるでしょう。でも、それだけじっくり見てもらえたら「資料」自 . . . 本文を読む

「ここより北へ 奈良美智+石川直樹展」─もっと北を見てみたくなった。

2015-01-27 | ■美術/博物
日本の「中心」であった(ある)奈良や京都、東京から見たら、青森や北海道は、そりゃ確かに「北の果て」、「どんづまり」かもしれない。でも、青森や北海道から見たら、そっちの方が「南の果て」かもしれない。どこに起点を置くか、どこに視点を据えるかによって見方は全然違う。大事なのは、「両方の立場」から物事を見る、ということでしょうか。 ワタリウム美術館で開催されている「ここより北へ」は、弘前出身の奈良美智氏 . . . 本文を読む

「石の世界と宮沢賢治」──見事な融合!

2014-06-10 | ■美術/博物
国立科学博物館で開催中の企画展「石の世界と宮沢賢治」、興味深く見てきました。  宮沢賢治は、童話作家・詩人である前に、まず「地質学者」であったことを改めて確認できました。彼が地質学を学んだ盛岡高等農林学校は、今で言うところの理学部地質学教室に近い性格を持っていたようです。幼い頃からいろいろな石を集めるのが好きだった「石っこ賢さん」は、ここで本格的に地質学に目覚め、盛岡や花巻周辺での詳細 . . . 本文を読む

バルテュス!

2014-05-01 | ■美術/博物
東京都美術館で開催中の「バルテュス展」。 なんでも、ピカソをして「20世紀最後の巨匠」と言わしめたという画家バルテュス(1908-2001)。少女を描いた作品が多いことから、「称賛と誤解の」とか「スキャンダラスな」などというセンセーショナルな形容詞がキャッチとして用いられていますが、こうして彼の作品をひと通り鑑賞してみると、彼の画家としての類まれな才能と、それを裏打ちするかのような彼自身の「厳し . . . 本文を読む

横尾忠則の「昭和NIPPON」-反復・連鎖・転移

2013-11-04 | ■美術/博物
横尾忠則の「昭和NIPPON」-反復・連鎖・転移、青森県立美術館で最終日に滑り込みセーフで見てきました。 横尾忠則といえば、天井桟敷のポスターや芸能人の似顔絵などポップなイラストがすっと頭に浮かぶんですが(あ、「寺内貫太郎一家」の「倉田さん」役というのも衝撃的だった!)、元をたどれば、実はちゃんとした(!)油絵画家なんです。そういう作品にお目にかかれる機会は滅多にないので、この企画展はとても印象 . . . 本文を読む

アール・ブリュット・ジャポネ展を見た。

2012-08-24 | ■美術/博物
岩手県立美術館で開催中の「アール・ブリュット・ジャポネ展」。 芸術は、社会の動きと無関係ではいられないもの、とずっと信じていました。古代から現代アートに至るまで、あらゆるアーティストのあらゆる作品は、その時代の社会のありようや風潮に何らかの影響を受けているものと。あるいは、他のアーティストの影響を受けることは珍しくなかっただろうし、場合によっては「金」のために作品を描くこともあったでしょう。芸術 . . . 本文を読む

「淺井裕介個展 八百万(やおよろず)の物語 ~強く生きる 繰り返す~」

2012-06-11 | ■美術/博物
国際芸術センター青森で開催されている「淺井裕介個展 八百万(やおよろず)の物語 ~強く生きる 繰り返す~」(2012年4月28日~6月24日)。 チラシに描かれているのは、淺井裕介が2月にインドの聖地ブッダガヤで描いたという「泥絵」です。「泥絵」は、現地で採集した土、藁灰、牛の糞、レンガの粉などを水で溶いたものを画材として、壁や天井に直接描くもの。今回、彼が用いるこの独特の手法で、県内各地で . . . 本文を読む

「今和次郎 採集講義」―考現学の始まり

2012-01-09 | ■美術/博物
もう1カ月も前に終了した展覧会の話で恐縮ですが、青森県立美術館で開催されていた企画展「今和次郎 採集講義」、地味だけど、とても興味深いものがありました。展示をつらつら眺めていて、これって、「ホリイのずんずん調査じゃん!」と思いました。つい最近まで11年間にわたり「週刊文春」に連載していた「ホリイのずんずん調査」。コラムニストの堀井憲一郎氏が「気が遠くなるほどの無意味」(笑)なことを独自に調べ上げる . . . 本文を読む