昨日の昼、北朝鮮が核実験を強行した。核実験をレッドラインと考えてきた中国やロシアにも、影響を与えそうである。で、この危機に、安全通貨と言われる円が買われた。おかしいではないかと先日、申し上げた。いかに、外貨準備率が高い円と言えども、日本の隣で起こっている出来事である。アメリカの軍事的な出方によっては、日本にも、火の粉は降る。地政学的な立場では、絶対に、円は安全通貨ではないのである。で、それを説明してくれるコラムがあった。現在の世界的なフアンドの動きは、為替が大きな比重を占める。為替の特徴は何といっても、24時間、どこかで動かせることだ。しかも、世界の国々の間では、利回りが大きく違う。日本の長期債利回りは8月末時点では0.01％。米長期債利回りは2.12％。ドイツやユーロの長期債利回りは0.35％。資源国通貨では、ブラジル10％、南ア7％、トルコ8％などが高利回り通貨だ。だから、金利の低い日本で、資金を借り、金利の高いブラジルなどで運用すれば、利ザヤが稼げる。これを円キャリートレードと言う。このフアンドの動きが平和時に大規模に膨らんでいたのだ。そして、今回のような地政学的なリスクが高まると、多くのフアンドは逆の動きをして、資産の安全を図る。つまり円買いである。(2017.09.04)
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