yamaの読書日記

 活字中毒のyamaが日々手にしている本のお話を綴っています。
 読んだ本についていろいろお話しませんか?

秋月記

2014-12-14 23:12:26 | 時代小説
葉室麟さんの「秋月記」を読み終わりました。

筑前の小藩・秋月藩で専横を極める家老への不満が高まっていた。間小四郎は志を同じくする仲間も藩士たちと共に糾弾に立ち上がり、本藩・福岡藩の援助を得てその排除に成功するが・・・

読み始めるとついつい藤沢周平さんの文章かと間違いそうになるほどに藤沢周平さんを彷彿とさせます。ただ、この本では、勧善懲悪と言った感じがなく、主人公であるはずの間小四郎は清濁併せ呑むことを厭わない人物に描かれていて・・・しかしその心の奥深くには”わが身を挺しても”と言う私を滅してもという心が隠れていた。
自分に勇気がなかったために妹が死んでしまったという深い後悔で自分を奮い立たせてきた小四郎の心が切なく哀しく・・・果し合いに一人で挑もうとするその心に思わず涙してしまいました。

捨石nなる決意をした男の凄まじき生き方です。
コメント
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