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音楽全般について 素人臭い能書きを垂れてます
プログレに特化した別館とツイートの転載もはじました

PIERANUNZI, JOHNSON, BARRON /Play MORRICONE

2005年07月27日 21時28分31秒 | JAZZ-Piano Trio
 ピエラヌンツィにマーク・ジョンソンとジョーイ・バロンを擁したトリオによる2001年の作品。イタリア映画音楽の巨匠エンニオ・モリコーネ作品をカバーしたアルバムということで、けっこう話題になっていたことは知っていましたが、恥ずかしながら聴くのは始めてです。ピエラヌンツィはしばらく前にレビュウした「Infant Eyes」はショーター集でしたし、最近ではフェリーニ集とか、未聴ですがフリー・インプロだけでまるこどアルバム作ったりして、とにかくアルバムをひとつのコンセプトでまとめることが好きみたいですね。

 さて、このアルバムですが、モリコーネ集ということなので、彼がモリコーネの曲をどう料理しているとか、選曲のセンスとかを云々できればよいんでしょうが、私がモルリコーネの曲の熱心なリスナーではなく、曲自体をあまり知らないのでそのあたりを書けないのが残念です。ただ、全体にいえることはいつものピエラヌンツィの演奏と比較して、かなりアーシーで時にブルージーなところがあったり、時にユーモラスな表情を見せるところがちらほらしたりして、いつもとけっこう雰囲気が違うので、そのあたりがモルリコーネの色なのかもしれません。

 演奏としては、ピエラヌンツィらしさが炸裂するアップテンポな「La Voglia Matta(狂ったバカンス-62年)」とオリジナルの「Just Beyond The Horizon」はビル・エヴァンス直系な透徹したリリシズムを感じさせる点が良かったですかね。Incontro」はボサ・ノバ(今の季節向き?)。この人がやるボサ・ノヴァってのはちょっと温度低過ぎなところはありますが、これはこれでおもしろかったです。また、「Jona Che Visse Nella Ba」はピアノ・ソロ。
 ついでに、あまりモリコーネのことを知らない私でも、「あぁ、モリコーネの曲だな」と感じたのは、「Le Mani Sproche」。モリコーネの曲でイタリア風な情感とちょっとアーシーで泥臭いような旋律が特徴だと思うんですが、そういうところがよく出たテーマだと思います。ただ、まぁ、その後、ピエラヌンツィによってフリーみたいにテーマを完璧に解体されちゃう訳ですけど(笑)。

 という訳で、久しぶりにピエラヌンツィのアルバム聴いた訳ですが、やっぱこの人いいですわ。この人のそこはなかとない透明感と緊張感を漂わせつつ、あくまでもエレガントさ失わない演奏は、やっぱサイコーに私好みです。
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F.I.R./無限

2005年07月27日 18時22分49秒 | 台湾のあれこれ
 台湾ポップスというカテゴリを設けたのはいいが、読み返してみるとレビュウしているは古いのばっかり....。たまには新しいものをということで、FIRというグループのアルバムを購入してきました(先日の蘇慧倫のVCDと一緒に)。もともとはこのブログにコメントしていただいた方のコメントにより知ったグループだったのですが、ジャケ写真からして「こりゃ、台湾のELTに違いあるまい」と、当てこんで購入してきました。

 実際聴いてみると、「ハードエッジなギター+テクノ風な打ち込みサウンド+なんでもあり的総決算感覚」という感じで、その意味でも確かにELTっぽいところもありますが、ダンサンブルな曲はどっちかというと汎エイベックス系という感じです。
ある程度タイムラグはあるものの、おおよそJ-Popの流行を敷衍してきた台湾ポップスですから、まぁ、こうなっているだろうなとは思いましたが、やはりという感が強いです。ただ、こういうスタイルだと音楽の情報量といい、刹那性といい、いまや消費大国になった日本にはかなわないって感じもしないでもないですが....。
 ただし、このアルバムそうしたエイベックス路線のみで一気に突っ走っているのかというと、それだけでもなく、3,5,6,11曲目あたりバラード系作品が沢山入っているのは、「バラード王国台湾」の面目躍如って感じで、思わずににんまりするところですね。ツボを押さえまくった切ないメロや、郷愁を誘うようなムードはいかにも私の好きな台湾の感触で、実に心地よくて、確かに台湾の音楽聴いているという気がしてきます。

 ヴォーカルのフェイは、いかもモデル風にモダンな美人さんですが、歌そのものは比較的なオーソドックスな台湾風のもので、バラードなんかではいいんですが、ダンサンブル・ポップなんかでは、もう少し突き抜けたソリッドな歌い方してもいいかな....と思わないでもなかったです。あと、気がついた点としては、時にオーケストラと民族楽器をフィーチャーした曲をインタリュード風に入れたりして、けっこうポップ・ミュージックの枠を破るようなスケール感を出しているあたりおもしろい点かも、この辺は他のふたりのメンバーの個性なのかもしれないですね。
コメント (1)
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