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音楽全般について 素人臭い能書きを垂れてます
プログレに特化した別館とツイートの転載もはじました

聖誕舞曲

2007年12月22日 20時44分47秒 | 台湾のあれこれ
 いつだか忘れたけれど、たぶん7,8年前に台湾に行った時に購入してきたカセット・テープである。私が訪台するのは何故か12月上旬になることが多いので、台北のショップにはクリスマス関連の商品が置かれていることが多く、おそらくどこかで見かけて「台湾産のクリスマス・ミュージックってどんな感じ?」ってなノリで、バカ安だったに違いないこのカセットを購入してきたのだろう。今、調べてみたらクリスマス・ミュージックこそこれだけだが、演歌系のテープは10本近くあったから、いろいろ買い込んでいたのである。ちなみに先の訪台の際、CDショップの数があまりに激減していたのは愕然としたことは既に書いた通りだけれど、こういったカセット・テープを媒体とした音楽商品もほぼ完全になくなっていた。当たり前といえば当たり前だが、さすが7年という年月の流れを感じさせた。たぶんショップの激減と時を同じくして、このメディアも駆逐されていったのだろうな(VCDはまだ生き残っているが)。

 さて、このアルバム、タイトルは「聖誕舞曲 -X`Mas Dance Songs-」とあり、この手の投げ売り商品らしく、アーティスト名はない。おそらく台湾のスタジオ・ミュージシャンによるやっつけ仕事で出来上がった商品だと思うが、内容的には大昔の音源らしく、ストリングスを中心としたオーケストラ・サウンドをベースにしつつ、ドラムスがほんのアクセント程度にしかバランスされていないサウンドが、いかにも時代を感じさせるからだ。また、よくわからいが、いくつかの音源をピックアップしているようで、イージーリスニング・オーケストラ風、ビッグバンド風、オールディーズ風、邦画のサントラ風とスタイルはいろいろだ。また、「ドレミの歌」とか「いとしのクレメンタイン」といった、日本だとクリスマス・ソングというにはちと苦しい曲も入っているのは、台湾というお国柄なのだろうか。ともあれ、仕上がりとしては、その泥臭さ、ある種の線の細さのようなものは、調度の日本のスタジオ・オーケストラによる映画音楽集を聴いているように、チープさがあって楽しい。ちなみに、台湾らしいといえば、一曲だけ、アイリッシュトラッド風な雰囲気の中、何故か日本の懐メロの一節が引用される曲があって、これはなかなか脱力物なおもしろさがあった。
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ホワイト・クリスマス/various artists

2007年12月22日 13時29分27秒 | JAZZ
 これもWeekend Classicsのシリーズの一枚。ただし、こちらはクラシック・ソースというよりは、登場するアーティストがマントヴァーニ、ロニー・アルドリッチ、フランク・チャックスフィールドの三者であることからも分かるとおり、イージー・リスニングとして分類されるべきソースを集めている。よくわからないけれど、イギリスではこういうのは広い意味でクラシックに分類されているだろうか。もっともこの三者は、50~60年代にデッカが擁していたアーティストだから、当然そうなるんだろう。あっそっか、ネルソン・リドルはキャピトル、ポール・モーリアはフィリップスで発売されていたけれど、ボストン・ポップスはクラシック扱いだったから、そういう扱いなのかもしれない。まぁ、どうでもいいことだな、そもそも三者の音楽も一律な訳ではないのだし....。

 収録曲はトラッドっぽい曲はあまりなく、クリスマス・スタンダーズと呼びたくなるようなポピュラー・ミュージックばかりが選ばれていて、私の大好きな「ハブ・ユアセルフ・ア・メリー・リトル・クリスマス」「ザ・クリスマス・ソング」もしっかり収められているのはうれしいところ。マントヴァーニは例のカスケーディング・ストリングスがこうしたクリスマス系の音楽によくあっていて、これを購入した20年くらい前の印象だと、いかにも古くさい音に聞こえたものだけれど、時代が巡った今聴くとストリングスの金ぴか感がけっこう新鮮だ。マントヴァーニはイタリア系の人だと思うが、このストリングスはまさにそうしたイタリア人のセンス故のものだと改め感じたりもした。一方、フランク・チャックスフィールドはこの三者の中では一番クラシックっぽく、出てくる音も穏健で当たり障りなく中庸という感じで、2台のピアノをフィーチャーする華麗なスタイルが売りだったロニー・アルドリッチはその調度中間といったところだろう。ちなみに私の好きな2曲はいずれもアルドリッチが演奏している。ともあれ、どれもアメリカ産のイージー・リスニングのような派手ではないが、それなりにメロディックで瀟洒、節度をわきまえた演奏で、このあたり英国らしさを感じないではいらなれない。

