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カラヤン/アヴェ・マリア

2007年12月21日 23時28分09秒 | クラシック(一般)
 昨夜聴いたエディ・ヒギンズ・トリオの「クリスマス・ソングスII」が、ノエル系の作品ばっかりだったことから、ふと思い出して今さっき探して出してきたアルバムである。邦題は「カラヤン/アヴェ・マリア」だが、今の感覚だとオリジナルの「Karajan Presents Christmas」を、そのままつけてくれた方がよほどしっくり来るのではないか。ともあれ、これはカラヤンが指揮したクリスマス・アルバムである。クラシック系のクリスマスゆかりの楽曲を13曲ほど収録しているが、1961年にデッカが制作したアルバムだけあって、オケはベルリンではなく、当時蜜月状態にあったウィーンである。この時期のカラヤンとウィーンが組んだアルバムは「ツァラトゥストラ」「惑星」「ドヴォルザークの8番、ブラームスの3番、あまたのオペラなどなど傑作(ついでにハイファイ録音としても有名)ばかりだが、こんなアルバムも作っていた訳だ。もっとも他のアルバムと違って、表向き聴こえてくる音のメインは、どちらかといえばソプラノのレオタイン・プライスとウィーン楽友教会合唱団であるが....。

 収録曲は「きよしのこの夜」に始まって、「天にはさかえ」「われら3人の東の王」「荒野のはてに」などなど、クリスマス時期になれば誰もが聴くような超有名曲ばかりで、ウィーン・フィルやウィーン楽友教会合唱団、時にはオルガンをバックに、レオタイン・プライスのうっとりするような美声でクリスマス気分を盛り上げるという趣向である。編曲は誰がやったものかわからないが、イージー・リスニング的な通俗味をぎりぎりのところで回避した、かろうじてクラシックの領域にとどまっている微妙なポジションがいかにもカラヤンだと思う。カラヤンはプロムナード・コンサートだとか、間奏曲集、国歌集、マーチ集など、この種のアルバムをいくつも作っているが、やれなかったのか、やらなかったのか、時にこのアルバムのようにイージー・リスニングの領域に近づきつつも、あくまでその一線を越えることなく、結局はクラシックの巨匠というイメージをかたくなに守った。カラヤンの世代からすれば、そうなるのも当然だったのかもしれないが、街角やショップでBGMで流すにはやや厳粛できまじめ過ぎる音楽の佇まいに、カラヤン特有の気取りを感じしまうのは私だけだろうか。
コメント (1)
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