被災地の復興プランは生活基盤の早期回復と津波からの安全性という、実は矛盾する課題に直面しているようだ。ひとつはスピードの問題である。どちらを優先するかという問題でもある。生活基盤を海にしている多くの三陸の人たちにとって、早く、漁に出て、漁を開始する体制を作ることは急務だ。漁船の確保とその漁船の走る港の整備は当然として、市場も冷凍倉庫も、海に面してこそ、産業は活気つく。さらに言えば、その周りに人々が暮らすことこそ、本来の姿だ。しかし、行政は二の足を踏む。それでは、再び、津波が来れば、再び、大被害を被るからである。だから、せめて、住居だけでも、高台の地に移転しなければと頑張るのである。でも、私見であるが、その両立はもともと、無理なのである。海に糧を求める産業には、津波のリスクは常に付きまとうのである。ならば、津波が来たときには、絶対に防げないことを前提に、いかに、その被害を少なくし、最低限、人命だけは守るという思想を持って、整備を進めるのが必要だと感じる。早く逃げることのできる道路や建物などを整備することのほうが地元の人たちの望みではないだろうか。そのために膨大な瓦礫を利用するのも知恵だし、何Kおきに今回の津波の高さを上回る建物を建てておくことも考え方のひとつだ。それが小学校でもよい。早く、工事を始めることだ。
Y-FP Office Japan
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