 今時、街のデパートに行くと売り場のBGMに流れているのはスムース・ジャズ版のクリスマス・ソングばかりだが、私が子供の頃、つまり昭和40年代のクリスマス・シーズン時のデパートといったら、ジャズ系の音楽というよりこういう音楽が流れてような気がするのだが、どうだったのだろうか。ともあれ、そんな妙に大昔のデパートの売り場にタイムスリップしたような気分にさせてくれる懐かしいアルバムだ。ちなみにマントヴァーニの録音は、さすがデッカ黄金時代の看板アーティストだけあって、今聴いてもデッカのハイファイ感を濃厚に感じさせるリッチな優秀録音だ。
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アンブロジアン・シンガーズ/ノエル

2007年12月22日 00時21分01秒 | クラシック(一般)
 アンブロジアン・シンガーズというのはイギリスはロンドンを本拠におく合唱団である。この分野はとんと疎いのだが、多分世界でも有数の合唱団だと思う。ステレオ期以降のEMIやデッカなどイギリスで制作されたクラシック・アルバム、例えばベートーベンの第9とか、オペラなどではほとんど常連といえるほどよく見かけるし、そもそも××合唱団とかいう堅苦しいネーミングではなく、アンブロジアン・シンガーズという語感が私みたいなロック出身のリスナーには何故かポップな印象があって、なんとなく親しみやすいイメージがあるのだ。もっともアンブロジアン・シンガーズは、英語の表記がElizabethan Singersだから、よくわかんないけれど「エリザベス歌唱隊」とかいう標記だと、そういうイメージはふっとんでしまい、いきなり辛気くさい古式ゆかしい合唱団の香りがしてくる訳だけれど。

 さて、このアルバムは昨夜聴いたカラヤンのクリスマス・アルバムのとなりに置かれていたアルバムで、CD普及期にデッカが同社のもっとも安いクラシック廉価盤CDシリーズとして出していたWeekend Classicsのシリーズの一枚だ。同シリーズはCDケースの内側に赤いトレイを利用していてそれが妙に印象的だったけれど、ベートーベンの5番とかショパンのピアノ協奏曲、メンチャイといったクラシック入門的な選曲でかつ登場するアーティストも地味だったため、私にはほとんど興味の範囲外だったけれど、一部ライトクラシック的なアルバムをフォロウしていて、当時クリスマス・パーティーなどという司会だの企画だのを沢山やっていた私は、そのBGMとしてこういうものも必要があるかもしれないとか思いながら購入してきたのだと思う。もっともこのCDはその後必要になるようなことはなく、20年近く放置されていたのだが、今、実に久しぶりにターンテーブルにのっているという訳だ。

 内容はアンブロジアン・シンガーズをフィーチャーしたノエル系のクリスマス曲をあつめたアルバムになっていて、収録曲は昨夜聴いたカラヤンのアルバムとほぼ同傾向だが、一部、オルガンとピアノがはいる他は、ほとんど合唱と独唱のみでパフォーマンスされていて、イージー・リスニングの領域にけっこう近づいたカラヤンのアルバムとくらべると、もうすこし純クラシックな香りというか、ストイックな威厳とある種のものものしさが感じられる仕上がりとなっていて、通俗的な日本のクリスマス風景にはちとリッチで高級、そして敬虔過ぎて似合わないという気もする。クリスマスに彼女を車にのっけて街中をドライブする時、BGMでこんなのが流れていたら、ストライク過ぎてドン引きされること請け合いである(笑)。
コメント (2)
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