産業と言うのは、その経済的な価値ばかりで、発展するのではない。気候が重要なフアクターとなるのである。例えば、自動車の排ガス規制だが、ヨーロッパでは、緯度た高いので、太陽の影響を受ける光化学スモッグなどは出にくい。しかし、太陽の光が強い日本やアメリカでは、光化学スモッグ対策として、窒素酸化物（ＮＯｘ）規制が強まります。日本では平成4年に自動車ＮＯｘ法が制定されます。一方、ヨーロッパではＮＯｘは身近な問題ではありません。だから、法律的には緩いのです。そのような風土で造られる自動車では、会社自体の考えも甘くなります。ＶＷ社の排ガス不正問題は、このような背景から起こります。ヨーロッパでは問題にならなくても、アメリカでは大問題になるのです。一方、ヨーロッパの関心はもっぱら、温暖化です。近くに北極を控える場所ですから、その氷が年々、減少していくことには敏感です。こうして、ヨーロッパの関心はもっぱらＣＯ２削減になります。しかし、アメリカはそうではありません。その結果、アメリカの態度は京都議定書やパリ協定への関心の低さになって、あらわれます。(2017.09.12)
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