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音楽全般について 素人臭い能書きを垂れてます
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Chicago VII

2007年12月06日 23時22分45秒 | ROCK-POP
 前作、前々作とポップ化、AOR化の進んだシカゴが、2作ぶりに出した2枚組のアルバムがこの「シカゴ7」である。いったいバンドに何があったのかわからないが、久しぶりに2枚組ということもあって、アルバムの開幕からしばらくは全くヴォーカルが登場しない、大インスト大会となっているのだ。なにしろ1曲目「Prelude To Aire」から6曲目の「Hanky Panky 」まで、つまりアナログでいえば1枚目の片面と半分くらいがインストなのだがら、その徹底振りはかなりのものだ。私はこのアルバムを初めて聴く訳だけれど、こうしたインスト指向のようなものは「シカゴ3」で、一応バンド内で解決済みの問題としてピリオドを打ったと思っていたのでけっこう意外であった。

 もっとも、インストといってもかつてのようなサイケの延長線上にあるような野放図なものではなく、1974年という時流を反映してか、ラテン風味を加味したジャズ&フュージョン的な面を強くだしているところもあり、かつてのれ流しのようなインストに比べるととても聴きやすく、また充実していると思う。一方、従来の流れを更に推し進めたポップ&AOR路線は後半にたっぷりと収録されていて、これはいよいよ中期シカゴ風、あるいはソフト&メロウと呼びたいような音楽になっている。しかも、ボサ・ノヴァ風な「Life Saver」がでたと思えば、ビーチボーイズのドリーミーなコーラスをフィーチャーした「Wishing You Were Here」、ポインター・シスターズが参加したファンキー・ナンバー「Skinny Boy」、正統派シカゴといった感じの「Call On Me」などなど、人脈も内容も非常に多彩、しかも非常に楽しめるのがいい。前半のインスト大会には少々や驚くものの、それが過ぎてしまえばまぎれもなく前の続きのシカゴとなっている寸法である。そんな訳で、ここ数作のシカゴ作品としは一番気に入った作品となった。
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