寺山修司は、「体験と実感は違うよ。実感というのは体験から来る実感もあればそうでない実感もあるんだよ」というようなことを友人に話していたらしい。「体験以外の実感」とはどんなものか。浦山というその友人の問いに寺山はこんなふうに答えたという。
「浦ちゃんはまだ19歳で19回しか夏の体験がないだろう。だけど、ボクの体験は、たとえば映画の『太陽がいっぱい』の夏もあるし、何かの本で読んだ夏もある。だからボク . . . 本文を読む
四川大地震では、各地で大規模な土砂崩れが発生し、川がせき止められていくつもの「地震湖」が形成されているといいます。自然の圧倒的なパワーをつくづく感じます。「山をも揺るがす」というのは決して比喩の世界だけでなく、実際にそういうことが起こるのが恐ろしくもあります。
青森県にも、300年ほど前の大地震でできたと言われている湖沼群があります。世界遺産・白神山地の一角にひっそりとたたずむ十二湖です。その名 . . . 本文を読む
「蟹工船」はまる若者、という新聞記事(2008年5月13日付け朝日新聞)に思わず引きつけられました。
小林多喜二の『蟹工船』。1929年、昭和の初期に書かれたこの作品は、「プロレタリア文学」の代表作と言われます。「プロレタリア文学」なんてもうとっくに過去の遺物かと思っていましたが、ところがどっこい、この作品は今でも立派に若い世代の心をとらえるらしい。
「おい、地獄さ行(え)ぐんだで!」という有 . . . 本文を読む
中国・四川大地震の被害の甚大さ、そして犠牲者・行方不明者の多さには目を背けたくなる思いがします。とりわけショッキングなのは、学校が崩壊した例がきわめて多いということ。しかも、その原因はどうやら「おから工事」(手抜き工事)にあるらしいというニュースを知り、これは「人災」だと叫ぶテレビのコメンテーターの言葉に、珍しくうなずきたくもなります。
なぜ手抜きが行われるか。建築費用が最初から足りないわけでは . . . 本文を読む
SAINT-JACQUES... LA MECQUE
2005年/フランス/112分
監督・脚本 コリーヌ・セロー
製作 シャルル・ガッソ
出演 ミュリエル・ロバン/クララ アルチュス・ドゥ・パンゲルン/ピエール ジャン=ピエール・ダルッサン/クロード マリー・ビュネル/マチルド
8世紀、現在のスペインのあるイベリア半島に、北アフリカからイスラム教徒が攻め入って来ました。彼らは瞬く間に半島 . . . 本文を読む
八戸大学の講師と市民団体「中学生の通学用リュックの影響を考える会」が、共同でおもしろい調査をしたようです(2008年5月4日付けデーリー東北)。青森県南の6市町村の中学生300名とその保護者を対象とした、通学用のリュックに関する調査です。
それによると、「リュックが重いと感じるか」という問いに、「非常に思う」(30.8%)、「かなり思う」(19.0%)、「どちらかというと思う」(25.5%)と、 . . . 本文を読む
寺山修司の代表的戯曲の一つ「毛皮のマリー」は、1967年、「天井桟敷」の第3回公演として上演された作品です。主演は美輪明宏。美術に横尾忠則、衣裳はコシノジュンコという、当時を彩るそうそうたるスタッフが名を連ねています。
もともと寺山はこの作品を、美輪明宏を念頭に置いて書いたというだけに、確かに、美輪だけにしか演じられないだろうなと思う部分があります。あるいは、彼にしか言えないだろうと思われるセリ . . . 本文を読む
4年ほど前から、及ばずながら担当させてもらっている地元の短期大学での講義。今年度の授業も今日から始まりました。
今年はこれまでと違う科目を受け持つことになり、しかも履修者が90名近くいるので、結構なプレッシャーを感じています。でも、私は研究者でもないし、自分の仕事上の経験を生かした授業しかできないと割り切ってやるしかありません。何よりも、こういう機会を与えてもらって、自分の勉強にもなるし、たまに . . . 本文を読む
知り合いの娘さんは、小学校でずっと陸上をやってきて、この春入学した中学校でも陸上部に入ることを楽しみにしていました。ところが、入学式の日、思いも寄らない事態が。なんと、この春で陸上部の新入生は入れないことにしたと学校から知らされたのだとか。つまり、現2年生が卒業したら陸上部は廃止するということです。陸上部だけでなく、いくつかの部活動も同じ憂き目にあっているそうです。
この問題は、「中学校の部活動 . . . 本文を読む
THE QUEEN
2006年/英・仏・イタリア/104分
監督 スティーヴン・フリアーズ
脚本 ピーター・モーガン
出演 ヘレン・ミレン/エリザベス女王 マイケル・シーン/トニー・ブレア ジェームズ・クロムウェル/フィリップ殿下 シルヴィア・シムズ/クィーン・マザー(皇太后) アレックス・ジェニングス/チャールズ皇太子
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今日は地域のねぶた会で、ねぶた小屋の小屋掛けをしました。
この場所で、今年も地域ねぶた(子どもねぶた)が組み立てられていきます。冬の間雪に埋もれていた小屋に、春の柔らかな風が吹き込みました。
こちらは「前ねぶた」の製作小屋(兼・宴会場)。去年の前ねぶたは、三内丸山遺跡でしたが、さて今年は…? この前の総会では、前ねぶたとは別に、「アンパンマン」のキャラクターねぶたをそれぞれ作って、当日それ . . . 本文を読む
「川でおぼれている子どもを助けた」とか「道で具合が悪くなって倒れた人を介抱して病院に連れて行った」とか、青森では「屋根から落ちてきた雪に埋もれているお年寄りを助けた」とか、子どもたちが「善行」をして警察から感謝状をもらったという記事が、よく地元新聞の「地方版」なんかに載ります。彼ら/彼女らは、ある日昼休みに校長室に呼び出されて、警察の人から感謝状をもらう。
そういう状況に遭遇して、ほっとく方こそ . . . 本文を読む
青森県三戸町の三戸中央病院に、この春から小児科の専門医の方が非常勤医師として勤務しています。森彪(たけし)さん、78歳。埼玉県立小児医療センター名誉総長を務めるなど、小児科医として豊富な経験を持つ方です。森さんが勤務するのは、週3日。月曜日の朝の新幹線に乗って昼過ぎに病院に着き、午後から診療。水曜日の午後に帰京するのだそうです。木、金は弘前大学から別の小児科医が来るので、毎日、小児科の専門医がいる . . . 本文を読む