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高勝美/為什麼我的真換來我的疼

2007年12月07日 23時29分51秒 | 台湾のあれこれ
 ちょいと前にオークションで見かけ、格安で購入した作品。あらためて手にとってみると93年の作品とある。となると、しばらく前にレビューした「蝶兒蝶兒滿天飛」が94年の作品だから、たぶんあれの前作くらいの作品になる計算になる。「蝶兒蝶兒滿天飛」は王道台湾ポップスというか、日本のニュー・ミュージックにかなり近い内容だったけれど、こちらはジャケの雰囲気からもわかるとおり、かなり演歌寄りの内容で、アップ・テンポでダンサンブルな曲はほぼ皆無、しっとりしたバラード風な曲な曲ばかりを歌っている(10曲目に突然シューベルトの「未完成」のモチーフを使ったヴォーカリーゼみたいな作品が出てくるのは驚くけれど)。この頃の台湾ポップスは演歌と台湾ポップスとがまだけっこう未分化だったようで、高勝美のような歌の職人さんの場合、どちらも器用にこなしていたのだろうと思う。

 ただ、アルバム全体としての印象はいまひとつ。どうもこれだっていう曲がないような気もする。全体に夜っぽいムードが強いのはいいのだが、それぞれの曲が地味でどうもインパクトに欠けるのだ。大分前にレビュウした台湾スタンダードを歌ったアルバムのようなド演歌ならそれはそれで良いし、「蝶兒蝶兒滿天飛」のようなカラフルなポップを指向するならするでこの人はけっこう様になってしまうのだが、どうもこの作品はちと淡々としすぎていて、台湾ポップらしい琴線に触れずにはおかない人なつこいメロディーとか、初めて聞くのになぜか懐かしくなってしまうあの雰囲気がいまひとつなのである(まぁ、5曲目あたりがそれに近いかな)。とはいえ、しばらく前に購入したDVDなど観るに、多分、この作品で聴ける高勝美のイメージが本国では正統派高勝美路線ということになるのかもしれないけれど。
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