疎らに生えた大根
待望の雨が降った土曜日(12日),発芽しなかったキャベツとハクサイの苗を買うために大急ぎで種苗屋さんに向かい、1株45円の苗を100株仕入れて雨の中,植えつける。
ついでにダイコンの種を買ってダメ元で播種。55日系のものは発芽してくれればまだ間に合うかもしれない。干し理想は75日系なので無理なのは明らかなのだが11月下旬まで置いてみたい。
発芽しなかったのはどこも同じでみんな雨を待っていたらしい。と言うことは種苗屋さんにとっても恵みの雨だったと言うことで、在庫の苗が一気に出たと恵比須顔だった。
12日だけは終日降った雨だが、その後はピーカン続きで当分は水遣りが欠かせない。祈る気持ちで青い芽吹きを待つ日々である。
水のない山畑でなけなしの水をくれていると、昔(中学生の頃)見た『裸の島』(監督新藤兼人)と言う映画のあるシーンを思い出す。
渚から山のてっぺんまで耕された瀬戸内の小さな孤島に住む殿山泰司と乙羽信子の夫婦。水のない島に近くの大きな島から伝馬船で水を運んで野菜に潅水する日常の繰り返しの中で、ある日,乙羽が転んでタゴ(桶)の水をひっくり返したのを殿山が殴りつけるシーンだ。
暗くて重苦しい映画で、セリフはなく全編を流れる物哀しい音楽とそのシーン,そして長男の死の後、狂乱して作物を抜き大地にたたきつける乙羽を黙って見つめる殿山の顔が鮮明に浮かんでくる。
逞しく育っているのは7月19日播種のブロッコリー。