東京都の小池知事は無電柱化を推進している。私が住む墨田区の堤通りでも、工事の真っ最中である。元々、この堤通りは車道の広さに比べて、歩道は貧弱だ。そこに電柱もある。自転車と歩行者が譲り合って、やっと通ることができるひどさである。無電柱化の目的を小池知事は電線や通信線などのケーブルを地中に埋設し、電柱を道路から撤去することで、災害時に電柱の倒れる危険がなくなるだけでなく、歩道が広くなり、景観も向上すると述べている。堤通りの現状は工事中なので、電柱はあるし、工事で、狭い道はさらに狭いし、道路はデコボコで、大変なのであるが、最終的な姿が想像できるところまで、工事は進んでいる。ただ、小池知事ではなくても、このような都市の美化を図る計画は、どうしても、都市部が中心になる。2020年には東京オリンピックが開催されるので、さらに、観光客が集まる場所に予算をつぎ込む。こうして、中央区などはどんどんきれいになっていくのだが、取り残された地域には、昔ながらの町の風景が電柱に取り付けられた電灯の明かりの中に浮かび上がる。(2017.09.05)
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