遊びと学び,創造の基地・山のあしおと小学校

冒険,遊び,仕事,学習,生活全般を学ぶ、子ども達のための私設小学校

一筋の足跡・・・雪の街道・峠越え・3

2008-02-18 16:25:50 | 山のあしおと小学校
 
 聖湖の東端から国道が下り始める辺りの左手に広場があり、そこから桑原宿方面に向かう幅広のしっかりした林道がある。これが現在の善光寺街道で、もちろん冬期は閉鎖されて歩く人はいない。
 国道の除雪で道路脇に出来た雪壁を乗り越えて広場を通り抜けた所でデポしたスキーを履いて歩き始める。
 新たな雪が積もってはいるが、下見の時に歩いた自分のトレースがはっきり残っていて歩きやすい。全コース下りで滑りすぎるのが怖かったが、この日は適度にフリクションが効いて歩きやすく、また滑りたいところではゆっくり滑って思うように止まることが出来たので快ピッチで進み、念仏石,馬塚と進んで12:55に火打ち茶屋跡に着く。気温は-5℃だが歩いている限りは寒さを感じない。

 お仙の茶屋でソバおにぎりを食べたせいか腹が減らず、みかんと温かいココアを口にしただけで15分休んで出発。
 そこから先は未踏査の道だが、左右に1筋づつ獣の足跡らしいくぼみがあって、それがちょうど車の轍のような間隔をもってどこまでも続いていた。そのくぼみを辿るとスキーの沈みが小さいのは、獣達が同じ所を何度も歩いているからと思われた。彼らもまた歩きやすい所を選んで歩いているのだろう・・。

 足跡を追って歩いたり滑ったりしながら小気味よく下って15分で一里塚に着く。一里塚は林道を下に10mほど降りた所にあって古墳のように土を円く盛り上げてあり、見学しやすいように道を取り付ける工事が行われているところ。
 そこに車が入って来て引き返している本物の轍の跡があった。峠からは3km近く下っていて雪の量も少なくなり、時折ストックの先が直接アスファルトに当たるようになる。

 雪が少なくなったのと轍が邪魔したり滑りやすくなっていたりで歩きにくくなる。滑るかと思えば止まり、止まるかと思うと急に滑り出したりで度々転倒しながら10分(13:30)でのぞきに着く。
 かつてはこの場所から中原沖や集落はもとより,遠くは川中島平まで遠望することが出来たところから『のぞき』と呼ばれるようになったと言われる。また、簡単な望遠鏡が据えつけられていて視野の中に善光寺本堂をピタリと捉えていたとも言う。

 善光寺街道はここから中原を経て桑原宿に向かう。桑原宿までは3.1kmで、姨捨駅(3.7km)よりは近いのだが、そこまで行くと最寄り駅は稲荷山駅となり、市街地をさらに3kmばかり歩かなければならないので、当初の予定通り姨捨駅に向かうことにして山の神林道に入る。

湖 ふく風に 抗わず・・・雪の街道・峠越え・2

2008-02-18 11:23:42 | 山のあしおと小学校
 
 白蝶乃 湖吹く風に抗わず/本家・お仙茶屋
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 急峻な聖高原につけられた国道403号はうねうねと大きく蛇行して登って行くが、街道はそれを突っ切るようにまっすぐ上に向かっている。
 茶店のすぐ上で国道を横切り、さらにもう1度横切って本来のお仙茶屋跡にさしかかると雪が一段と深くなる。スキーは峠でなく、茶店に置かせてもらうくらいでよかったかもしれないと思った。


 20分で茶屋跡に着く。芭蕉に因んで御影石に刻まれた句の中の『白蝶乃~』が目に止まった。安西冬衛の『てふてふが一匹 韃靼海峡を渡って行った』の詩を彷彿させる気がした。

 茶屋跡から峠までは距離はわずかだが、このコース最大の斜度で雪も膝ほどの深さになり、ツボ足にはちょっと厳しかった。スノーシューに先行してもらって後を追い、12:00に峠下の国道に出る。さらに5分歩いて聖湖のそばのあずま屋で前半終了となり、スキー靴に履き替えて後半に備える。

 湖水は全面結氷しているらしく、その上に雪が積もって何も見えないが、雪を纏った対岸のカラマツが美しい。