カクレマショウ

やっぴBLOG

カール・ルイスとルイス・キャロルの関係─人名に見る世界史(10)

2006-06-24 | └人名に見る世界史
現在の英国王室のチャールズ皇太子、ウィリアム王子、ヘンリー王子といった名前は、伝統的な名前として長い歴史を持ちます。これらの名前は、前回書いたような聖書や聖人の名前に由来するものではなく、もともとは北方ゲルマン系のノルマン人の名前でした。今回は、このようなゲルマン人に由来する名前をたどっていきます。 ゲルマン人は、4世紀末に「大移動」を始め、ローマ帝国領内に深く侵入します。そして最終的に到達した土 . . . 本文を読む

みんな聖書に出てくる名前。─人名に見る世界史(9)

2006-06-20 | └人名に見る世界史
前回に引き続き、キリスト教の洗礼名について。 ポールPaulという名前も、ヨーロッパでは伝統的な名前の一つとして長く受け継がれてきました。歌手のポール・アンカ、俳優のポール・ニューマン、ビートルズのポール・マッカートニー、サイモン&ガーファンクルのポール・サイモンなど、20世紀の有名人にもたくさん見られます。この名前もまた聖書に登場する重要人物の名に因んでいます。 前回紹介した聖ステパノが石で . . . 本文を読む

ジョン!─人名に見る世界史(8)

2006-06-15 | └人名に見る世界史
レオナルド・ダ・ヴィンチの壁画「最後の晩餐」に描かれた12人の使徒。彼らの名前は、洗礼名として現代に受け継がれています。 まずは彼らのリーダー的存在だったペテロPetero。彼はガリラヤの漁師で、本名は「シモン」なのですが、イエスが彼を指して「私はこの岩の上に私の教会を建てる」(マタイの福音書)と言ったことから「ケファ」(アラム語で「岩」の意味)と呼ばれるようになり、のちにそのギリシア語訳である . . . 本文を読む

日本と英国の人名ベスト10比較─人名に見る世界史(7)

2006-06-11 | └人名に見る世界史
これまで『人名の世界史』及び『人名の世界地図』をもとに、世界の「姓」について記してきましたが、引き続き「名」の方を見ていきたいと思います。 子どもが生まれて親が最初にやらなければならない大仕事が「名前をつけること」です。そこには、いろんな思いや意味が込められています。同じ名前の人でも、その名前がつけられた理由はそれぞれに違うでしょう。そういう意味では、自分という人間が世界でたった一人しかいないよ . . . 本文を読む

「迫害」の証としての姓─人名に見る世界史(6)

2006-06-05 | └人名に見る世界史
『人名の世界地図』(21世紀研究会編、文春新書)には、「名前でも迫害されたユダヤ人」という章が立てられています。『人名の世界史』(辻原康夫、平凡社新書)でも、「ヨーロッパ人の姓」という章でユダヤ人の姓について詳しくその歴史と特徴が書かれています。今回は、「流浪の民」ユダヤ人の姓についてまとめてみたいと思います。 ユダヤ人って、つくづく不思議な民族だと思います。国が滅ぶと民族も同時に「消滅」するこ . . . 本文を読む

家名を重んじる国─人名に見る世界史(5)

2006-06-02 | └人名に見る世界史
韓国は先祖を重んじる儒教の国。だから先祖から受け継がれた家名は何よりも大切です。「韓国人は絶対に守らなければならない約束をするときには、「破れば姓を変える」といって誓う」(『人名の世界地図』)のだそうですが、韓国の人がいかに姓つまり家名を大切にしていることがうかがわれます。 それほど大切な姓ですから、むやみやたらと新しい姓を名乗ったりする歴史は韓国にはありません。2000年の韓国統計庁の調査によ . . . 本文を読む

世界で最も多くの姓を持つ国─人名に見る世界史(4)

2006-05-28 | └人名に見る世界史
世界で一番「姓」の数が多い国はどこでしょう? 日本も約30万と言われていて、多いのは確かですが、一番多いのは米国なのだそうです。なんと160万種類もの姓があるのだとか(『人名の世界史』)。さすが人種のるつぼ。サラダボウル。米国は世界からの移民で成り立っている国ですから、極端に言えば、世界の国の数だけ名字があるということになります。そう考えれば、160万という数字もうなずけます。 ちなみに、『人 . . . 本文を読む

「レオナルド・ダ・ヴィンチ」という名前─人名に見る世界史(3)

2006-05-21 | └人名に見る世界史
ここ1週間ばかり、やけにアクセス数が増えているなと思ったら、昨日映画が公開された「ダ・ヴィンチコード」関連記事へのアクセスが急増していたのでした。特に「最後の晩餐の謎」へのアクセスがダントツに多くなっています。関連本の発刊ラッシュ、カンヌ映画祭での世界初上映など、公開前からいろいろ話題には事欠かない映画ですが、あまり過度の期待を持たないようにしつつ、早いとこ見に行きたいと思っています。 さて、こ . . . 本文を読む

パトロニミックの世界─人名に見る世界史(2)

2006-05-20 | └人名に見る世界史
『人名の世界史』では、副題に「由来を知れば文化がわかる」とあるように、世界の様々な人名の由来を解き明かしてくれます。アフリカ編、エチオピアの人名について、こんなことが書いてありました。 アトランタ五輪女子マラソンの優勝者をロバ選手と記すのは、名・姓の記載順による明らかな思い込みが招いた誤解である。彼女のフルネームはファツマ・ロバ(Fatuma Roba)だが、アラビア語で、「慎み深い」を意味する . . . 本文を読む

「姓─名」か「名─姓」か。─人名に見る世界史(1)

2006-05-10 | └人名に見る世界史
ローマ字で自分の名前を書く時は、姓と名をひっくり返して、名─姓の順で書くんだよ、と小学校の頃教えられて、ふ~んと思って、なんかカッコイイと思ったりなんかもして、そうするのが当然だと思ってきました。パスポートのローマ字表記ももちろん名─姓の表記になってます。 でも、大人になってから、あえてローマ字表記でも姓─名の順番で書くようになりました。だって、なんかヘンですよね。自分の名前は姓─名で一つの固有 . . . 本文を読む