6年ほど前に上田紀行氏の講演を聴いたときから、「つながり」と「しがらみ」という言葉がずっと気になっていました。
上田氏の著書『覚醒のネットワーク』(1989年、カタツムリ社)は、スリランカの悪魔払いの話から始まるのですが、スリランカでは孤独な人に「悪魔のまなざしが来る」と信じられているのだそうです。お互いにまなざし合っている時には悪魔はこないけれど、その暖かい輪から外れてしまうと途端に悪魔がやっ . . . 本文を読む
アテネオリンピックが終わりました。
金メダル16個は東京五輪と並び、メダル総数37個は史上最高だとか。結果をきちんと残せた選手の皆さんには心から拍手を送りたいと思います。オリンピックは、アスリートたちにとって最高の晴れ舞台であり、競技スポーツの粋を集めた大会ですが、今回の好結果は日本の「競技スポーツ」の強化対策が功を奏したとも言えると思います。
その一方で、スポーツには「生涯スポーツ」という領 . . . 本文を読む
「ガイシャの右手は何を意味しているんだろう?」
「何かを指し示しているようにも見えますぞ」
「あ、警部、お待ちしておりました」
「おっほん。わしが来たからには事件はすぐ解決じゃー」 . . . 本文を読む
東京にいた頃、思い立ってカヌー教室に1日だけ参加したことがありました。
まずはカヌーへの乗り込み方。
下半身がすっぽりと船体の中に収まって、なんだか「乗る」というよりも、船と一体化するような感覚が不思議な感じでした。
それからパドルの使い方を教えてもらっていざ着水。最初はなかなかまっすぐに進んでくれずに難儀しましたが、なんとか制御するコツを覚え、しばし川面から見る景色を楽しむことができました . . . 本文を読む
平泉に行ってきました。
中尊寺、毛越寺をはじめとする特別史跡や国宝中尊寺金色堂、その他の重要文化財をひっくるめて、現在、国の世界遺産暫定リストに登載され、平成20年の世界遺産登録を目指しているとか。
中尊寺金色堂は何度も見ているせいかそれほど感激はなかったものの、芭蕉の句碑を見て、「五月雨や降りのこしてや光堂」という句に改めて心ひかれるものを感じました。
駐車場のどでかい看板にこの句の英訳が載 . . . 本文を読む
女子レスリングの4人。
まさに四人四様のふりかえり。
銀メダルをとったAさんは最後までむっつり顔。
銅メダルのBさんは「金メダルより大切なものをもらいました」と笑顔で名セリフをキメる。金メダルの2人はもちろん笑顔だが、Aさんに気を遣う様子がテレビを通しても伝わってくる。
身近でも見られそうな人間模様。 . . . 本文を読む
1988年第24回ソウル大会の開会式。
一人の老人が聖火を掲げて競技場に入ってきました。彼はまるで飛び跳ねるようにして笑顔でトラックを半周すると、待ちかまえていた男女の若者2人にトーチを手渡しました。
彼の名は孫基禎(ソン・キジュン)。朝鮮民族として初めて金メダルを獲得した英雄もすでに76歳になっていました。ソンの金メダルは苦しいトレーニングの成果といった苦労とは全く別の次元で苦難に満ちあふれ . . . 本文を読む
オリンピック開会式のメインイベントは何と言っても聖火点火です。今回のアテネ五輪でも、あのずいぶん凝った造りの聖火台に火が灯された瞬間に、様々なドラマへの期待をふくらませてくれました。
そして、いつもマル秘中のマル秘とされるのが、最終聖火ランナーが誰かということ。今回は、よくわからない「3人の最終ランナー」でしたが、これまでの歴代最終ランナーには、様々な思いや背景が秘められています。
アベベがマ . . . 本文を読む
男A「逃がすなよ!」
男B「そんなこと言ったって、木に登るなんて…」
男C「あ、もっと上、上!」
男B「そんなこと言ったって、届かないんだよ~」
・・・・・・・
運び屋「どうでもいいけど早く捕まえてくれよ。」 . . . 本文を読む
第17回ローマ大会のマラソンコースは、古代ローマ時代に造られたアッピア街道を走り、コンスタンティヌス帝の凱旋門をゴールとする42.195kmでした。
1960年9月10日、日はすっかり暮れ、たいまつの灯りのみが頼りとなったそのマラソンコースで2人のランナーがデッドヒートを演じていました。残り1.6km過ぎからスパートした選手がそのままトップでゴールしました。記録は2時間15分16秒2。当時として . . . 本文を読む
岸壁に腰掛けて糸を垂らす。
海風が快適に頬をなでていく。
水平線に消えていくフェリーを見つめました。
そういえば、水平線までの距離ってたかだか5km程度だということを何かで読んで驚いたことがあります。
海は広いけど地球も大きいのです。
サカナはなかなか釣れない。
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警官「オイ、そこのチャリンコ、止まれ~」
暴走族A「やばい、取り締まりだ」
暴走族B「そういえば、さっきカエルが気をつけろっぴーって言ってたわ」
暴走族C「このまま突っ走るしかないわね!」
・・・・・・・・・・
登山客「あいつら、ここまで自転車で登ってきたのか!」 . . . 本文を読む
マラソンの距離42.195kmは、なぜこんなに中途半端な数字なのでしょうか。
ちなみにマイルに換算してみても、26.22436マイルとこちらも切りのいい数字ではありません。じゃきっと、例の古代の「マラトン」にまつわる故事に由来しているのかと思いますが、どうもそうでもないらしい。
マラトンにまつわる故事というのは、古代のペルシア戦争の際の話です。紀元前490年、エーゲ海をはさんでギリシア世界と対 . . . 本文を読む
戦争による中断を経て、オリンピックが復活したのは1948年の第14回ロンドン大会からです。
折しも東西冷戦が始まり、オリンピックも否応なくそんな政治の波に乗らざるを得なくなります。東西両陣営は、オリンピックでより多くのメダルを獲得するため、選手強化にしのぎを削りました。オリンピックは、国力を誇示する絶好のチャンスとなっていくのです。これでは「ヒトラーの五輪」と同じですね。
オリンピックはあから . . . 本文を読む
今朝の体操男子、テレビで見ていて久しぶりに鳥肌が立ちました。
オリンピックの話◆第4話 体操ニッポンのモントリオールの時とほとんど状況が似ていました。
僅差で最後の種目を迎え、しかも種目は鉄棒、相手がプレッシャーからミスを連発する中で、日本は「いつもどおり」の演技で見事金メダルを勝ち取りました。最後の演技者富田選手が着地を決めた瞬間に、勝利を確信した選手、観客、そしてテレビの前の僕たちも歓喜の . . . 本文を読む